9月26日 風は嵐に! 湖上のバトル!  編集:小


 夕暮れ時の湖に、二人の人間がやって来る。
 一人は徒歩で、もう一人は翼を借りて、湖で落ち合った。

ポッター「ーーッ! (カフェから湖に来るや、先程店内で発した鳴き声と同じものを入り江に向けて発し!) 新技は完成していないようだが、まあそれに頼らずするしか無いな。 (ローブを脱ぎ捨て、ベージュ色の柔道着を思わせる質素な服装を露にして)」
 ラティオスのものに似た鳴き声を発した青年の前に、30代後半とは思えない若々しい顔つきの女性…いや、男性が降り立った。

ヨート「(『そらをとぶ』でここまでやってきたようだ/すとん、と湖の際に降り立つと、ここまで運んできたらしいトゲチックをボールに戻して、ルーメイのボールを放り)」
 左頬に古傷のある男性は、何も言わずにバトルする準備を進める。

ポッター「。0(湖、か。・・・ルサンキアの能力も、此処ならフルで発揮できるだろう。) ヨートさん、お互いに良いバトルができるよう、全力を尽くしましょう。 (湖に背を向け、ヨートに向き直って)」
 そう言い終えた直後に、ポッターの背後の湖からルサンキアという名のミロカロスが水しぶきを上げて姿を現した。

ヨート「・・・ん。 ジムリーダーとして恥じない戦いをさせていただくぜ!」
 ポッターに向かって言い返すと同時、モンスターボールの中からランターンのルーメイが飛び出した。
 するとヨートはポッターに背を向けしゃがみこみ、ランターンと話を…昨日の晩御飯の話を始めた。

ルサンキア「(首を下げ、ポッターの耳元で囁いて) ・・・食べ物の名前が聞こえたのだが。 バトルをしないのなら、私は帰るぞ。」
ポッター「いや。 暗号で伝えている可能性も充分にあり得る。 ルサンキア、君の正面突破力を期待する。」
 ルサンキアの反応に笑みを浮かべ、ポッターはヨート達の様子を見る。

ヨート「・・・分かった、明日のお前の朝飯に嫌がらせで凍ったソクノの実をぶち込んでやる。」
ルーメイ「死ねばいいね。」
ヨート「よし終わり、行ってこい。」
 ポッター達が話している間に、ヨート達の会話が終わった。
 この会話の意味は、これから明らかになるのであろう。

ルーメイ「(ぱちゃり、音を立てて湖に飛び込み) ・・・ルサンキア、とか言ったか。 私はルーメイ! ジムリーダー桜埜ヨートのランターンだ! ぜひともこの戦い、双方共に実りあるものになることを願っている! (と、叫び)」
 バトルへの意気込みも露わに堂々と名乗りを上げる。

ルサンキア「(その巨体を水上に浮かべ、抜群の安定感でルーメイを真紅の両眼で見下ろして) 同じ言葉を、敢えて言う必要も無いな。 (フッ、と口元に好戦的な笑みを浮かべたかと思えば、水を押しのけるような力強い泳ぎでルーメイから距離を取って)」
ルーメイ「(言葉の途中から、同じような赤い瞳でルサンキアを睨み上げ) ・・・」
 彼もまたバトルを愉しむ者、ランターンのルーメイと、ミロカロスのルサンキアが向かい合った。
ポッター「。0(そして、僕のことを驚かせてくれよ。)」
 相棒のルサンキアに、ポッターは口では無くテレパスで言葉を伝える。

ポッター「(ヨートを一瞥して) 先行はどちらで?」
ヨート「そちらでどうぞ。 うちのルーメイにお灸をすえてやらねえとな。 (と、軽い冗談のように口走って)」
 カフェでの雰囲気とはまた違う雰囲気を纏うヨートは、ポッターに余裕を見せる。

アイグル 「… (丁度楽しい事が始まりそうな湖の上空へと飛来すると、邪魔にならぬよう滝の流れる崖の上にひらりと舞い降り、地面を足に付けながら崖に腰掛ける。)」
 観戦者が訪れた。 しかしバトルとは関係ない為大幅に編集される運命にある。

ポッター「では、お言葉に甘えさせてもらいます。 (右手を高々と掲げ、勢いよくそれを振り下ろし指をルーメイへと向けて) ルサンキア! スキミング・ファイア! (天まで届くかのような、暗号じみた単語を叫び)」
ルサンキア「(命令を受けると同時に太い尻尾で水を強く蹴り、数秒後にはジェットスキーのような速度に達し!) まずは小手調べ・・・ (冷凍ビームをルーメイに向けて発射、ジグザグに水上を“走行”しているにも関わらずかなり正確に狙ってくる!)」
ヨート「・・・言ったとおりになルーメイ! 行け!」
ルーメイ「くっ! (タイプ相性の関係で半減された、とはいえ強力なビームを受けつつも潜行、水上から姿を消す/しかし、深海の底からでも届く種族特有の光がルーメイの場所を知らせている―)」
 ついにバトルが始まった! 巨体を軽々と動かすルサンキアに対し、ルーメイは水中から攻める方針の様だ!

