11月23日 今そこにある火種?  編集:Rista


どこかの世界の、どこかの海に浮かぶ、とある島。
名前がつかないまま早3年半近く、おおむね平和なこの島にあるみんなの憩いの場、カフェ「パーティ」は相変わらずのどかに営業中。

これはそんな喫茶店で起きた、ある“ささやかな”騒動のお話である――



イーリング「(さてと、と辺りを見回して)・・・・・・何しよっかなあ(」

 夜9時台。
 客はまばらにいる程度、特にこれといった話題もないのか、店内は割と静かである。
 目立つものといえば、悪戯好きなカゲボウズのイーリングが暇そうに浮遊していることくらいだ。

カラカラ「……本当に不安定のようですね。(ピタサンドをぱくついて)」
ヘル「色々あるんでしょう、きっと(…/メニューを片手に持ち、眺め始めて)」

 こちらは、さっきから頻繁にゴーストに連れ去られる別の客を心配してる二人。
 ヘルは青白い肌と喪服のような黒ずくめが特徴の少女。一方、ピタサンドを食べる名無しのカラカラは頭蓋骨の上に魔女のようなとんがり帽子をかぶっている。
 近くには幽霊もいるし、人によっては季節外れのハロウィンのように見えたかもしれない。
イーリング「・・・・・・・・・。(空中で硬直している。)」

カラカラ「(食べる手を止めて)……ところで、先ほどそちらの「霧」を通って行かれた皆さんは、いったいどちらへ?>ヘル」
 ここで言う「霧」は島の各所を気まぐれに移動しているおなじみのゲートではなく、ヘルがすぐ隣に従えていたものを指している。霧を操る能力を持っている彼女は自分で作った霧を介し、先ほどまでカフェにいた何人かの常連客をどこかへ連れて行ったのだ。
ヘル「ああ。エンジュの近くの繁華街ですよ。下見に出かけたこともありますが、ああいった場所は地域や世界の特色がよく出ますね>カラカラ」
カラカラ「観光ツアー……ではなさそうですね。先ほど人助けがどうのこうのという話が聞こえました。」
ヘル「ええ。誘拐…というのも大袈裟ですが。姿の見えなくなった、とある女性を探しに、心当たりのありそうな人物のところまで。」
カラカラ「つまり人捜しですね。あなたはここで連絡を待つ状態、というわけですか。>ヘル」
ヘル「はい。コーヒーを飲みつつ、皆さんを心中で応援する崇高な役割を果たしているところです(…>カラカラ」
 それって、崇高な役割って言うのか……?
 ちなみにヘルは今のところ、コーヒーどころか何も注文していない。

 そこへシェラが来店。
シェラ「・・・あらみなさん・・・こんばんは・・・」
イーリング「・・・・ばんはー。(天井にぶっすりと。)」
 頭の角で天井に突き刺さり、そのまま見下ろすように挨拶する人形ポケモン。その姿は使ってないランプシェードのようだが、ひらひらの中には当然電球など入ってはいない。
 この後、シェラとカラカラの間で軽い雑談が挟まったが、本筋には関係ないので割愛。
 一区切りついた頃、先ほどのヘルの発言を思い出して再びそちらを見た。
カラカラ「それは場合によって非常に重要かつ意外性のある役割となり得ますね。>ヘル」
ヘル「躊躇いもせずその反応というのは予想外でした。コーヒーを飲んでないことをツッコんだら、私の中では天然認定されていたのですが(……)」
カラカラ「実際に今コーヒーを飲んでいるかどうかなど、些細な違いではありませんか。>ヘル」
イーリング「・・・・・・絶滅種の恐ろしいキャラが来たな。(カラカラを見下ろして)」

 ここで歴戦の冒険者、佐藤軍師が来店。
佐藤軍師「はぁ……納品のクエストは無理するものじゃねえな。」

カラカラ「何故、あなたはそのように考えたのですか?(イーリングを見上げて)」
ヘル「そうですよ。キャラは大体私と同じじゃありませんか…。…おや、今晩は。」
イーリング「・・・・・・・・ボケ殺しを久々に見た。(   ばんはー。・・・・・あれ、お前ボケ殺しだったっけ、すっかり忘れてた。>ヘル」

ボケ殺しとは:
ボケのつもりで言った話に真面目な答えを返したり、逆にボケを返したりして相手を困らせること。またはその人。
意図してやってるかどうかはここでは関係ない。

カラカラ「成る程、そういった意味でしたか。それはおそらく私がボケ殺しにならざるを得ない環境に育ったせいでしょう。>イーリング」
イーリング「・・・・・・・宇宙人か。きっと宇宙人に違いない。(」
ヘル「ピッピなら納得はいくんですがねえ(<宇宙人」

