8月14日 2010年夏祭りバトル!(セナ VS エド)  編集:K


夏祭りのある夜のことである。遺跡の中で待つのは三十路を軽く超えたヒイラギと、ヘルガーのエドである。
一緒に居るのは、胸の毛並みが白銀のルカリオ、クロエ。黒いマフラーが特徴のルカリオ、カムイ。ちょっとカップルに見えなくもない組み合わせである(…)

そこに現れたのが、左目を隠した穏やかそうな青年の零とジュゴンのセナである。

ヒイラギ「やー、アロゥ零君ー。(エドに軽く指示して、火を止めさせた。) 」
零「エドの炎で助かったよ(部屋に入ってきつつ、先客の二匹に目配せ。うむ)や、邪魔してごめんね。ちょっとバトルの約束をしてて」
セナ「(エドにぺこりと頭を下げ)」
クロエ「(どちらも顔は見知らない。しかし旧知の様子の2人と、こんな中で待っていたことを考えてみて)……かもしれないな(カムイに小声で返す) 」
カムイ「(だってさ、とでも言うようにクロエを横目で見て苦笑い。改めて零達とヒイラギ達に目を向けて)バトル…って、此処ですんのか?」
ヒイラギ「んー、その予定、だったんだ、けども。(いいかしら、とカムイ達に首傾げて見せ。)」
エド「(大人しくその足元で「おすわり」している!)」


夏祭りの新しい企画、バトル大会。
どうやら勝負をしようと、前々からヒイラギと零の間で約束が交わされていたらしい。
互いに談笑していたクロエ、カムイへとヒイラギが目配せした。


クロエ「(バトル、と聞いて。興味深げな目を、2人(というか、その手持ち)に向けた)……見ていても構わないだろうか。(確認するように、今度はトレーナーの2人を見た)」
零「僕は構わないけど…(と、クロエの言葉に頷いた後、カムイも見)どちらかが審判をしてくれると嬉しいな、って話だよね?(ひーに確認するように、きょとん。首傾げ)」
ヒイラギ「うん、猫がお店と二足の草鞋でやってて、ログを取るのが厳しいって言ってるし…(・・・。)」
メタな発言を……(
カムイ「(もちろん、とでも言うように頷くとエドやセナへ視線を向ける。興味深そうに尾を揺らして零とヒイラギに視線を戻せば手を上げて)…んじゃあ、俺が審判してもいいか? 」


快くカムイ、クロエはバトルを承諾した。そして、カムイが審判をすると挙手。
ポケモンが審判を引き受ける、というのも言葉が通じるこの島ならではだろう。すごいね!wktkするね!(


ヒイラギ「やってくれるなら、宜しく頼みたいな!(ね?っと零君に同意を求めた。) 」
クロエ「(手を上げたカムイを見て、頷いて。こちらは邪魔にならないようにか、壁際へと下がる) 」
零「(同意を求められればこくこく頷く。と、それから)時間はどうする?シングルなら30分でいけそうな気がしなくもないけど、ひー…というか猫さんがが忙しくなっちゃうよね?(1時間の方が良い?と首捻りつつ) 」
ヒイラギ「結構掛かるもんだから、1時間取ってくれたらたすかるなー;」
エド「(何時の間にやら、「伏せ」状態。)」
零「Oui, じゃあ一時間で(こくり頷き、数歩後ろに下がる。定位置)」
カムイ「(下がったクロエをチラ、と見る…だけ。 2人のトレーナーが話している間、恐らく待っているであろうエドやセナへと目を向けて)えっと…エド、と……何って呼べばいい?(と、セナを見た() 」
セナ「え、あ…セレナーデ、と申します、です…(カムイに目を向け、ぺこり)…でも、セナ、で、いいです…」


