2022年8月27日 夏祭りバトル!砂塵がきらめきに変わるとき!  編集:Rista

夏真っ盛り、島はおなじみ夏祭り。
今回はいろいろあって人手は少なめだったものの、恒例のポケモンバトル大会は例年通り実施され、個性豊かな面々が腕を競い合った。

これはそんなお祭りの一場面。
2022年大会に刻まれた熱戦の記録である。

---

夜の広場に降り立つ影がひとつ。上空から現れたのは気難しい顔をしたリザードンだった。
ヒロ「まずは誰が相手なのか確認して。先攻と後攻を決めて。最初の一手は。」
フィールドの一方、スタート位置に早足で移動する間、ぶつぶつとつぶやいている。もちろん対戦相手が現れるのを待ってもいる。……そう、そわそわしているのだ。

フィアロウ「(ぱたぱたと店から走ってきて)よっし、準備運動できたかレン!」
続けて対戦相手のトレーナーが陸路でやってきた。
ビブラーバのレンは翅をパタパタと揺らして答えた。こちらは元気いっぱいだ。

フィアロウ「うし。5ターン制、先攻後攻は6面ダイスでどうだ?ちなみにこっちはビブラーバのレンで行くぜ。」
ヒロ「それでいいよ。いつでも始められる。」 (1D6 → 6 = 6)
フィアロウ「よし、じゃあ始めるか。」 (1D6 → 6 = 6)
互いにサイコロを1個振ってみたら、なんと全く同じ目が出た。なんてこった。
仕方ないのでもう一回ダイスを振ってみると……
フィアロウ > (1D6 → 1 = 1)
ヒロ > (1D6 → 4 = 4)
ようやく決着! こんな日もあるさ。
大きい目を出したヒロから始めることになった。

それでは、バトルスタート!

ヒロ「(呼吸を整え、一歩踏み出し……)じゃあ、僕から行くよ!(大きく翼を広げ、羽ばたく。しかし足は地面から離れない。正面の相手に向けて強い風を起こす「エアスラッシュ」!)」
フィアロウ「悪い運は使い切ったと思いたいね。(ヒロの羽をレンの翅越しに見て)「すなあらし」だ!風を味方につけろ!」
指示にレンが動いた。エアスラッシュにぶわぁ、と飛ばされながら翅を動かして起こした風が砂を巻き込んでいく。
しかしエアスラッシュの効果は相手を押しのけるだけではなく……(1D100で30以下ならひるみ) (1D100 → 46 = 46)

ヒロ「砂嵐。相手は砂漠のポケモンだから慣れっこだけど僕はそうじゃないからよく見えてない。でも逃げ隠れなんてそんなにできないはず。これはきっと巻き込みきれない。(ここまで一息、早口で言い切ってから、改めて息を吸い……「りゅうのいぶき」。ただし2D6の6未満で不発)」 (2D6 → 4 + 4 = 8)
フィアロウ「(すなあらしの風の中から「りゅうのいぶき」がレンに向かうのを見て)怯まなかったんだ、このまま突っ込め!「かみくだく」!(1D100で30以下でない場合りゅうのいぶきマヒなし)」 (1D100 → 44 = 44)

ヒロ「(砂を浴びてダメージが入る。呼吸が乱れる。その間にマヒしなかったレンが突っ込んできた、逃げずに「かみくだく」は腕で受け止め、噛みつかれても耐えるも目が痛そうだ)……これくらい蹴散らせないでどうするんだ。どうするんだ。(近距離、目の前に相手がいる、口を開ければあふれる炎。「かえんほうしゃ」!)
レン「!!!」(腕に噛み付いたもののヒロの開いた口にこちらの口を離してうなじあたりにひっつこうとしながら)
フィアロウ「「いやなおと」だ!近くでぶちかませ!」
レンは直ぐに反応。じっ、と焼けた翅を擦らせて超音波を発生させる!(「かえんほうしゃ」のやけど判定1D100で10以下ならやけど) (1D100 → 75 = 75)

ヒロ「ーー……!!(首筋にひっつかれ、自分の攻撃以上の至近距離で響く音。防御ががくっと下がった!更に砂嵐のダメージも続く。)ああそうだよこういう感触だよバトルっていうのは!(吠える。それは技ではない。レンに何もまとわない「きりさく」の爪を向け、振り落とそうとする)」
レン「〜〜!!」(「きりさく」の爪を受けて「きあいのタスキ」が空に舞い上がる)
フィアロウ「よし!(広場を覆う「すなあらし」の中に「きあいのタスキ」を見つけ)よく耐え切ったぞ!「じたばた」で大暴れだ!
レン(爪をそのままに振り落とされないように脚をばたつかせて「じたばた」と暴れ出す)