軍師「ま、愚痴はなるべく言うもんじゃねえしな。 こんばんわ〜っと。」
ヘル「軍師さんの愚痴を肴に飲むのも良いかもしれませんよ。……ノンアルコールですが(」

 挨拶もそこそこに、宇宙人の話に戻る店内。
イーリング「何故ピッピが出る。宇宙人未来人超能力者の中に居る宇宙人を思い浮かべたぞ俺は。(」
ヘル「ピッピは月から来た、という説もあるそうですよ? ……ピッピ、セレビィ、ユンゲラー、といったところでしょうか( <宇宙人未来人超能力者」
 そういえばポケモンアニメではかつて宇宙船を建造するピッピの話がありました(…
カラカラ「(ピタサンドを一口食べ)……あなたもそんなに遠い存在ではないと私は思うのですが。>イーリング」
イーリング「遠い存在では・・・・・無い、だと?(頭の・・・横にアンノーン?が現れて。) そうなると主人公はキルリアか。(」
カラカラ「互いに異世界人ではありませんか。その分類の元ネタとなったフレーズの中でもすっかり忘れ去られているようですが。>イーリング」
イーリング「後半が理解不能。詳しく。>カラカラ」
カラカラ「もしや知らないで使っていたんですか、その分類を。>イーリング」
ヘル「詳しくないので選択理由が解りませんが、どの辺が主人公なのでしょう(<キルリア」
 徐々にそれぞれの知識量の差が明らかになってくる。いや、知らないからといって何があるわけでもないが。
 そこへ、

ノロシ「ちょっと待ちなさい!その主人公はミミロップ♂じゃないの!?

 ばーん、と窓を開けて誰かが入ってきた!
 その正体はマグマラシのノロシ。
 口を挟まずにいられなかったのか、かなり気合いが入った様子で声高に主張し始めた。

イーリング「エスパー繋がりだし女の子らしいじゃん。(   な、何だってー!>ノロシ」
ヘル「…………更に理解が追いつかなくなってきたのですが(」
軍師「……どう聞いても『ハルキ』ですな、よ〜くわかります。」
 それぞれの反応がさらに混沌としてくる。
軍師「……あれ?『ハルヒ』……だったよな……どうしてこう言った……?」
ノロシ「何よ、ハルヒコの話じゃない訳?(…)と、そうそう忘れてたわ。こんばんは!(…」
 自分のボケ回答に首をかしげる軍師をよそに、思い出して挨拶するノロシ。
 ちなみにここでシェラがいったん退店している。

イーリング「素数を数えて落ち着け、135711・・・・(  よし、主人公があんなえろうさぎなわけない。よって却下!(   とりあえず知らないから教えてそのフレーズ。」
ノロシ「1は素数じゃなーい!(…  まるくなる・やつあたり・なげつける・こらえるを覚えて「ぶきよう」なポケモンなんてほかに何が居るのよ!(どーん」
イーリング「秤ス処まで調べ上げているんだこいつ!  主人公はピカチュウだろ!あんなえろうさぎなんて絶対認めんぞ!あ、キモリでもいいかもしれない!(」
 本当かどうか気になる人は、本棚のポケモン図鑑でミミロップを探してみよう!

 一方「教えて」と言われたカラカラ、何か考えてから、こんなことを言い出した。
カラカラ「……此処で例の名台詞を演じるとしたら、あなたの方がふさわしいかもしれません。フルバージョンでどうぞ。(何故かノロシを見た)」
ノロシ「え、アタシ?(カラカラを一瞥し)――ただの人間には興味ありません、この中に宇宙人、未来人、異世界人、超能力者が居たら私のところに来なさい、以上ッ!
 ほぼパーフェクトな回答が来た。
イーリング「異世界人なんてあったか!?待て、とんでもないぱぅわーを持っているのは三人だよな!?(」
カラカラ「……。(ゆっくりうなずきながら拍手した。顔全体の表情は頭蓋骨に覆われているためうかがい知れない(…」
 現時点で作中に出てきてるのは3人だが、有名な台詞で4種類挙げているのは本当である。検索するか、お近くの書店でお確かめください。
ヘル「…………まさかの声ネタですか。そういえば、此処ではあまり見ませんね(」
カラカラ「ああ、やはり声ネタとしても選択は正解だったんですね。>ヘル」
ノロシ「声ネタなら、アタシもうちの馬鹿も、腐るほどネタがあるわ!(なぜか喜々としている)」
 この辺は裏設定なので、感のいい人と知ってる人だけニヤつきましょう(…

