ポケモン基礎知識(2) タイプと相性

すべてのポケモン、すべての「わざ」には「タイプ」というものが定められている。
タイプ同士の相性によって、技の効果が強められたり弱められたり、過酷な環境で生き残りやすくなったりするという。
強さを求めるトレーナーたちにとって、この相性の問題は戦略上とても重要になる。
しかしそうでない人間やポケモンにも様々な形で関わるので、ぜひ覚えていただきたい。

どのポケモンがどのタイプに属するかは「ポケモン図鑑」を、どの技が何タイプなのかは「ポケモンわざファイル」を参照。


<相性表>

「技のタイプ(攻撃)」と「技を受けるポケモンのタイプ(防御)」の相性関係は下表の通り。
 ○ … こうかはばつぐんだ(技のダメージが2倍になる)
 △ … こうかはいまひとつのようだ(技のダメージが半分になる)
 × … こうかはないようだ(技が無効化されダメージは0になる)
 空欄 … (特に何もない。普通のダメージ)
※この表で判定できるのは攻撃する技の効果だけ。それ以外については、表の下から始まる各タイプの説明を参照。

  攻→
↓防
ノーマル      ×          
かくとう            
どく           
じめん        ×    
ひこう  ×         
むし            
いわ         
ゴースト××            
はがね×    
ほのお         
みず            
でんき              
くさ         
こおり             
エスパー             
ドラゴン           
あく           × 
フェアリー           × 

技を使うポケモンのタイプがわざと同じだった場合は技の攻撃力が強まることが知られている。

なお、多くのポケモンはタイプを2つ持っている。その場合は1つの技に対して両方のタイプで相性を見て、次のように判断する。
 ○+○ … 倍になるダメージがさらに倍になる。つまり4倍。大変危険。
 ○+△ … 相性が打ち消され、倍にも半分にもならない。つまり1倍。
 △+△ … 半分の半分、4分の1しかダメージを受けない。
 ○+×、△+×、×+× … ×が優先され、技は無効になる。つまり0倍。


ノーマルタイプ(無)

無色。これといった特徴はなく、ゴーストタイプとの間で互いに攻撃技が効かないくらい。
他のタイプの特徴を持たないポケモンや技が分類されることが多い。
そのため、属するポケモンも技もダントツで最多を数える。

研究の結果、ノーマルに分類されていたポケモンや技が実は別のタイプだったことが判明する、というケースもある。


かくとうタイプ(闘)

格闘。筋力に秀でたポケモンや、人間の格闘技にも共通する性質の技などが属する。
硬い岩や氷、鋼の壁も破壊できるパワーが自慢だが、見えない力や空を飛ぶ相手にはかなわないらしい。
悪をこらしめる正義の味方にもこのタイプが多いといううわさもある……

ポケモンと一緒に修行する格闘家は多い。互角に渡り合えるようになれば、並の人間は最早敵ではないからだ。


どくタイプ(毒)

毒。まわりに害をもたらす毒素を振りまく技や、それを体内に持ち自在に操れるポケモンが属する。
他のポケモンが浴びせてきた毒も体内で打ち消せるらしく、「どく」状態になることがない。
植物や妖精の天敵である。が、鋼の体が相手では全く歯が立たない模様。

扱い方を間違えるとトレーナーにも被害が及ぶので、育てる際には注意が必要。どくけしを持ち歩こう。


じめんタイプ(地)

地面。土の中で暮らすポケモンや、大地の力を借りる技が属する。
でんきタイプのあらゆる技を地面に受け流して無効化できる。砂嵐にも強い。
一方で水は体によくしみるらしく、草には栄養を吸い取られるのか、ともに苦手としている。

その性質を生かし、土をたがやすなど農村で活躍する姿がよく見られる。


ひこうタイプ(飛)

飛行。鳥ポケモンをはじめ、空を飛べる翼や羽を持つポケモンのほとんどが属する。
翼や羽根やくちばしなどを利用した技、風を操る技などもこのタイプとされている。
空中にいる間は、じめんタイプの技が全く届かない。しかし落雷や落石には注意が必要。

ひこうタイプだけを持つポケモンはほとんどいない。相性を考える際は必ず他のタイプも確認すること。


むしタイプ(虫)

虫。他の生態系で虫として扱われるポケモンや、そのポケモンがよく使う技が属する。
草木が大好きで、草原や森に多く生息する。
鳥が天敵。また岩と炎にも弱い。飛んで火に入ることがないよう注意すべし。

美しい模様の羽を持つ、群れで特別な行動を取るなど、独特の性質にはそれぞれ熱狂的なファンもいるとか。


いわタイプ(岩)

