8月3日 2013年夏祭りバトル大会!(第1試合 レナ VS ひま)  編集:Rista


 今年もやってきました、カフェパ恒例夏祭り。
 これまた恒例、ポケモンバトル大会も始まった。

 お祭りの初日。最初のバトルに名乗りを上げたのは、ボーマンダのレナ。
 隻腕バクフーンのブラストを連れて入り江に降り立ち、対戦相手が通りがかるのを待っていた彼女だったが、まず現れたラティオスのCNは体長1センチのチビラティ状態。これではとても勝負にならない。

レナ「なんだ、小さい方か。(掴んだCNを見て、息を吹きかけると再度地面に伏せた)今日からバトル大会よ。それで相手が全然来なくてね。」
ブラスト「…という事。」
CN「わわっ;(息を吹きかけられて。また吹き飛ばされそうだったが、摘まれたままなので飛ばずにすんで)あ、今日からだったんだ;夏祭りのバトル大会って・・・;」
レナ「そーよ。だから最強装備で来たってのに…どっこもバトルしてないじゃない。(CNの方には向かないまま地面に顔を着けて)貴方が大きければできたけど…貴方まだ小さいのね。」
ブラスト「(摘んでいたCNを離し、砂の地面に横になって。)という事()」
CN「そ、そうなんだ;(離され、地面の上に降りるとレナの目の前まで行こうとして)・・・えっと、ごめんね;多分今日はまだ暫くは元の大きさに戻れそうになくて・・・;」
レナ「一番すごいのは私、貴方の大きい姿見た覚えないけど…;(…)」

 一度小さくなるとなかなか元に戻れないらしい。
 とりあえず一度は解放されたものの、このままではレナが軽く羽ばたいただけで入り江を追い出されてしまいそうだ。

 ……そんなときだった。
 すーっと一筋、空中を煙が流れて来た。ふわふわ白っぽく漂っている。
 が、風に流されているにしてはどうも挙動がおかしい。

ブラスト「…?(横になりながら空中に浮いてる煙を見た。不自然そうな動きに目がそれを追う。)」
CN「・・・実は今の姿が本来の姿、なんて事はないからね?;何でか知らないけどレナと会う時はいっつも小さくなってるだけだから・・・;(…(此方はまだ煙に気づいてなさそう) 」
レナ「もしかして私に恐れて小さくなってたりして?それともアレかしら、月の光がスモー○ライトとか(…)」
CN「いや、そんな事無いから・・・;それにもしレナを恐れてるなら、レナも小さくするかなるべく会わないようにしてるよ・・・;(」
えんら「(漂う煙が集まり固まり、そのうちに人の形をつくる。端の方は半煙のまま漂っているけど。)んあー、やーやー、居んがあよ。」

 レナとCNが言い合っている間に、煙が少女の形になった。それもなんか本物っぽい。
 通称、えんら。この夏祭りで広場に出店していたお菓子屋の【海蛇】で店員をしている女の子だ。

ブラスト「えっと…どうも?(固まり、人の形が出来ていくと起き上がり首を傾けて)」
CN「あれ、こんばんは?;(えんらに気づいて見上げ、小さく手を振って)」
えんら「んあ、どーも。こんばんはあでが。(似たような返しをするが、訛る。)んでがよ、わだすば店ンとごがあいちょうで遊ばしでよがあいわれでよ、板書きがし見でえ飛んで来いがよう。(」
ブラスト「…レナ、ちょっと翻訳お願い;(えんらの言葉が難しいのかなんなのか、首が180°曲がってる()」
レナ「(首がえんらの方を向き、ブラストの言葉を聞いて)お店が暇で掲示板の記事を見て…つまりバトルね!誤字だらけの記事の裏に貼ったから見てくれる人居ないと思ったけど…!(地面から起き上がると目を輝かせ、尻尾を振りながら()」

 何語だよ!と思ったあなた。編集者も同じ気持ちだ(…
 でもレナはすぐに意味を察したようだ。

えんら「でよう、店えばしちゃんどお来ようでくりゃあし。(CNにひらひらと半煙の腕を振って見せてから、にぱっと笑ってレナの言葉にこくこく頷いている。つうじた()すんどーりでが、わだすばまんだしっがあバトりゃあならんでが、練習がし思いでえ付き合わあし頼むがよ!」
レナ「えーっと、すんどーりがわだすで私がバトルすればならんでが…ああもう!練習つもりで私が貴方とバトルするのね?(後半しかわからないなんて。背後共に(…)そーね。というか、店で会えたら毎回小さくしてもらおうかしら?(…)>CN」

