8月9日 2013年夏祭りバトル大会!(第6試合 らいこ VS フワライド)  編集:Rista


 夏祭り後半にさしかかった日の夜。
 この日もまた、模擬店でにぎわう広場でバトルが行われようとしていた。


イーリング「よーし、今回は煙という事で救急隊員フワライドさんが来てくれたぞ!(夜空から降ってくる風船。いや気球か。)」
 かたや、おなじみ悪戯カゲボウズ、イーリング。
 呼んできたのは前回のバトルで戦闘不能ポケモンを運び出していたフワライドだ。

えんら「(ボール用意したけど、)……らいこば出すん想定しちょうでんけどちょいと有利になってしめえだよ()」
 こなた、夜店を出店中【海蛇】の店員、煙の身体を持つ少女えんら。
 例によって彼女の発言の標準語通訳は行わないので、何と言っているかはフィーリングで感じ取っていただきたい。

イーリング「ふふん、これくらいはハンデだ。どっからでもかかってこい  とフワライドさんが仰ってるぞ。(」
フワライド「ぷわー。(」
えんら「んだが?すっだら遠慮なぐ使あでよ。(ボールを一つぽーい。)」
 ボールの中かららいこ登場。ぱーんと両腕を万歳して出てきたのはデンリュウだ!
フワライド「ぷわ?電気かあ〜。(ふよふよ。)」
えんら「そんだよ、デンリュウのらいこっつんだー。」
らいこ「ぺい!(みじけえ手を掲げている。)」

 対戦カードは決まった。
 【海蛇】店主の龍音が見守る中、両者は位置につく。

えんら「すんだら合図ばどがんしようがね。」
イーリング「早い方から攻撃すればいいんじゃないかね。  ええとどっちが早いのかな、種族値的に。」
フワライド「ぷーわわ〜。」
えんら「デンリュウば結構遅ぇだよ?(」
 手元の資料によると、素早さの種族値はデンリュウが55、フワライドは80とのこと。
 つまりフワライドの方がいくらか身軽に動けるということだ。
 そんなわけで……



フワライド「ぷわわー。じゃあ僕からいくよおー。そりゃー。(両手から『でんじは』発射!)」
 先攻フワライド、ひらひらした両手から電磁波を撃ち出した!
 当たった相手を麻痺させる、おなじみの技だ。
えんら「電気に電気で撃って来ようがし。お返すだでらいこー!」
らいこ「(電磁波は浴びる。その際尻尾の珠が煌々と光り、)おかえしぃ。(同じことをする。体表から放たれる『でんじは』!)」

 相手の技でしびれつつ、こちらも電磁波で対抗。
 同じ技がぶつかり合うかと思いきや、さすがにぶつかって爆発などはしない。

フワライド「みゃー。(ばりばり。)でも風船は痺れないー。  わけないー。よーしがんがんいっちゃうぞお〜。」
 こっちも麻痺して動きが鈍くなった。一見分からな……いえ何でもないですよ。

フワライド「ぷーわわー。(消えた。  違う、『小さくなる』だ!)ミクロ世界へごあんな〜い。」
らいこ「あれー。」
 大きな風船が一気にしぼむ、ではなく縮んでいく。
 これでらいこは攻撃を当てにくくなった。
えんら「当たり辛りゃあんば耐えて一発で仕留めちょうばよがんし、らいこっ。」
 とにかく攻撃しなければ勝利も近づかない。えんらは指示するが、
らいこ「でもむり(からだが しびれて うごけない!()」

 ここでしびれを切らしたのは、意外や意外、有利なはずの百鬼夜行サイドだった。
イーリング「・・・ああ駄目だ。こんな戦いはつまらんぞ!(ばしばし。)運ゲーは御免だ。少々イレギュラーだが許せ管理人。(取り出したのはクラボ×2。一個をえんら側に放り投げる。)」
フワライド「ぷわー?」
龍音「焦れてますねえ(」
えんら「んえぇ?;」
らいこ「?(クラボキャッチ!)」
 なんとここでイーリング、麻痺を治す効果があるクラボの実を、味方だけでなく相手にも渡した。
 これには対戦相手も観客もびっくりだ。
イーリング「使うも使わないもお前次第だ。(ひらひらで相手側を指す。)また運ゲーで実力を出し切れない戦いは評価されづらいと思ってね!大事なのは勝つまでの工程だよワトンソ君!今戦は麻痺を無しにして殴り合おうという提案だがどうかね。コンテストバトルみたいなモンだ。(」
 何とも潔い提案だ。普段の小賢しい態度はどこへ、げふんげふん。
フワライド「ぷーわわ〜。」
えんら「貰うもんばさ貰っときゃあよで言われちょうが貰うでよ(きっぱり。) …でンもデンリュウばさ殴りようだらまた麻痺すんでが?」
らいこ「(ひょいぱくと木の実を食いながら。)静電気あるねー(」
イーリング「たとえ麻痺してもそれは特性だからな。作戦の一つとして受け入れる。」

 そんなわけで試合は仕切り直しに。
 一方の回避率が多少上がっている程度で互いにダメージは受けていない状況からの再開だ。

フワライド「(クラボもぐもぐ。小さいから一口だけ。)じゃあ行くよー。  それー。(めちゃくちゃでかいシャドーボールがその小さな体から放たれた! ころん、と役目を失ったゴーストジュエルが地面に落ちて。)」
 小さくなっても技の威力は落ちたりしない。
 それどころかジュエルの効果で強化された攻撃がらいこを襲う!