カムイ、やっぱりクロエを意識してるように見えるんですが(ry
名前を確認し、カムイも審判としての役割を果たすべく中央へと向かい……


クロエ「(エドとセナ。二人の名前は認識したが、目線を一瞬そちらに遣るだけで特にそれ以上のアクションはない) 」
ヒイラギ「やー、それじゃあそれで、お願いね!(ちょこちょこと、影響ない位置まで下がる。)…さてと…うーん、トレーナー、部屋の中に居る、と…あんまり派手な事はしづらいな;」
そもそも遺跡はバトルに向きませんよヒイラギさん(…
エド「(立ち上がり、すたすた、とセナと向かい合う位置に。)」
零「巻き込まれる可能性というものがね(ここ屋外じゃないし、と苦笑しつつ)でも、まぁ、何とかなるよきっと;」
セナ「(むく、っと上半身を起こした。エドをじーっと見遣る)」
ヒイラギ「ましてやエドってば、巻き込み傾向強い…から、ちょっと気をつけてね!;(笑顔の口端が引き攣っている。(…)」
エド「(特性は威嚇ではないが、ぐるるるる…と低く唸ってセナを見返し。)」
カムイ「(セナ、と小さく復唱してからコクンと頷いてから両トレーナーに目を向けると、スッと両手を広げて)――では、これよりヒイラギと……(と、凄く申し訳なさそうに零を横目で見た…どうやら、彼の名前を知らないようだ(…) 」
零「あー…零、です(と、カムイに/…)嫌だな、炎に攻撃されたら僕死んじゃう(」
セナ「(攻撃力は下がらないが、怯えている()」
ヘタレ審判(…


さぁ、互いに配置に着きいよいよ試合開始である。
見た目だけではエドが圧倒的に有利に見えるがタイプ的にはどう見てもセナが有利である。
この相性をどう埋めるかがトレーナーのヒイラギ、零の腕の見せ所だろう。


クロエ「(ヒイラギの言葉に、少し不安というか「大丈夫なのか」的な目は向けたものの、部屋を出て行くことはない)」
カムイ「わーった。零…な、悪ぃ;(…/手を広げた状態のままペコリ(/エドの様子を横目で見、改めて零とヒイラギを交互に見て)じゃあ、2人とも準備は?」
ヒイラギ「…なるべく下がって指示する感じで!;。…やー、大丈夫よー。」
エド「(前足を少し曲げ、低い体勢で唸っている。)」
零「万端。…先攻は譲るよ(多分素早さ的にもこちらが劣っている/…)」
セナ「(ぐ、と前鰭に力を入れ)」
カムイ「(うん、と頷くと手を広げた状態のまま)――では、これよりヒイラギと零のバトルを行う!(と、大きめの声で。少しだけ満足そうだ(…) 」
楽しそうな審判ですね(…
クロエ「(セナとエドの様子を眺めて。見た炎と動物的なイメージで大体タイプはつかめる。カムイの声に、こちらまで身体に力を込めて)


クロエも間近でのバトルで力が入っているようだ。
先攻はヒイラギとエドである!


ヒイラギ「それじゃあ、やらせてもらうねー、エド、Go★(ぱちんと指鳴らしつつ人差し指を伸ばした。/・・・)」
エド「(たっ、と駆け出して壁際へ直ぐに駆け寄った!)」
零「(何か今、"★"が見えた/…)セナ」
セナ「はい、です!(身を低くし、最初の攻撃に備える。尾鰭をゆっくりと揺らしつつ)」
ヒイラギ「(きゃん。ノリがおかしくなるのは何時もの事である、)撒いていこう、但し酷くはしないこと!」
エド「(壁際を大回りに駆けながら、ふっと呼気を吐くように。…暗い中でやや見づらいか、「スモッグ」だ! 空気より重い粉塵は、低く溜まるように。)」


最早解説の余地が無いほどに入念なロルである。見事と言わざるを得ない。この文でリズムを崩してしまうのではと心配してる(…
エドがヒイラギの指示に素早く従って動く。その姿はまさに、闇に溶ける獣そのものだ……。
対抗すべく、零も思考を回転させる。

