2016年8月4日 夏祭りバトル!波としぶきの戦い!  編集:Rista

夏真っ盛り、島は恒例の夏祭り。
中でもポケモンバトル大会は今年も最大の盛り上がりを誇ったとかそうでもないとか。

これはそんなお祭りの一場面。
静かな入り江で顔を合わせた二人の水ポケモン使い、そして頼もしい相棒たちによる、真剣勝負の記録である。


まずは出場トレーナーの紹介から。

かたや、天才発明家ノーツ。
ふんわりスイートファッションな見た目から想像できないが、機械をいじらせたらものすごいとか。
彼女はサザンドラのハウを連れて入り江へ立ち……いや、自前の機械で空中に浮いていた。

ハウ「(ノーツと同じ位置までやってくれば、同程度の高さまで上昇して、通常のバトルフィールドよりも広めの間をあけている)」
(ちなみに記録装置は小さなプロペラを懸命に回しながら後ろについてきているのである、丁度両者の中間あたりで止まり、きゅいーん、レンズを伸ばして)
ノーツ「浮くんです、これのおかげで私は飛び降りても生きてるんですなっ(  さてと、念のためルール確認なのです、試合時間は60分、技は4つ、持ち物は一つまで、えっと、先攻は…ダイスで?(昨日の悪夢がよぎる(…」

こなた、凄腕釣り人ヨシナリ。
釣りの腕前はもちろん、水棲ポケモンへの並々ならぬ愛、そして娘のノアと仲がいいことでも知られる。
こちらはなぜかハウの背中に乗っていた。

ヨシナリ「……(おっと、いつもと距離感覚が違う。…まぁホエルオーだから場所も必要なんだろう、仕方ない。と)……(それって結局危険なんじゃないのか…と思ったが、とりあえず今はバトルだ、と突っ込まないでおいた。())……まぁ、二日連続で不運がついて回るってことはないだろ…(…多分。) 」

昨日もどたばたがあったようだが、それはまた別の話。
先攻後攻を決めるとしよう。

ノーツ「すみませんな、ちなみにもう少し高度を上げて近づくことも可能ですよ、……濡れちゃうかもですがハウがどうにかします!たぶん!……ううちょっとヨシナリさんそれフラグです、フラグってやつですそいやーっ (2D6 → 3 + 2 = 5) 」
ヨシナリ「…まぁ濡れること自体には慣れてるが…人様のサザンドラを酷使するのもな、(ここで良いよ、とサザンドラに声を掛けた。)…大丈夫だ、こっちにフラグが立ってるかもしれん(自分で言っておけば少しは回避できるかな、と。()) (2D6 → 2 + 2 = 4)
ノーツ「よし勝ったっ!第3部完!(…」
ヨシナリ「…あっ。……まぁ、2よりはマシだな…うん。(うっかり掘り起こす酷いつりびと。) 」

ノーツ「あっちょっとー蒸し返さないでくださいよー(ぽい、と手前にモンスターボールを投げ、戻ってきたボールをキャッチしてからさり気なく2、3歩下がり。)れっつごーですスタールちゃんっ」
スタール「(ざっぱーんっ、大きな水しぶきと共に着水した14.5mの巨体。先ほどまで少女がいた位置に水滴が飛んでいる(… ほえー、といささか間の抜ける鳴き声を発しつつも、どうやら気合は十分の模様、尾びればちゃばちゃ)」

さあ、ここで対戦するポケモンたちの登場!
まずボールから飛び出し、ど派手な水しぶきを上げてみせたのは、ホエルオーのスタール。
そう、二人は波の被害(?)を避けるために、空中から指揮を執ることにしたのだ。

ヨシナリ「……(おっと。今更口を抑えた() ……あ、無理。素材そのままっていいよね。…という心の声はさておき。)……力も体力もあるが、ああ見えて意外と体自体はポニポニ(?)してるんだ。あんまりビビるなよ(そんなことを小声で言いながら。釣り糸に引っ掛けてあったボールをポイ、と。昨日のブロスターが勢いよく飛び出してきた) 」

一方、ヨシナリが選んだのはブロスターの伊勢丸。
のんびりしたスタールとはまさに対照的、元気で活発なポケモンだ。


いざ――試合開始!