えんら「すんだらば、続けようで。らいこば今度こそやんでがよ。」
らいこ「んー(ぎゅ、っと体を丸めて、シャドーボールを耐える姿勢。その体の表面を電気が覆い、尻尾が眩しく輝きだした。『じゅうでん』!)」
 デンリュウは元々耐久力に定評のあるポケモンだ。シャドーボールを耐えきった。
 そしてじゅうでんの効果で防御と特防が同時に上昇!

イーリング「ぬ、向こうも耐える姿勢か。どうするんです。」
フワライド「勝利の栄光を君に。(なんか赤くなってる。)サイコキネシス!(カッ。念波を叩きつける。 特殊防御を少しずつ脆くする。)
」 イーリング「出た!フワライドさんのシャアモードだ!(」
 謎のカットインが入った?それは気のせいさ。
 見えない力をたたきつける攻撃は特防も下げることがあるのだ。

えんら「まンだまだ、じっぱあせんどばそんなに脆がしならんでよっ。」
らいこ「まだやるよー(先程のダメージこそ大きかったが、その後はまだいける。更に『充電』を重ねる。)」
 さらにパワーがたまっていく。
イーリング「どんどん硬くなっていくよ・・・・泥沼じゃないか」

フワライド「チャンスは最大限に生かす!(ようはごり押し。シャドーボールを放り投げる!)」
イーリング「削りきる作戦っすね!(」
 そう、とにかく攻撃しないことには勝利も近づいてこないのだ。

えんら「どろどろにならんようばし、溜めちょうがよ。」
らいこ「むん。(シャドーボールを手の甲(?)で受け止める。少しずつ体力は削れてくる。ので、そろそろ。)」
えんら「ばちっとやってやりゃんしよ!」
 トレーナーが合図を出した。
 さて、充電の後に起こす攻撃と来れば……?

らいこ「むー、ん、(尻尾の光りがふっと消えた。そして、)はー!(辺り一帯を充電によって普段の倍量に膨れ上がった『放電』が襲う!ばりばりばりばり。)」

イーリング「大放電キター!弱点同質充電の計6倍ダメージ!回避してくだせー!(」
フワライド「これが若さか・・・・ハアッ!(小さくなる+かるわざ で圧倒的回避を見せ付ける! 範囲が凄まじいので避け切れてないが。()」
 ジュエルを手放したことで素早くなったフワライドは軽快な動きで電撃から逃れようとする。
 が、さすがに全体攻撃、ダブルバトルでは味方にまで被害が及ぶほどの技だ。いくらかは接触してしまっていた。

えんら「すのまんま追い込みようがし!」
らいこ「あーーー(などと意味なく声を発しながら『放電』を続ける。威力は充電後よりもおちている代わりに、電流の隙間を埋めるように更に電流を流し込むデンリュウ。)」
 溜めた電気を攻撃で使うと、充電中に上がっていた効果は落ちていく。
 しかしまだまだ勢いはなくならない。
イーリング「お、追い込み漁!まるで追い込み漁だ!こんなテクニックが使えるのかあのエセドラゴン・・・!(」
龍音(被害を受けないようにエトルは下がらせて、ああ今日は人が居なくてよかったなあとか思いつつそれを見ていた。)
 エトルはドククラゲ。特防の高い種族ではあるが、それでもぶつけたくはない技だ。
 今回は観客の巻き添えがなかったことが何よりの幸いである。

フワライド「まだだ・・・まだ終わらんよ!(逃げるのを諦め、電撃に妨害されない『サイコキネシス』を全身全霊で叩きつけてやろうとする!)」
らいこ「はうっ。(2回分の充電効果で防御面はしっかり保っていたとはいえ、念力で弾かれ電撃が止まる。)」

えんら「ひるむんでねがよらいこっ、追い込んだとこでば、びーむでがうてーっ!」
らいこ(ちょっとばかり前傾ながら、額の両脇に短い手を当てて、居場所を追い込んだフワライド目掛けて、ビーム一閃『パワージェム』!)
イーリング「フワライドさーん!」
フワライド「・・・早々・・・当たるものではない! (今度こそ『小さくなる』の効果を利用して回避!ジェムが掠る程度に収めた!)」
 岩タイプの技であるパワージェムもまた、飛行タイプのフワライドには効果抜群だ。
 気合いと気迫で何とか逃げ切った!

イーリング「まあうん、鉄壁と超回避で攻撃がお互いに当たらん。・・・・あとは審査員達に判定を委ねようではないか?」
えんら「当たっちょうでは居りょうがなあ。」
らいこ「んんー。」
龍音「ではこの辺りで止めましょう。」



 さあ、審査員たちの判定は?


 投票の結果……勝者、らいこ!

 フワライドの覚醒モードも人気でしたが、らいこの大放電による逆転大攻勢がそれ以上の評価を得たのでした。