零「スモッグか…厄介な(一瞬眉根を顰めつつ、すぐに)セナ、雨乞い!」
セナ「はいっ(エドがスモッグを撒き終えた頃、天井に向かって吠える。…多分、天井から水が大量に滴り落ちてくるんじゃないか(…)。それでスモッグも少し治まればいいなと)」
クロエ「(こちらまで滴るであろう雨に、片手を額辺りにかざして一応の防御策はとっておく。まだ直接のぶつかり合いは無けれど、興味はまだまだ失われていない)」
ヒイラギ「(良かった!()Σこの範囲で降…;(ばさ、っと頭上に影の傘が開いた。)しかし炎半減の水2倍、食らった瞬間に逝っちゃうなぁ。(苦笑いしつつ、エドへ…)OK、うちこみな。(スモッグが雨で地表すれすれの程度まで押さえ込まれ、跳ね返る雨に混じる嫌な臭い。)」
エド「(そんなセナの腹下へ向かい、くお、と口を開け、黒い塊を発射した!)」
カムイ「(濡れても問題無い。一度ブルッと体を震わせ、一番近くでバトルを見れるこの場所から真剣な眼差しを向けている)


天候が一変し、状況はめまぐるしく入れ替わる。
雨乞いによる水滴は確実にこの場に居る者達から暖かさを奪うが、それでもバトルの熱さに変わりはない。


セナ「(視線が低いジュゴンは、スモッグの嫌な臭いに顔を顰めた。そこに黒い塊が垣間見え、びくり)」
零「セナ、アクアジェット!」
セナ「あ、はいっ!(尾鰭で地面を蹴り上げ、発射された黒い塊を避けるように天井へ飛び上がった!)」
クロエ「(タイプ故にスモッグはさしたる障害にはならない。ポケモンよりもトレーナーの方に視線が多く向かっていたが、零の指示とともに跳ね上がったセナの白い身体を、見上げた)」
ヒイラギ「(ぴ、と指二本でセナの…やや頭上を指し、)よし、二撃目、発射★!」
エド「(くん、と指された場所へ、またも黒い塊を発射する。 …同時に、初弾が地面に付いたと同時に、派手に炎に塵を巻き込みつつ、爆発! 黒い塊の中に火炎放射を閉じ込め、着弾点で爆破する、命名爆裂弾。 セナを予想地点より上へ打ち上げることを狙い、今度は毒の爆裂弾を、移動後の地点を目掛けて吐いた。)」


雨という自身にとって有利な天候にしたセナは、零の指示に従って素早い速さで敵へと体当たりをする技――アクアジェットを展開した。
しかし、それを見据えたヒイラギのエドへの指示は、爆裂弾による真っ向からの勝負だ!


セナ「え、あっ…!(ヒイラギの作戦通り、予想よりも上へ打ち上げられた。そこで毒の爆裂弾も命中し、顔を歪める)」
零「…大丈夫(と、まるで自分に言い聞かせるように呟いてから)セナ、地面に向かって冷凍ビーム!」
セナ「っ…!(打ち上げられた状態のまま、空中で冷凍ビームを放つ。照準はエドではなく、部屋の人がいない箇所全体。身体を回しながら隙間なく冷凍ビームを敷き詰めていき)」
カムイ「。o(すげぇ…組み合わせ方でこんな形にも――)(審判よりも観客に近づきそうな。エドの技に興味深そうに目を大きく開きつつ、上から撃ちおろされる冷凍ビームに凍らされて行く地面に目を走らせ、間も無く改めてバトルへと目を戻して) 」
クロエ「(爆風に身を固くした次の瞬間には、自分の近くの壁を冷凍ビームが凍り付かせていた。その戦闘の速度と両者の技術に、息を呑む) 」
ヒイラギ「滑って機動力をつける、って所、かしら?エド、複数、足場!」
エド「(頭上の相手の様子を見るのは、ヒイラギに任せ切る。口の所にぽぽぽ、と複数のシャドーボールを溜め込み始め。)」