 さて、ここに立ち上がった男が一人。
軍師「……貴様は2回も『ぶきよう』なミミロップを否定した!(イーリングを指差し)」
ヘル「え、そこ反応しますか?(軍師を見て)」
イーリング「否定したさ!それがどうしたというのだ!」
軍師「いいか貴様ら! ポケモンには触れちゃならねえ痛みがあるんだ。」
ノロシ「そうよ!不器用すりかえ火炎玉ミミロップの恐ろしさを、アンタは知らないのよ!(口の端から火の粉を噴きつつイーリングを見て)」
 なんかどっちも気合いが入っている。
 しかも話が少しずつずれてきている。
軍師「そこに触れたら、後はもう命のやり取りしか(ここでイーリングを捕まえようとする!)」
イーリング「唐突に説教始めたぞこいt(がし、とひらひらが掴まれて)何だとッ!?今のは油断させるものだったのか!?    なにが火炎球だ!リングマの方が強そうだぞ!」

シェラ「終わったわ・・・ふぅ・・・(またやってきた)」
ヘル「お帰りなさい(」
シェラ「・・・ただいまもどりました・・・それにしても・・・早速だけどなにこの状況・・・(周りを見て」
ノロシ「何って、知らないなら刮目なさい!こんなの、ほんの数年前までザラだった風景よ!(シェラを一瞥し、誇らしげに胸を張って」
シェラ「・・・なんで誇らしげなのかしら・・・?(ノロシさんを見て」
カラカラ「説明します。今はミミロップの特性の優劣について論争が始まったところです。>シェラ」
 その説明もちょっとずれている。
シェラ「(そしてカラカラさんを見て)ミミロップって・・・あの確かセクシーなウサギさんでしたっけ・・・?(なんか表現間違ってる」
カラカラ「人によってはそういった表現をすることもありますね。>シェラ」

ノロシ「だから、不器用で火炎玉の効果を受けずに相手にすり替えで押し付けるのよ。毒毒玉でも可だわ!(イーリングを見て」
ヘル「拘り眼鏡や後攻の尻尾などでもありますね(」
 ノロシ側の主張は非常に実践的な話だった。
 火炎玉は持っているだけで「やけど」する大変熱い玉である。「どくどく」状態になる毒毒玉共々、ポケモンバトルでは特性「こんじょう」のリングマなどが使うアイテムとして知られている。もちろん多くのポケモンには邪魔でしかない。

軍師「残っちゃあいねええんだぁぁぁ!!
 イーリングを捕まえるとすぐさま窓を開いて、そこからイーリングを放り投げた!
 投げられた方向には何故か木の板が何枚も立っている!

イーリング「GYAAAAAAA!?(バキキキキッ、と一気に全ての板を貫いた!)」
ヘル「軍師さん。描写にはご注意を(」
 いつの間に準備したのだろう。ノリのいいイーリングが相手だからまだ良かったが、見ようによっては確定描写すれすれである。
 でもまだ軍師の興奮は収まらない。なんか派手な音がカフェの外に反響した後、
軍師「(窓の外に向かって) 冗談じゃねえぞ、この野郎ぉぉぉぉぉっ!!
ノロシ「……掴み判定と投げ技判定が別だなんて、スマブラくらいのもんじゃないの。(ツッコミが間違っている」
 これまた何かずれているツッコミをよそに、

 ズドオオオオン、とイーリングが飛んで行った方向に火柱が上がった!

軍師「(火柱が上がったのを見て窓を閉め)……こりゃあ下手すると軍師とイーリングとの戦(いくさ)になるな……。」
ヘル「(窓の外を見て)……いっそ拍手を送りたくなるくらい派手な最期ですね。さようならイーリングさん(…」

ノロシ「他人事みたいに言ってないで、やるなら外でやれっつー話よ!(軍使の背後からとびげり(否技)を放った!)」
 あ、ノロシの反撃(違)が始まった!
 さらに外からは何故か爆音が聞こえてくる。
イーリング「(・・・・・・ブオオオオォォ、とバイクに乗って(?)戻ってきた!)俺の名を言ってみろおおおお!(」
軍師 (残像を残しながら蹴りを避けつつ) 『イーリンク』  |>『イーリング』  『イ゛ーリング』
イーリング「何故だあああ!?
 軍師が選択コマンドを入れた瞬間。
 が、と何かが窓に引っかかり、バイクを外に残して慣性でイーリングが中へ突っ込んできた。

軍師「……甘いな。 だが、俺はそろそろ帰るわ。」
 佐藤軍師は にげだした退店した!
ノロシ「ちっ、避けたわね!(若干滑りつつも着地し、イーリングを見て)ええい、バイクは余所に停めてきなさい!  っていうか、ええと、ズコーッ!!(軍使見てさらに滑った!()」