 今のえんらの発言はだいたいこんな意味らしい。
“そうです、おみせもちゃんときてくださいね。 そのとおりです、わたしはまだちゃんとしたばとるにならないかもしれませんが、れんしゅうするつもりでおつきあいおねがいします。”
 以後はまどろっこしいので通訳なしでお届けします。気合いで読み取るんだ!(何

ブラスト「あれ、俺は?()」
レナ「バトルビデオで投稿用の撮影でもしてれば?(…) 」
えんら「よろしゅう頼まあよう。」
レナ「えぇ、もちろん良いわよ。(えんらに微笑むと後ずさりし、距離を取り)投稿はこちらで行うわ。」
ブラスト「…まーいいか;レナのバトル久しぶりに見るし。(体毛に手を突っ込み、取り出したのは青いアレ。皆から少し離れるとビデオを構えた)こっちはいつでもオッケだよー!」

 対戦カードが決まった。
 観客に回ったCNとブラストの会話は勝手ながら省略とさせていただく。ここからはバトルを存分にお楽しみいただきたい。



えんら「ありがどなあ。 すんだば、わだすもいがんしよ。(ふわふわ、此方も下がって…エプロンのポケットに手を突っ込む。どうやって入っていたのか、ボールを持って放り、用意を整える。)」
 投げられたボールから出てきたのは、
ひま「……やあん。」
 ……ヤドランだった!
えんら「わだすが相手ば、ひまがししようで。 」

ブラスト「ヤドランか…いきなりレナには悪い相手かな…;(撮影係、なんて呟きながらカメラを構えて)」
レナ「あくまで練習寄りのバトルなんだから流星群はいらないわね。あとは状況次第。(そう言うと、首を下に落とし、地面から少し浮いた状態でヤドランを見た)…先手はあげるわ。どっからでもどーぞ!」
 一見相性の問題はなさそうにも見えるが、どんな技が飛び出すか分からない。
 だというのにレナからは余裕の発言が飛び出している。

えんら「すんだらば、遠慮おなぐいがんしでもらあでが、ひま!」
 「ひま」と呼ばれたヤドランは、ぽかーんとどこ見てんだかわかんない例のあの顔で突っ立っている。
 それでもトレーナーはあわてることなく指示を出した。
えんら「まんず『あくび』ばしすでがやっでみいよ!」
ひま「……(元々口は開いたまま、それがもうちょっとばかり開いて、ふわ〜…っと。気の抜ける『欠伸』をする。)」
 バトルはもう始まっているというのに、このペース。大丈夫か?

 対するレナは、
レナ「え、えっと…GO!(欠伸する様子をみて、首が地面に着くほど気が抜ける。技の「欠伸」をただの欠伸と勘違いしたのか、すぐに体制を直し四つの足で地面を同時に蹴り地面から浮くと背中の翼を羽ばたかせ、大空へと飛び上がる。)まずは初手。(飛び上がり、今度は急降下し猛スピードでひまに襲い掛かる!「ドラゴンクロー!」)」
 どうやらえんらの意図を読み切れなかったようだ。
 ボーマンダの持ち味はそのパワーとスピード。得意な手で攻めにかかる!

 ヤドランがそのスピードに対応できるわけもなく…ひまはもう目で追う様子すらない。
えんら「ひまよう、しっがど受けでえ耐えようが!」
ひま「……(そしてのっしりと両手を前に出そうとした所で、レナのドラゴンクローは狙ったままの場所に当たるだろう。 その後受け止めるような形で腕が突き出され、)…やあーん。」
えんら「ひまよう、こんだあ『のろい』ば使があで!」

レナ「奇襲成功。次は……って、アレ…なんだか力…が……(そのままヤドランの横腹辺りを引っ掻き、通り過ぎてスピードを維持しながら小さな円を描きつつ徐々に上に上昇するがここで「欠伸」が動く。元の位置に戻る途中いきなりの眠気に力が抜け地面に落ちていく)」
 ここであくびが発動!レナは眠ってしまった!