ノーツ「よし、覚えて来といてよかったですよスタール!どわすれっ!積まなきゃ死にます!(」
スタール「了解ですご主人、(……沈黙、傍目には何も起こっていないが、おもむろに)……はて私の名前はなんでしたかな(…どうやらしっかり発動したようである」
ノーツ「特防2段階アップの代わりに名前忘れてどうするんですスタール…」
伊勢丸「……エッ!! ……アルツハイマー…!?(出てきた途端すっとぼけたホエルオーが目の前にいたのでちょっと戸惑った。())」
困惑するのも無理はない。
効果はよく知られている技だが、こんな使い方だとはなかなか思われないだろう。
ヨシナリ「…あー、まぁ、伊勢丸。4つ目の技は「はどうだん」だけにしてくれ。4つまでってルールなんだ(何かしら、戸惑うブロスターへ。…ちゃっかり後出しのような気もするが。)…さてと、(そう言ってつりびとは……なんでか釣り糸を垂らし始めた。おや…?)」

ノーツ「ちょっとアルツハイマー疑われてるんですけどー… んん、ちょっと怖いので潜ってもっかいドわすれ!」
スタール「はっはっ、安心めされよご主人、どわすれですからな、すぐに思い出しましたぞ私の名前はス…(そこで体を前方に傾け、滑り落ちるかのような動きで海中へ、そしてもう一度――……)はて私の名前は。(ドわすれである(…)」 ヨシナリ「……(…そのまま全く口を動かさないつりびと。…持っている竿を少し上にあげてから、糸の先のボールで円を描いた。)」
伊勢丸「…アイヨォー! 無駄無駄無駄ァァ!!(叫びながら「アクアジェット」で高めに飛び上がり、そこから水面に向かって範囲重視の「ヘドロウェーブ」!)
いつまでも惑わされてはいられない。伊勢丸の猛攻が始まった!

ノーツ「あーっ水質汚染がー!!!( しおふきです!しおふきで全部吹っ飛ばすのですっ!」
スタール「ああやっと落ち着いて名前を思い出せましたぞ、そ、りゃっ(海中に沈んだまま。突如ホエルオーの真上辺りの海面が大きく盛り上がり、はじけるような水柱が上がる。「しおふき」、海面に揺蕩うヘドロウェーブをフィールド外に押し出しつつ、あわよくば飛び上がった伊勢丸も捕らえようと)」
ヨシナリ「…(流石に一回分じゃすぐ流れるだろうとは思ったさ。これくらいは予想済みだ。)」
伊勢丸「ッデェェェ何かメッチャスプラッシュマウンテn(ばっちゃん。どうやら己のハサミの重みで高速度で水に落ちた様子。潮は被ったが上空に吹き飛ばされるまではいかなかった)」

ノーツ「無事に流れましたよっ、ブロスターは見えますか、向かってヘビーボンバー!です!ぞ!」
スタール「やれ運動量がおおいですな、老ポケモンにはつらいですぞ、っ(体内の空気をすべて吐き出してしまうとひときわ大きく尾びれを動かし、その大きな体躯をもってして伊勢丸に向かう、当たっても当たらずとも勢いのまま大きく水上に跳びあがり)」
ヨシナリ「…(ホエルオーのメジャーな戦い方だ、対策はいくらでもあるがやはり脅威は脅威である。…つりびと、竿を勢いよく斜め上に振り上げた)」
伊勢丸「ウェッ!? おっ、おっかねぇぇーーー!!(なおも絶叫しながらスタールに向かって「ラスターカノン」を放った。少し角度をずらして攻撃しつつ斜めに逃げようとしているようだ)」