ヘル「御疲れ様でした。」
 冷静なヘル。
シェラ「状況は既に意味不明ね・・・(ぽつり」
 既に混乱しているシェラ。
カラカラ「お疲れ様でした。……ここはツッコミを入れるべきなんでしょうか。」
 何か違うことを気にするカラカラ。
 三者三様のことを口にしながら軍師を見送る中、イーリングが呟いた。
イーリング「・・・・・・ここまでハッチャケたのは久々だ。有難う軍師。(」

 一方、盛大にこけたノロシは起き上がってシェラを見た。
ノロシ「意味なんていちいち理解しなくても、その場のノリで火種を燃え盛らせるのが「此処流」だったんじゃないわけ!?(情けない、ほんっとーに情けない!と地団太踏んで)」
シェラ「・・・此処流って・・・(なんだかもうって感じだ」
 説明しよう。
 歴代のプロP、特に初期のはほとんどがこんな感じの「ノリに任せたわけわかんない騒ぎ」で出来ているのである!

ヘル「爆炎にまで発展させておいて何を言いますか(>ノロシ」
ノロシ「爆炎?こんな落葉焚きみたいなのが?………とうとう来るとこまで来たわねー……(はー、と溜息吐いて」
 ため息をついても、以前のカフェを知らないシェラに想像しろという方が無理な話である。
 過去に編集された話を読めばだいたい分かるかもしれないが、分からなくても気にする必要はない。雰囲気だけ想像しましょう。
ヘル「物理的な意味なのですが(…」
イーリング「あれはメラゾーマではない、メラだ。(」
 確かに炎は上がっていたが……

イーリング「・・・・・これってプロP出来るかな。俺にそんなスキルないけど(」
 リクエストが入りましたので実行しました(…

カラカラ「誰からも異論はありませんね。では、お帰りになった本人に代わって一つ。……軍師さんの名前をお間違えですよ。(ノロシにモヤッと!)」
 カラカラは思い出したように、超今更なツッコミを放った!
ノロシ「軍師を固有名詞に入れていいのか、っていう議論に発展するわy(モヤッと/しません)」
ヘル「何ででしょうね。彼を佐藤さんと呼ぶ気がしません(」
イーリング「カラカラさん細かい。(   そーいえば宇宙人もとんがり帽子被ってたな。(」
 やっぱり宇宙人確定?
ノロシ「まことさん、って呼べば全部解決するわよ!(しねえよ」
イーリング「まこと誰だよ(」
ノロシ「某小説を読んでれば判明するカフェパカルトネタよ!(」
イーリング「じゃ知らないままでいーや!(」


 さて、台風のように騒ぎが過ぎ去った後、カフェは再び静寂を取り戻しつつあった。

イーリング「皆付いてきてる?もう死んだか?(」
シェラ「(とりあえず空気は読みましょう・・・)・・・死んでないわ。生きてるわよ・・・」
カラカラ「既に死んでいるのはおそらくあなただけです。>イーリング」
ヘル「半分くらいは(…>イーリング」
ノロシ「余所で何かやってる状態で、ここまで盛り上がれるなら上々じゃない?(イーリング見て」
イーリング「物理的な意味ではなく。(   ああ、ここまでオーバードライブ出来たのは俺も驚いた。楽しかった。(」
ヘル「……むしろオーバーヒートっぽいですが。火柱的には(」
シェラ「・・・オーバーヒート・・・確かにそんな感じだったわね・・・」
イーリング「ありゃあ『だいばくはつ』だ。俺流の。(   はっはっは、ネタが勝ったと言う訳だ。(」
 どうやったかなんて聞くだけ無駄だろう。ポケモンの技なんてどれも謎だらけだ!

ノロシ「オーバーヒートしたのは、むしろ数名の処理能力じゃないの?(ケラケラ笑いつつ、お冷を受け取って」
シェラ「・・・それって私の事・・・?まぁいいけど・・・(ノロシさんを見ながら」
ヘル「私も含まれていると思います(」
カラカラ「……何なら、編集しますか?先ほどのログ。」
ノロシ「まあ、今ので処理落ちするんなら、ルナティックモードもとい全盛期はフリーズするわよ?その点じゃ、今のカフェに来てて良かったわねw(ニヤニヤとシェラを見てから、視線をカラカラに移し)…あ、お願いするわー。」
イーリング「・・・・久々にプロP増えるのか。何ヶ月ぶりだ。(」
シェラ「・・・そうね。確かに来ておいてよかったわ・・・(苦笑した」

 全盛期と言われると既に衰退して久しいように見えるが、火種はまだ消えてない。そういうことだろうか。

 シェラの苦笑いを冬の冷たい風に乗せ、今日もカフェの夜は更けていく――