 ここでロトムのロッキー、ユキワラシのスノーウィ、ルギアの銀翼が湖を訪れる。

銀翼「(川から飛んできたが、湖周辺では見えないと判断したのか、滝の方へと向かっていき) …始まっているようですね。」
ロッキー「(バトルが行われている事を露知らずやってきて) あれ…? バトルやってるのかな?(目の前の光景を見て)」
スノーウィ「(ロッキーの頭にちょこんと座っている) そうみたいだね。崖の上、行こっか。」
ロッキー「うん。 (そういうと、スノーウィを連れて崖の上まで浮いて行き)」
アイグル「… (始まったバトルを、崖の上から静かに見つめ、記憶しているらしい。)」
 すっかり崖の上が観戦スポットになっている。

ポッター「。0(おや・・・あの滝の上のアイグル・・・?/ぁ)」
 きゃー、ポッターさーん、こっち向いてー♪
 ―一部、偏向報道があった事を深くお詫び申し上げます。

ポッター「ルサンキア潜水。 いくら効果半減とはいえ、ダメージの蓄積にはなる。 まずは遠距離射撃で相手の動きを封じろ。 (ルーメイだけでなく、ヨートの動き、言動の一つ一つを注意深く観察しつつ、ルサンキアに淡々と指示を飛ばし)」
ルサンキア「(ザババババッ、と水上を走る槍のごとく潜水、しかし無闇にルーメイに近づこうとはせず、明かりを頼りに冷凍ビームを再度発射し!)」
ヨート「・・・ (特に表情を変えることはなく言葉を発することもなく)」
ルーメイ「(冷凍ビームは再び手ごたえを残した、次の瞬間ひとつだったはずの明かりが周囲に次々と点っていき、ルサンキアを取り囲んでいく! ルーメイ本体の姿はまだ見えない!)」
 ルサンキアもルーメイを追って水中に飛び込むが、ルーメイが動きを見せた!

ルサンキア「。0(影分身、だと・・・?) (コポッ、と口から気泡を複数出し驚いたような表情を浮かべるも、すぐに表情を何時もの無愛想なものに戻し)」
ポッター「。0(やはりさっきの会話は暗号か。ジムリーダーともあろう者が、直前にそんな無駄な会話をする筈も無い) 暗闇に引き込んだ面白い作戦ですね。 (ヨートを見つめ、敬意を込めたコメントをしたかと思えば、ルサンキアの居る辺りに眼を向けて) では、此方も大技に取り掛かりましょうか。 (右手を広げ、それを上へと向けて) やれっ、ルサンキア!」
ルサンキア「。0(驚かせる・・・フン、種明かしで少々気が進まないのだが、仕方ない) (身体を垂直に立て、身体を軸にぐるぐると回転を始め! 周囲の水が渦巻き始める)」
ヨート「・・・よし行け!」
ルーメイ「(ちかり、と1点光がひときわ輝いた、と思った瞬間、周囲の光が赤青のものに姿を変えて、渦巻き始めた水に乗りながら中心のルサンキアへ向かっていく! ルーメイのシグナルビーム!)」
 ルサンキアも対応を変えたが、ルーメイに先手を打たれた!

ルサンキア「ぐぉっ・・・・! (集中攻撃を受け、受けた箇所の鱗の輝きが鈍り。 しかし回転は続け、ついにはルサンキアを中心とした巨大な渦潮が出来上がる! その渦潮はルーメイとその分身?達を巻き込み、翻弄するつもりだ)」
ポッター「(相変わらずヨートとルーメイのコンタクトを観察しつつも、ルサンキアの力を信じているかのような、そんな眼差しを水へと向けていて)」
ヨート「・・・。0(あー、これ1回上げたほうがいいな、しょうがないか) ルーメイ、10万ボルト! (と、高らかに宣言した/一応補足:分身はシグナルビームの準備段階でした)」
ルーメイ「・・・チッ、厄介なことを! (と、毒づいて/渦潮に巻き込まれながら、頭の光る部分を一際強く光らせた! (※光らせただけだよ!))」