ひま「(『のろい』で自分の足を更に遅くしつつ、物理面の能力を上げる。もった、もったと漸く手足を動かして、レナのいる方へと体を向け歩いて近付く。目の前まで来た所で停止して、)…らん。」
えんら「ん、えっど…すっだらもっがいぐれえ、『のろい』ばすでごな。」
 ひまはレナの真横に陣取ったまま、もう一度『のろい』を発動。
 ヤドランはみず・エスパータイプ。元から遅い素早さがさらに遅くなる代わりに、攻撃力と防御力が上がる技になるのだ。

レナ「(レナは ぐうぐうねむっている ▼)…(1D4で4の数字が出たら起きちゃうぞ!) (1D4 → 2 = 2) 」
 地面に落ちたレナ。大きな音がしたが、全く目覚める気配はない。安らかに寝てますよ!!(…)
 目の前では勝負の相手が能力を強化しているというのに。これは痛い。

えんら「んだらば、やっどおやらがし、『しねんのずつき』っ!」
ひま「(ぽかーんとした顔のまま、ぐーっと伸びをした後…) やんっ。 (真下にあるレナの頭に思いっきりヘッドバット!)」
 ついにひまが攻撃に転じた。
 どうなるレナ。ここで(1D4 → 1 = 1)……まだ目覚めない!
レナ「ぐぇ………少し荒すぎるわよドン…。(寝ているレナの頭上に頭がぶつかり、ゴツンと( 少し声を漏らし、目が開くが、すぐに閉じた。そして呟くような寝言()」

えんら「眠らせでしめえばさ遅っそがあでも関係ながでな、もう一発いがようでひま!」
ひま「(叩きつけた頭が痛む様子も見せず、もう一度上下運動に入る。のたあー、っと首を持ち上げてから……) やんっ。 (鎚の様に『しねんのずつき』っ。)」 」

ブラスト「もう次が最後だぞ!後がないぞレナ」(1D4 → 4 = 4)
レナ「ドン…?いや違う思いだした!(さっきの一撃で眠気が消えたのか、目を覚まし、頭上にはひまが頭を振る直前。)…ドラゴンクロー!(落ちてくる頭を首を横曲げて顔移動させて回避。そのまま飛び起き、そのまま四足を捻り横に一回転し出せる力で爪を横に振るう!「ドラゴンクロー!」)」

えんら「もいっちょぉう!(テンションにあわせてか、ばふっと髪の毛の辺りから煙が上がっている。)」
ひま「(レナが起きたけど、動作は変わらない。何度でも、同じ動作を繰り返す……伸びては下ろす、またもや『しねんのずつき』っ。)」

ブラスト「レナ、終了だよ!」
 おっと、ここで時間切れ。
 レナはブラストの声を聞いて爪を振った後、翼を羽ばたかせて後退した。
 標的のなくなった砂浜に、ばっすうん!っと、ひまの頭がめり込んだ。



ひま「……(ゆっくりと身を起こして佇み、)…………?(漸く目標がいないことに気付いたのか、かくっと首を傾げた。顔面からぱらぱら落ちる砂。)」
えんら「んあー、おっすめえだがー?」
 さすがヤドラン。最後までワンテンポ遅い。
 一方そんなひまと衝突しかかったレナも、さっきの攻撃が効いているようだ。
レナ「…痛い。(後退し、地面に着地すると頭を抑えて伏せた。)」
ブラスト「相手のヤドランが攻撃した時点でカウントは始まってるからね。4分くらいオーバーしたけど(…)」
 多少のオーバーには目をつぶろう。
ブラスト「えーっと、じゃあ勝敗だけど。お互い倒れてなくても戦略ならヤドランの欠伸の相手妨害やのろいによる能力特化。攻撃はレナが有利だと思うけどダメージの様子がないね。…引き分けで勝ち目のない投票戦になるけど二人はどーする。引き分けにする?」
 見ていたブラストが問いかけた。が、
レナ「…知らないわよ、撮影やってんだから貴方が決めなさい。」
えんら「わだすも御任せすっでよう。」
ひま「……。(ぽかーんと立っている。 …見た目でダメージの有無が判別できない。)」
ブラスト「…;(ひまの反応になんとも言えない。さすがヤドラン(…)じ、じゃあこれは引き分けにしてっと…後はこのビデオを相手のゴールにシュウウウウしておくよ!(撮影したビデオを止めると体毛の中に突っ込んだ)」
レナ「…まぁ後は投票ね。(頭痛が収まると首を左右に振って)」

 ひまは本当に大丈夫なんだろうか。さすがヤドラン、今は(ある意味)なんともなさそうだが……

 こうして開幕戦は幕を閉じた。


 なお試合後の会話から主催は引き分けと判断。でも後の投票ではひまの勝利との声もありました。