ノーツ「ありがとうドわすれ、半減とはいえブロスターの特攻でやられたらちょっと痛いところでした、追いかけなくてかまいませんよスタール、……とびはねるっ!」
スタール「(的が大きい以上避けるなんて不可能、直撃した、が、海上に飛び出した直後また大きく尾びれで海面を叩き、一気に大きく跳びあがった!水しぶきの飛沫を上げつつ、空に浮かぶ鯨)」
ヨシナリ「……(あっ飛んでるかわええ、じゃなかった。…スピードもリーチも相当不利な立場にある。…体力が心配だがどうせ短期決戦だ。つりびと、先程の円描きをしながら竿を手前に引っ込め、そこから今度は大三角を。)」
伊勢丸「あーーっでぇぇーー! 無理ィィーーー!!(体力も結構削れているらしい。……水面に向かって再び「ヘドロウェーブ」、反動で下の方へ潜る間に右のハサミが金色に光始める。…左のハサミも何かしら貯めている様子、そのままホエルオーの行動を待っている。)」

ノーツ「飛んだら落ちるしかないんですよーっだ、そいやっ!体制変えて!」
スタール「(落下しながらぐいん、と体を横に、攻撃範囲を最大限まで大きくして、から、の、着水。冗談じゃないくらいの水しぶきが見上げるほどの高さで上がり。対峙する二人のトレーナーにも海水がかかってしまうだろうか、その巨体でブロスターを押しつぶしてしまおうとして)」
ヨシナリ「……(横向きになったスタールを見て僅かに目を細めた。…一か八か、横に逃げる方を選ばなくて良かった。そのまま大きく、…動き、というよりか肩に掛かるクーラーボックスに竿を当てて大きな音を出した。)」
伊勢丸「……ッッッセェェェェイ!!!(右のハサミから非常識なくらい巨大な「はどうだん」、PPは一気に5くらい削れただろうか。「フラッシュ」ばりの光を真上に向かって放ちながら、左の小規模な「アクアジェット」も多少は手伝って一気に沈む。…同じベクトルで相手の速度に近づければ当たっても衝撃はある程度和らぐだろう。)」

14.5mの巨体が何トンもの海水とともに伊勢丸を襲う!……ところだった、が。

ノーツ「あっじかんっ、っですっあー落ちないでーっスタールー!!( 」
とっさに出したモンスターボール。着水ぎりぎりでホエルオーはボールの中に吸い込まれた。
無事びしょ濡れは回避できたようだが。
伊勢丸「……ってあれっ、時間!?」(ピュピューと途中でへにゃへにゃに沈んじゃった。)」


ノーツ「60分って意外と短いんですよね…(ぽんぽん、とモンスターボールを撫でながら) 対戦ありがとうございましたぞ(ぺこりん) 」
そう、バトル大会には時間制限などいくつかレギュレーションがあるのだ。
ノーツ「それに7分オーバーしちゃったのです……ごめんなさいなのです…(ずーん)」
ヨシナリ「…はー、かわええかった……じゃない違う間違えた(ゴホンッッ)……時計を見ておくのをすっかり忘れてたよ。…やっぱりホエルオーは要注意だね……こちらこそありがとう(帽子を外して。…伊勢丸は浮かび上がって来ないが大丈夫なんだろうか)」
わざが不発に終わった反動だろうか?
ヨシナリ「…まぁ、多少は制限時間を過ぎても大丈夫みたいだから。…お嬢ちゃんに任せっきりにしていたおっさんも悪かったよ(首を振って。)」
ノーツ「ダブル用のつもりだったので外した技があったんですが、それヘビーボンバーの代わりに入れとけばよかったです………あれ、あのかわいいブロスターさんは?」
ヨシナリ「…(十分ヘビーボンバーも怖かったがね、と。)……あー、(さてはまた「俺っちの方が押されてたァァーーー!!!」とか言いながら暴れてるんだろう。…ちょっといいかい、とサザンドラに高度を下げてもらうよう頼んで)」
ハウ「(ぎゃう、と一つ鳴いてから言われたとおり上昇する、ふわふわ)」
ノーツ「うう、……7分オーバーって注釈つけときます…(水しぶきにも負けず懸命に機能を果たしていた記録装置に向かって手招き、手の中に戻ってくればスイッチを切って)」


少しのオーバーなんてたいした問題じゃない。
とはいえ、今度は時間制限なしの全力勝負が見てみたいものだ。

ちなみにこの一戦、投票により今年のバトル大会のMVPに選ばれている。
両者に最大の賛辞を送りたい。