ポッター「。0(電撃を放つつもりか。 麻痺した場合、走行間射撃が困難になる・・・耐えてくれ、ルサンキア) ・・・ (無言でただ渦潮を見つめていて)」
ルサンキア「はあぁぁぁっ!! (ミロカロス独特の美しくも雄々しい咆哮を上げ、ルギアの如く水上に水の竜巻を出現させ、その中心を滝登りするかのように上昇していき! 抜群の安定感のおかげか、中心から全くブレていない!)」
ヨート「。0(別なのが上がってきたけどまあいいか(何)・・・) ソクノのみ凍らせて晩飯にすんぞ (と、呟いた)」
ルーメイ「(きっとまだ渦潮に翻弄されているだろうが、水の竜巻目掛け10万ボルトを放った!)」

ルサンキア「(下から迫る十万ボルトに追われる形で水を纏ったまま竜巻の上に姿を現し、逃げ切ったかに見えたが尻尾に直撃し、顔を激痛に歪めて) ぐあ・・・っ!! (硬く閉じた目を開き、真紅の眼でまだ渦潮に捉えられているルーメイを睨み!) これを避けられるか! 私の“槍”を! (まとっていた水に冷凍ビームを照射、ボロボロになった鱗が透けて見える氷の鎧を纏い、巨大な“槍”となってルーメイへと落ちていき) アイス・ペネトレーター!!」
ヨート「・・・洒落になんねえなこりゃ、どうするルーメイ? ホズのみでも持つか?」
ルーメイ「目が回るんだけどどうしたらいいんだい! (と、言うほど目は回っていないらしく/刹那自らの周囲の波を一気に制御したかと思うと(=なみのり)、渦潮から抜け出しつつ尾で水を蹴り水面から飛び出し、迫り来るルサンキアに強烈な閃光を発しながらぶつかっていく!/とは言え勢いで勝てるわけがないので当然当たれば弾き飛ばされるだろう)」

スノーウィ「。0(氷の槍?凄い…あんなコンボが出来るんだ…) (ルサンキアの行動を感心しながら見ていて)」

ポッター「見事なサプライズだな。期待に応えてくれたが・・・ (表情が先程に比べ、大分険しいものになってきて) そろそろ彼の体力も危ない。 冷凍ビームを自分に照射したようなものだ・・・。」
ルサンキア「(閃光によって視界を奪われた! しかし落下コースは途中から変えることはできないのか、そのままルーメイに直撃するだろう!)」
ルーメイ「(あくまで視界を奪うのが目的だったらしく、そのまま素直に弾き飛ばされうっかり陸まで上がってしまった(…)」
ヨート「どうだルーメイ、行けるか?」
ルーメイ「生憎体力には自信があるんで、ね! (はあ、と大きく息を吐き出すと、シグナルビームの光を引き連れて再び湖に潜り)」

ルサンキア「。0(くっ・・・全く視界が利かない・・・! 厄介なことに・・・) (バチバチ、と胴体に走った電撃に顔をしかめ) ・・・あの10万ボルトが、私の自由を拘束している。 長くは持たない・・・ (ルーメイを吹っ飛ばした後そのまま槍状態のまま水中に突っ込み、氷を爆弾のように破裂させ、鋭い氷の破片を弾丸のような勢いで四方八方に放ち! その一部はルーメイに行くかもしれない)」
ルーメイ「(シグナルビームの光をその場(=ルサンキアの背後)に残して自分だけ泳ぎ始め/氷の破片は極力回避して泳いでいたが) ・・・いっ (ごつん/僅かに声を上げた直後、背後に置いていたシグナルビームが発射された!)」
ヨート「。0(いくらルーメイが体力馬鹿って言ったってアレはきついだろうな、さてどうするか)」
 大技の渦潮も消え、いよいよ終盤戦に突入した。

ルサンキア「(シグナルビームが背面に直撃、ゴボボッ!と息を吐き出して) ウグァッ・・・・!! 。0(くっ・・・意識が・・・・遠のいていく・・・・!) (反撃しようと首を攻撃を受けた方角に向けるも、長い身体が沈没寸前の潜水艦のように沈み始めていて)」
ルーメイ「(しかし振り向いた先にルーメイはいない!)」
ヨート「・・・確かにそうだなルーメイ、お前の言うとおりだぜ、・・・悪いな! (ぴ、と天高く右手を突き上げる)」
ルーメイ「(タイミングを計っていたかのように水上に躍り出て/高々と跳ね上がると、湖目掛け10万ボルトを撃ち込む!)」