この試合初めてのクリーンヒット。爆裂弾は見事にセナを捕らえるが、まだまだこれからと言ったところだろう。
セナの冷凍ビームは一瞬にして遺跡の床を凍らせる。元々雨乞いによって地面が濡れていたこともあり、それはまさに一瞬の出来事のようだった。
二匹のバトルを見守るルカリオ達も、その光景に意識を奪われているかのようだった。
ヒイラギはそのセナ達の次なる攻撃に備えているようだ。


零「…いや?(機動力はオマケ、と人差し指を立ててから)アクアジェット!」
セナ「(空中から、重力も味方につけて一気にアクアジェットで地面に堕ちて来る。エドの目前の地面に頭の角を突き立て突進、地面の氷が砕けてその破片がエドの顔面に襲いかかるだろう)」
ヒイラギ「氷の破片、か。(むう、と顎に手を当て。)」
エド「(ぐるるっと唸り、破片に顔を顰めて反らす。口腔に溜め込まれたシャドーボールがふいと消え、)」 
ヒイラギ「エド、ラン、GO!(くい、と回るような指の動きをさせ、)」
エド「(声に反射で動く。その場から直ぐに、自分の足元だけは凍っていない地面を蹴って、壁際の氷上へと駆け出す。セナから兎に角遠ざかるように。)」


零とセナの狙いはこれだったのだ。床に展開した氷の層はセナの角によって粉々に砕け、あたかもエドに鋭利なナイフを何十本と投げたように、氷がエドを襲う。
エドもたまらず溜めていたシャドーボールを消し、ヒイラギの言葉に反射的に距離を取った。
危ないときは距離を取り、攻撃に備えるために体制を立て直す。1つの王道とも言える選択だ。
対して、零とセナは――


零「セナ、君も(人差し指で小さく手招き、エドから離れなさいという指示を出す)」
セナ「(未だ凍っている近くの地面に飛び乗り、そのまますいーっと素早く移動してエドから距離を取った。そこで)」 
零「寝て。」
セナ「…はい(目を閉じ、眠り始める。毒状態を回復して健康になったところで、身体に天井からの雨を浴び)……(ぱち、と直ぐに目を覚ました。特性、潤いボディ)」
クロエ「(特性と技についての知識は無いが、セナの挙動には何らかの作戦を読み取った。離れた両者の動向を、じ、と見つめて) 」


セナもエドから距離を取る。そして、眠りについた。
通常のこの技は暫く眠らなければならないが、セナの特性『潤いボディ』によってあっという間に目覚めたのだ。
この回復によりセナは体力を回復して健康になった。
今まで積み上げてきたものが崩れ、ヒイラギも渋い表情だ。


ヒイラギ「眠りと潤いボディ、…まあ、そうなるなぁ;。(こりゃあ長くなりそうだ…と頭を掻いて、)…エド、とりあえずは、ラン。」
エド「(氷の上で少し滑りつつ、立ち。口の端から煙を吹きながら、爪を引っ掛け氷を蹴って、走り出した!)」
カムイ「。o(なるほどな…こりゃあ、雨をなんとかしねーと厳しいよな…;)(セナの行動で察しがついたのか、目をエドの方へと向けて行く。どんな対策を打って来るんだろう…そんなことを考えていて) 」
零「(面倒なコンボ。…時間切れになったら、引き分けなんだ/…)素早さでは劣ってる…なら(エドの行動を取り敢えず見遣っていたところ、ピッとエドの後方を指差して)滑って背後に、で、アクアジェット」 
セナ「はい、です!(走り出したエドの後ろを取るように氷上を滑り出し、成功したならそこからアクアジェットで突っ込んで行こうと)」

