8月7日 2013年夏祭りバトル大会!(第5試合 ゲンガー VS 筝)  編集:Rista


 森の中でヒイラギとセイラがバトルを楽しんでいたのと、ちょうど同じ頃。
 いくつかの夜店がにぎわう広場の真ん中で、かくもにぎやかなバトルが始まろうとしていた。


イーリング「おっけおっけー、時間もアレだし早速バトろうじゃないか。(ふわふわ。)ちなみに俺は戦わないぞ。おなかいたいからな。(」
オルム「…じゃあ誰が戦うの。MB持っていないように見えるけど(」
 今回の対戦カードは、ともに今大会2度目のエントリーとなる両名である。
 そもそもイーリングはカゲボウズだからモンスターボールなど持ってるわけがない。

イーリング「MBつかわねえよ、戦うのはわが幽霊軍団『百鬼夜行』のメンバーだ!この日のために集めたんだすげえだろ。(」
オルム「で、何所にいるの(」
イーリング「いいから黙ってポケモン出せって言ってんだしばくぞ(」
オルム「嫌だ。出すなら同時(……」
 かたくなに言い切るのにはもちろん理由がある。
オルム「授業で習った。ポケモンバトルをする時は、どちらかが不利になるといけないから、必ず同時にポケモンを出すのが決まり(…)」
イーリング「このシステムでどう同時にするっていうんだ・・・・まあいいだろう。お前が出さないならこちらから行く。カモン!『始まりの幽霊』!」
ゲンガー「ヒャッハー!(空から。()」
 バトルを待ちきれないイーリング、さっそく仲間を呼び寄せる。
 対するオルムは、掛け声と同時に、ミミロップの筝を繰り出した!
筝「事故ったー!」
オル「いやあなたで合ってるから(」
筝「mjd!? オル様愛してる!!」
 なんと本人も自分が指名されたと思っていなかった!
龍音(あ、事故でなくて出てきた。と事故られた当人が見ている。)
 事故について詳しくは第3試合で。



オルム「合図は……そっちでやっていい」
ゲンガー「霊界の特殊大砲とは俺の事!さあ覚悟はいいか、デカ耳!」
イーリング「先制攻撃やっちゃえ!」
ゲンガー「ヘドロばくだーん!(口から射出。)」
オルム「合図しろ(……)」
 秩序を大事にする主義のオルム。ルールにも厳格でいようとする。
 しかし、
筝「読 ん で た !!(会心のドヤ顔で、電光石火! 素早い動きでシュタッとその場から離れ、んべーっと舌を出している!)」
 ルール無用はこっちにも1匹おりました。トレーナーいるんだから指示待とうよ……

オルム「合図はそっちでやっていいと言った(…」
 多分相手に伝わってない。
 でも試合は始まってしまった。オルムはどうする?
筝「よっしゃ、行くんだオル様! 蛇睨み!!」
オル「しないから。…攪乱」
筝「攪乱オッケー任せろ!! ヒャッハハハハハァー!!(電光石火で、ただでさえ早い速度で縦横無尽にゲンガーやイーリングやラピスやスノーウィや龍音の目の前に現れては馬鹿にしては消えを繰り返す!)」
イーリング「うわあ!完璧に馬鹿にしてやがる!」
 現れては消える無数の残像。よく見るとフィールド内にとどまらず、なんと観客にまでちょっかいを出している!
 どう見ても挑発である。覚えてないはずなのに。こいつ攪乱の意味を分かっているのか。
エトル(すっと触手を持ち上げている。)
龍音「残念ですが手出しはやめましょうエトル。(」
えんら「うわうぜえだよ(…」
 店番中のドククラゲのエトルまで挑発に乗っ……違う違う。

ゲンガー「てかいい加減にしねえかーーー!(無差別な十万Vが広場中を襲う!)」
イーリング「やばい切れたたたた(バリバリ。()」
 思惑通りか否かはともかく、バトルの相手も筝の動きにキレた。
 そしてこっちも無差別攻撃だ!
 味方のはずのイーリングはもちろん、周囲の店にまで攻撃が飛んでいく!

スノーウィ(十万ボルトはとっさの「まもる」で防いだ)
エトル(巻き込まれてるけど弱点だけど10万ボルト一発じゃ落ちないぞっ。 …スケブに『遺憾の意』って書いてあるけど。)
龍音「危ないですねえ…」
歌音「(ちなみに無差別10万ボルトは囘が防いでくれたらしい。受け取った代金を全部箱にしまって、ぱこんと蓋。)……あ、ありがとうございます、囘ちゃん……;」
囘「別に。(つーん。)」
 店を開いている側はやっぱり心得ているのか、“守る”措置を執る店番が続出。
 幸い商品は無事だったようだ。
 一方、
サチコ「アラヤダ、危ないわねぇん(サイコキネシスをバリアの要領で使い、十万Vをはじく)」
サルサ「おっとっと・・・・と、サチコ、火山のほうで面白そうなことやってるぜ。行ってみないか?」
クーラント「サチコが弾いた十万ボルトのおかげで氷片は溶けたがサルサ、キミがついに氷片を抜いてくれなかったという心の傷は永遠に残るのだよ。わかっているのかい。」
 ルージュラのサチコが弾いた電撃は、隣で凍りついていたドンカラスのクーラントに直撃していた。
 効果は抜群だ。本来黒くない箇所の羽毛まですっかり黒焦げになっている。