ポッター「。0(ルサンキア・・・!) ・・・ッ! (10万ボルトを撃ち込まれ、多量の蒸気を上げて水しぶきを上げる湖を見つめ、歯を食いしばって) ルサンキア!」
ルサンキア「(暫くすると、水面に傷だらけになって浮かんできた。両目を閉じ、応答はない)」
ルーメイ「(ぽちゃん) ・・・終わったのかい (ゆらり、とヨートの方に向いて/目に見える疲れが表情に出ている)」
ヨート「・・・終わったな、お疲れルーメイ」
ルーメイ「どうだい私は。あんたのいない間に私がどれだけ頑張ったことか―」
ヨート「もういい何も言うな」

ロッキー「…………終わったみたいだね。」
スノーウィ「うん。 (傷だらけのルサンキアを見ながら)」
銀翼「決着がついたようですね……。」
 ついにルサンキアが力尽き、バトルは終わった。

ポッター「。0(・・・まあ、電撃の使い手であるランターンを相手に、よく健闘したな。 ルサンキア) 流石、ジムリーダーと言われるだけの実力ですね。 (ヨートにゆっくりと歩み寄り、ルーメイを一瞥して) お強いですね・・・。」
ルーメイ「(ポッターなどあうとおぶ眼中でヨートに何やら話していたが、湖からひょいっと抱え上げられて)」
ヨート「(22.5sをちょっと頑張って抱え上げている/服が濡れるのとかは気にしていない) 俺じゃない。こっちだぜ」
ルーメイ「・・・ (さっきまで散々喚いていたのが嘘のように大人しくしている)」
ルサンキア「・・・ぐぐ・・・! (意識を取り戻したのか、一部電撃によってコゲた顔を歪ませ、目を開いて) ・・・負けたのか・・・・私は (首をゆっくりと上げ、湖畔で話すヨートとポッターを見つめ)」

ロッキー「………(自らが憑依している振り子時計の扉から何故か冷蔵庫が飛び出し、そこからオボンの実を取り出して)」
アイグル「… (何も言わずに、崖の上からバトルをしていた皆様全員に向けて拍手を送る。)」

ポッター「(ヨートに黙って頷き、ルーメイを穏かな目で見つめて) 満足できる戦いを経験できました。 (ルーメイに頭を下げて) ありがとうございました。 ・・・光を上手く使ったランターン独特のその戦法、良い勉強になりましt (アイグルの拍手の音に、そちらを向いて) ・・・・ハハッ、見てください。アイグルさんも、拍手してくれていますよ。」
ルーメイ「・・・ふん。 精々これからに生かせばいいんじゃないかい。 (最後まで素直になれない/アイグルの方を見やって) カミサマまで観戦かい、どこのだか知らないけど相当な暇ポケなんだね」
ヨート「そっちも凄かった。 まさか水面走ってくるとは思わなかったぜ」

銀翼「(そして、健闘をたたえ、拍手を送り…) …凄いバトルだったね…。」
スノーウィ「……… (こちらもロッキーの頭の上から拍手を送って)」
ロッキー「…… (オボンの実を持っているので拍手が出来ない!(」
アイグル「… (その発言だけカットしてしまおうか、なんて拍手を止めて顎元に手を当てたりする。(   今も全て記録しているらしい。()」
 残念ながら編集はされなかった。
 ルーメイさんもルサンキアさんも、ポッターさんもヨートさんもお疲れ様でした!

ポッター「(観客からの拍手に、そしてヨートの言葉にやや照れくさそうに頬を赤らめて) ・・・そう言ってもらえると、照れますね; (しかしそれ以上誇らしげに語ろうとはせず、謙虚に再度一礼して。 その後、湖に振り向いてこちらに向かってくるルサンキアを見つめて。 目は『よくやった』と褒めるような輝きを持っていて)」
ヨート「(一礼なんてしたらルーメイをうっかり落っことしそうなのでそんなことはせずに) ・・・じゃ、行こうかルーメイ。 いい加減お前を下ろしたいんだぜ。」
ルーメイ「ふん、いつでもぶん投げて降ろせばいいじゃないか。 抱え上げろなんて頼んだ覚えはないね」
ヨート「ホントに叩きつけるぞお前 (カフェに向かって歩いていき)」
 ヨート達は一足先に戻って行った。

ポッター「(『こちらこそ』と言うかのように、ヨートに恭しく一礼して) ありがとうございました」
ルサンキア「(ポッターの後ろにまで近づき、カフェへ向かっていくヨート達の背を見つめていて)」

 こうして、湖でのバトルは幕を閉じた。
 一人また一人と帰路に着き、後には穏やかな風の吹くいつもの湖が残される。