このコンボがあると少々面倒なことがある。カムイはそんなことを思いながら、攻防に息を飲んだ。
セナと零は攻勢だと言うことを悟ったか、大きく動いた。
アクアジェットを利用し、逃げるエドの背後を捉えた――その瞬間。


ヒイラギ「(アクアジェットが突っ込む、その瞬間まで何も言わな…かったところで、)引火!」
エド「(撒き散らしつつ走ってきた火炎ガスの「導火線」に、かちん、と軽く口を噛み合わせるだけで、着火。 背後へ爆炎を送り込むのと同時に、自分自身の毛皮にも炎を纏わせた!)」


エドの仕掛けた罠のスイッチが、彼の牙によって押された。
ただエドは逃げるために走り回っていただけではない。走り回っている間、気化性のガスを放出していたのだった。


零「引火!?(何それ、と思わず声を上げた。炎だけなら問題なく突っ込むものの、爆炎じゃちょっと威力が高そうだ)セナ、壁を蹴って!」
セナ「え?あ、はいっ(爆炎に自身のアクアジェットが半分ほど蒸発されていたところ、反射的に横の壁を尾で蹴った。すいーっとエドの背後から離脱し、距離を取って、ぶるぶる首を左右に振り)あ、熱い、です…」
クロエ「……!(爆炎の勢いに思わず一歩下がろうとしたが、既に背後は壁だった。炎を操るその技術と戦略に、短く感嘆の声を上げて)」
カムイ「(爆炎に腕で顔を覆いつつもバトルからは目を逸らさない。予想もしなかった攻撃に感心を通り越して感動さえ感じていて)」


零はその一撃に驚き、セナはそれ以上に混乱していた。苦しげに言葉を漏らした。
クロエもカムイも驚いたかのように目を丸くし、感嘆の声を上げる。
予想もしない一撃はそれほどまでに強く脳裏に刻まれたようである。


ヒイラギ「だから、エドは色々巻き込むんだ;。(出来る限り遠ざかっているのは、自分も火には弱いから…。ぱち、と両手を合わせて、)まあ、密室が一番得意なんだけども!」
エド「(その手の音の瞬間、自身も巻き込んだ炎によって威力を増した「火炎放射」を、相手が遠ざかった瞬間に地面近くへ放ち、道が出来るように氷を溶かしにかかる。)」
零「あー…やっぱり、僕にはバトルらしいバトルは似合わないみたいだ(と、一度肩を竦めてから地面を溶かしにかかったエドを見遣る。それからきっと前を向き直して)僕らしく行こうか。セナ、舞え!」
セナ「はいっ(くるくる、まだ溶かされていない自身の地面の滑りを利用して高速回転。しつつ、顔を下に向けて口を僅かに開いた)」
零「氷の彫刻!」
セナ「(そのまま口から冷凍ビームを吐き出しつつ、顔を上げていく。自身の周りを、それはもう分厚い球体の氷で覆った!)」
カムイ「。o(――あぁ、「貰い火」か…!)(先の爆発を組み合わせた攻撃に感心した様子で小さく唸る。そうして火炎放射の先へと目を向けて行くと、セナの応用技に再び目を見開いて) 」
クロエ「(氷の中に消え見えなくなっていくセナから、エドに目を移した。どう打ち破るのか、という期待も込めて) 」


エドが反撃せんと、床の氷を灼熱の火炎放射で溶かし始める。床の氷は反撃への邪魔となるのだろう。
更に彼は自身の特性『貰い火』によって炎技の威力はがグッと上昇する。
一方の零とセナは攻撃のパターンをがらりと変えるつもりらしい。高速回転からの冷凍ビームですっぽりと身体を覆ってしまう!