 こんな感じで一部に甚大な被害をもたらした10万ボルト、本来の対象ももちろん黒焦げになったことだろう。
 と思いきや、
筝「パリィ!!」(頭の上でひらめくロトム型電球! くるっと回転しながら飛び跳ね、木の上へと離脱してちゃっかり回避した!)
 なんと回避していた!
筝「やーいやーい! クロバ以下ー! 劣化シャンデラー! 霊版フーディーン!」
 しかもさらに挑発を続けている!
オルム「……最後のは悪口なの?(…」
 トレーナーのツッコミが聞こえているのかいないのか、筝は木の上でくるくると回っている!
 ぶっちゃけ隙だらけだ!(…

イーリング「ちょ、挑発に乗っては」
ゲンガー「うっせー!テメーだって大した事ねーだろうがよお!(はーって、手から冷凍ビーム。)」
イーリング「そおい。(」
 まだまだ挑発の効果は解けていない。あと筝は挑発など一度も指示されていない。
 しかし頭に血が上ったゲンガーは止まらなかった!

オルム「今。」
筝「そいやっさー!!(自ら冷凍ビームに突っ込んで行く! 直撃…するや否や、降り注ぐ拡散ビームとなってゲンガーへと反射される! ミラーコート…を張りながら、ゲンガーへ接近!)」
 ここでミラーコート!
 特殊の技を一度食らってから華麗に倍返しを決める技だ!
イーリング「うわああああ!;(」
ゲンガー「嘘おおおおおお! 身代わりガード!(さっと緑の人形で防ぐ。)」
イーリング「狙いすぎだぜ!馬鹿ウサギ!」
 最近グッズ化されたことでも話題の怪獣型人形が登場。
 跳ね返ってきたビームをそっちにぶつけてゲンガー本体には届かずに済ませようとするが……?

オルム「貫通はしないけどいつ張ったの(…)…まあ良い。」
ゲンガー「いつだろうね!でも張る隙はその前にいくらでもあったぜ!それとも殴れないのかアホノーマル!(」
 身代わりは本来、事前に自分の体力を削って仕掛けておく技だ。少なくとも挑発に乗っている間はそういうモーションなど見えなかった、ような気がする。
 一方ミラーコートは攻撃に対して「反射」する技。身代わりどころか「守る」も貫通するはずだが……
ゲンガー「身代わりは残せるのさ!お前さんが攻撃しなかったおかげでな!  それとも身代わり貫通するのか。(」
龍音「ミラーコートの発動タイミングの問題ですね。攻撃に対して発動できる後攻技なので、その間に防御で技を使うと相手の行動前に2連続で動いた事になりレスポンスアタックに該当してしまう、でしょうか」
オルム「ん(龍音に頷いてる(…)」
 事前にこっそり用意していたと見るか、その場でとっさに出したと見るか、判断が分かれるところだろう。必ずしもゲーム基準だけで判定されているとは言えないカフェパでは悩ましいところだ。
 どのみちゲンガーは、体力を少なくとも最大値の4分の1以上を一気に持って行かれている。有利とは言い難い。

 しかし筝は筝で、
筝「目的はこ・っ・ち(身代わり人形を手に持っている。代わりにゲンガーの手には火炎玉が! 「すり替え」だ!)」
 仕込みは万端だった。
ゲンガー「ひい熱い!くそう受け取れ!(筝の顔面に『くろいヘドロ』をお届け。 火傷した!)不器用なんて嫌いだ!(」

 くろいヘドロは持った者が毒を浴びる道具で、毒タイプ持ちに限り体力回復アイテムになる。
 一方、火炎玉は持ったものをやけどさせる。どっちも危険きわまりない。
 しかしどちらも無効化できる代わりにプラスの恩恵も受けられない、それが特性「ぶきよう」なのだ!

筝「ヘドロの使い方わかんねー!(……)身代わり貼りたきゃどうぞ! あたしは逃げるけどな!! ハッハァー! さらばだ明智君!!」
ゲンガー「まてえルパーン! くそったれ!」
 高笑いをまき散らしながら逃げ出す筝をゲンガーが追いかける。
イーリング「奴はとんでもない物を盗んでいきました・・・貴方の力です。」

ゲンガー「うっせ!詰むのはポケモンじゃ良くある事だ!こうなったら残ったヘドロ爆弾を打ち込み続けてやる!(爆弾をぶん投げる。)」
 やけっぱちになったゲンガー、攻撃力が下がるやけど状態に影響しない特殊攻撃で反撃に出た。
 そこへすかさず、
オルム「GO」
 指示を受けるや、走っていた筝が突然向きを反転。ぶん投げられた爆弾になんと自らぶつかりに行った!
筝「あははははははぁ! かかったなァルパン!! 貴様がルパンな事はエブリデイエブリシングお通しだァ!!!(ヘドロ爆弾のエネルギーを吸収し、倍にして跳ね返した! ミラーコート!)」
オル「お見通し(…」
 どうやら逃げたフリだったらしい。
イーリング「え、じゃあさっきのただの凍える風なの?見得はったのゲンガーさん?(」
ゲンガー「(跳ね返された!)ぶべら!やっぱ急所なんてそうそうおきんのかー!ちくしょう覚えてやが(ばたり。)」
イーリング「死んだー!(」

 ゲンガーは倒れた!
 試合終了!



筝「1・2・3・筝ちゃんサイコー!!!!」
オルム「ん(ぐっ、と握り拳を作った( )」
 今度こそ出番を得て、今度こそ大活躍。見事な勝利だった。

ゲンガー「目が!目がああああ!(」
イーリング「いかん!救護班ー!」
フワライド「あいー。(ふわふわ。ゲンガーを連れ去る。()」
 救護班の皆様ご苦労様です……