ヒロ「は?(砂混じりの風に舞い上がる何かを視界に捉えたが判別する余裕まではなかった、なぜなら)……しまった!(首元でじたばたするレンを振り払えない。ひと蹴りごとに積み重なるダメージ、砂のダメージ。)腹が立つ!!(怒りに任せた「かえんほうしゃ」はレンにうまく当たるだろうか。1D100で50未満なら狙いが外れる!)」 (1D100 → 7 = 7)
フィアロウ「(飛んできた「きあいのたすき」を手でつかんで)あと少しだ、がんばれレン!「じたばた」!」
レン(首元で「じたばた」したあとの「かえんほうしゃ」の首元の動き、1D100の50未満で振り払われて「じたばた」が外れる。) (1D100 → 12 = 12)

ヒロ「(振り払った。でも追撃はせず、片膝をついた。)……疲れた。(そのまま座り、両手を挙げる。)」
レン(ぽて、と落ちたように腹?を出して寝転がっている。)
5ターンが過ぎていた。
すなあらしは止み、空は戦う前と同じ空へ戻っていく。

フィアロウ「……終わりか。」(ヒロとレンたちのところへ歩いて行き)「お疲れ様。対戦ありがとうな。」
レン(ほげー、と寝転がっている)
ヒロ「……お疲れ様。(ちょっと顔を上げた。)負けたよ。狙いに気づかなかった時点で僕の負けだ。
フィアロウ > そうか、(レンの傷に薬をつけながら)俺たちとのバトルで役立てるものがあれば嬉しいよ。」
大人しく治療を受けていたレンが、翅をゆっくりと動かしてふぃぃい…と徐々に動かす速度を早めていく。周りにキラキラとした光を纏いはじめていた。

おや? レンの様子が……?

ヒロ」帰ったら色んな角度で勉強するよ。トレーナーがいない以上ひとりで頑張るしかないし。トレーナーがいないから外の大会には出られないし自力で覚えられる技には限度あるし指導してくれそうな心当たりもないし。(ここまで一息で喋ってから咳き込んだ)」
そこへヤミラミが駆けつけてきた。惜しくも試合を見逃したヒロの仲間だ。
ナイツ「うっわ無茶しやがって!ノックアウトされてたらどうやって帰るつもりだったんだよ!?あっどうもこんばんはー、あれ?(フィアロウに挨拶して、レンのキラキラに気づいて」

包まれた光が収束しはじめた頃、空へ向かい風が巻き起こる。
フライゴンの姿になったレンが光の尾を引きながらゆっくり空を旋回していた。

おめでとう! レンはフライゴンに進化した!

フィアロウ「トレーナーか……代わりになれればいいけど、頑張る気持ちあるならそれは大事にしたほうがいいな。……リザードンの知り合いを……勉強会に誘ってみるとか?(空を見上げて)……にしても飛んでるな。今回の対戦はいい経験になると思っていたが。」
ヒロ「(同じく見上げて)どうやら僕は十分すぎる経験値を献上したみたいだね。おめでとう。明日の対戦頑張って。」
ナイツ「明日もバトル予約あるのか、いやその前にヒロ、そういうことは真顔で言うもんじゃないぜ;」
ヒロ「疲れただけだよ。別に迎えなんてなくたって僕はもう帰るところだった。(手をついて、起き上がって)」
フィアロウ「でかい山登らせたからな。(レンから視線を外してヒロの体躯を見上げ)……ありがとう、ヒロ…レンにも伝えておく。……おーい!そろそろ夕飯だから帰るぞ!(手を振ってレンに声をかける)じゃ、俺たちもそろそろ。ヒロも身体大事にしろよ。(ヒロと、ナイツに手を振ってその場をあとにした)」
ヒロ「気をつけるよ。またね。(早足で広場を去る。ヤミラミが必死に追いかけた)」

バトルは様々な「けいけんち」の源だ。
力をつけ、技を磨き、何とか眼を鍛える……何だったかな。
そうやってポケモンたちは成長していくのだ。このときも、これからも。