エド「(とん、と地面がむき出した部分を軽く蹴る。もう一撃、球体は避け、地面の氷を、先とクロスするような形に溶かし、氷の地面に十字を描き。)」
零「セナ、今の気分は?」
セナ「絶好調、です(気温が低ければ低いほど元気になるジュゴン。氷の中は気持ち良い/…)」
零「じゃあ絶好調ついでに元気に泳ぎ回ろうか。アクアジェット!(エドが地面の氷を溶かしているうちに、こちらは身体に水を纏う。ジェット、と言いつつ発射はしないまま、氷の球体の中に水を溢れさせ。…そろそろ雨は止むかしら) 」
ヒイラギ「水槽、みたいな? …OKエド、いつでも走れるようにはして、装填しておこう★(…」
エド「(十字に氷を削り取った地面に立ち、くあ、と口をあけ。口腔に黒い塊を形成し始めた!)」


クロエ、カムイも固唾を飲んで見守る。
セナは氷に守られたまま、微動だにしない。気温が低い場所なのでセナは気持よさそうであるが……。
エドは先ほど見せた爆裂弾をヒイラギの指示通りチャージし始めた!


零「(そろそろロスタイムも過ぎる。そう思ったらしく何やら決断、自身の顔を右手の肘で覆った瞬間)"芸術は爆発だ"って、誰の台詞だっけね。…セナ、打ち砕け!」
セナ「(ぐるん、と水槽の中で一回転。勢いをつけたその回転の直後に再びアクアジェットの要領で水の体積を増やし…刹那、氷の彫刻が圧力に耐え切れず爆発した!四方八方に氷の破片を伴った水の波動が放たれると共に、細かい青の粒子=氷の粒がセナの周りを舞う)」


このバトルは夏の大会ルールである。一時間という制限時間が定められていた。
それまでに倒さなければ。制限時間間近で動いたのは零とセナである。
氷の彫刻がセナにより破壊され、エドへ氷の破片と水の波動が襲いかかる!


ヒイラギ「(氷の彫刻に皹が入った音がした、)エド!」
エド「(避けるのは二の次、形成した塊にスモッグが重ねられて、打ち出される。水と氷の波動に触れた瞬間に、)」
ヒイラギ「…爆発だったら、負けないよぅ!」
エド「(中から爆破を伴った炎の塊が、スモッグに引火し、更に範囲を広げて毒炎を撒き散らす、命名爆裂砲! 相手に届く前に爆破したので、毒素と炎は自分にも襲い掛かる。)」


同時にエドの目の前から爆発が巻き起こった!爆裂砲と命名されたそれは、毒の混じった炎を広範囲に撃ち放つ大技である。
2つの大技による爆風は部屋を一気に包みこみ――


セナ「(爆発した芸術の中から現れ地面に着地、したところで水の波動と爆裂砲がぶつかり合ったようだ。恐らく爆風が巻き起こり、毒素と炎を浴びる。…体重が体重なので、吹き飛ばされはしなかったが)…;(ぶるぶる、首を横に振り)」
零「ちょっと、僕達周りを巻き込み過ぎだよね!;(…)セナー、体力平気ー?;(ゲージとかじゃなくて、疲労の問題)」
セナ「…辛い、です…(」
クロエ「(二つの爆発は、両手を前にかざして一応防いだ。構えを解けばまず、二匹の状態を見ようとして)
カムイ「(爆発が落ち着いてから改めて濡れた身体をブルッと震わせた。爆炎で暑くなったり、雨や氷で急に冷えたりしたせいか、クシュンと小さくくしゃみを一つ() 」
ヒイラギ「・・・・・・;;(何時の間にやら、溶けかけの氷の壁に引っ付いている!()」
エド「(毒素はあびるが炎は平気。氷ではなく地面に爪を食い込ませ、姿勢を低く取り爆風を堪え。)…るるるるる…(タフな種族なので体力面は問題ないが、逆に体力を、爆破範囲から漏れた水の波動で削られているので、息は荒い(唸っているけど)。)」
ヒイラギ「・・・如何しよう、そろそろ止めた方が、良いのかしら?;(ひんやり壁が命綱。)」
零「(カムイ同様、こちらもくしゃみを一つ/…)バトル開始から既に、2時間が経過しようとしています。……しんぱーん;(」
セナ「(炎は等倍、毒も浴びたばかりだが一応回っている。ぐぐぐ、と前鰭で体勢を整えるが身体は震えていて)」
ヒイラギ「しんぱーん。(小部屋は恐らく、熱い水蒸気と冷たい壁に囲まれ、スモッグ臭が立ち込め、氷の破片がそこかしこに…という酷い様相な気がします。) 若干空気が恋しくなってきました。」
エド「(唸り声の合間に、口内で火花が爆ぜている。肺の動きが良く判る胸元。)」


爆発が収まったとき、バトルを行っていた両者は瀕死ながら、まだ立っていた。
この時既に二時間は経過していたらしい。判定は、審判のカムイの手に委ねられた。


カムイ「…俺Σ!?;(/零に呼ばれてハッとしながら改めてエドとセナを見遣る…悩んでいるのかガルゥ、と小さく唸った末に目を瞑って手を上げて)――この勝負、引き分け!……で、いいか?; 」

……でいいか?ってねぇ……(…


ヒイラギ「審判しっかり!(…) 思った判定して良いんだから!;」
零「(うわぁまさに惨状。口元を押さえ、そりゃもう不快そうな顔を)」
セナ「……(今すぐにでも眠りたい/…)」

カムイ「(周りの言葉に小さく頷きながらも改めて手を高々と上げて)…わーった、この勝負は引き分け! 悪い、もっと早めに判断しとけばこんなに長くはならなかったかもな…とにかく、お疲れ!; 」
クロエ「(カムイの裁定に、改めて二匹を見た)……私から見ても、戦闘の技術や戦術、それの有効度も互角だったと感じたが(声は僅かに遠慮がち、なのか分からない程度の遠慮である(…)」

観戦していたクロエ、カムイの両者の判定により、この勝負は引き分けに終わったようである。
そして、当然ながらこの空間にはエドによる毒が気化していて……。


ヒイラギ「やー、ありがと!…取り敢えず直ぐに部屋から出ません?」
エド「(ぐるるるる、っと唸って牙をむき出している。)」
零「(審判の言葉を聞けば、Oui!Merci!と片手を挙げ)出る出る、これじゃ僕まで毒浴びちゃ…うッ!?(氷の地面に滑った/…)」
セナ「(こちらは残っている氷の地面を利用してあっという間に部屋の外へ移動を()」
ヒイラギ「(直ぐにエドをボールに戻してやっておき、コートの袖で口のところを押さえつつ、小部屋の外へ、…エドが開けた地面の部分を通って。)」
クロエ「(出よう、というヒイラギの言葉に頷いて)……そうだな。このままここを放っておくのも何だが……(上がった声に、零の方を見た)……大丈夫か。」
カムイ「(あぁ、とヒイラギに返しながらエドが溶かしてくれた道の上を歩いて行く…転んだ零とそれをスルーして行ったセナを見遣ると(/零の方へと歩いて行きながら)大丈夫か?;」
零「(地面に片手をつき、なんとか転ばずに済んだ状態()…大丈夫、多分、大丈夫(立ち上がって、改めて凍っていない地面へ這うように移動、立ち上がる)セナめ…(」
セナ「(そして部屋から出た瞬間、眠り始めた/…)」
カムイ「しっかし、最後に使った技にはビックリしたな……あんな使い方もあんだな、って(と、立ち上がる零を見ながら。話題に上った本人が眠り始めたのを見ると、うん、と頷いて)……、…俺も帰って寝っかな!(」


零がすっ転ぶアクシデントが最後にあったもののバトルは無事に終了した。
最後のカムイが言った通り、お互いの戦略と駆け引きが見事に重なりあった一戦であり、此処に記録するに相応しい一戦になったことは間違いないだろう。




結果:引き分け


fin……