岩。岩石やそれに近いものでできた体を持つポケモンや、岩石を操る技が属する。
頑丈な体を持ち、砂嵐の中でもダメージを受けることなく自由に動ける。
だがそれよりも堅いもの、たとえば鋼の塊や鋼のような拳には体表を砕かれてしまうこともある。

その身体を作るためか、岩石や土などを主食にしているポケモンが多い。


ゴーストタイプ(霊)

霊魂。いわゆるお化けや幽霊、あの世に縁があるポケモンの他、恐怖や影にまつわる技なども属する。
実体がなく普通に触ることができない種類が多く、ノーマルや格闘の攻撃を全く受けつけない。
でもゴースト同士では互いの攻撃が通じるどころか効果抜群になってしまう。

人がポケモンに魂を奪われた、死んだ人の魂がゴーストポケモンになった、などの言い伝えが各地に残る。


はがねタイプ(鋼)

鋼。金属の体を持つポケモンや、その体を生かした技が属する。
防御に秀でた種族が多く、多くのタイプに対して耐性を持つ。砂嵐も毒もその鉄壁を破れない。
まさに守りのエキスパートだが、高温や強すぎる衝撃には耐えられないこともあるようだ。

金属だけに、磁石を近づけるとくっついて離れなくなる。磁力を持つポケモンもいるので気をつけよう。


ほのおタイプ(炎)

炎。火にまつわる技や、体内に炎袋を持ち火を自在に起こせるポケモンが属する。
金属も溶かす高熱で多くのポケモンを「やけど」させるが、自分は熱に強い体なので「やけど」しない。
晴れた日には炎の技が一層強くなる。しかし、水や土をかぶせられると火は消えてしまう。

たてがみなどの形で常に炎を噴き続けるポケモンもいる。うかつに触ると大やけどは確実だ。


みずタイプ(水)

水。魚型など水中の生活に適応したポケモン、そして水の性質や水流の勢いを利用した技が属する。
生息域がとても広くバリエーションも豊富なので、ポケモンの種類はノーマルに次いで数が多いといわれる。
火に強く、寒さの影響も受けにくい。しかし植物には水を吸い取られてしまう。感電しやすいのも弱点。

魚とは異なり、みずポケモンたちは陸上でもある程度の時間は活動できる。でもやっぱり水中の方が快適らしい。


でんきタイプ(電)

電気。電撃を放つポケモン、電気や電波の力を利用する技が属する。
体内に発電器官を持ち、体力さえ残っていればいつでも電気を作り出せる。
「まひ」への耐性がある。苦手なのはじめんタイプくらい。多くの相手とは安定して戦える。

電気の力で人間たちの生活を支えるポケモンもいるが、発電所などで電気泥棒をはたらくものもいるらしい。


くさタイプ(草)

草。植物の性質をあわせ持つポケモンと、草木を始め自然の力を借りて発動する技が属する。
水と土と太陽が大好き。種や花粉などを使い状態異常を引き起こすのが得意だが、くさタイプ同士では通用しない。
いわタイプと並ぶ弱点の多さでも知られる。虫や鳥は天敵だし、火にも寒さにも毒にも弱いのだ。

自然の恵みは多くのポケモンや人間の暮らしを支える。うまく育てればきれいな花を咲かせる種類も多い。


こおりタイプ(氷)

氷。冷気や氷を操る技、氷の体を持ち寒さを好むポケモンが属する。
その強烈な攻撃を受けた他のポケモンは凍りついて動けなくなることもある。
高温や衝撃にはとても弱いので、こおりポケモンを暑い地域に連れて行く際は体調管理に注意。

体は冷たくても心は温かいポケモンが多く、雪山で遭難した人が助けられたという話も時折聞かれる。


エスパータイプ(超)

超能力。人知を超えた不思議なパワーや、それを操るポケモンが属する。
まか不思議な空間を作る、味方の傷をいやすなど、攻撃以外の効果を持った技が豊富なのが特徴。
そのため、他のタイプにはないトリッキーな戦法を得意としている。

テレパシーで心に直接語りかけることで、人間とポケモンの間に立って通訳を務めることもある。


ドラゴンタイプ(竜)

竜族。強力なポケモンたちが属し、技の方も破壊力抜群な攻撃技が多いのが特徴。
いわゆる「伝説のポケモン」でなくても個体数が少なく、運良く仲間になれても育てるのは難しいという。
ドラゴン同士が効果抜群なので相打ちになりやすい。またフェアリータイプが天敵であることが最近判明した。

多くは他の世界の伝承にもみられる竜(または龍)に似た姿だが、ちっともドラゴンらしくない種類もいる。


あくタイプ(悪)

悪。闇や不吉にまつわるポケモン、やや正攻法から離れた変わり種の技が属する。
多くは黒い体を持ち、闇にまぎれて獲物を狩る夜行性。
あくポケモンにはエスパータイプの攻撃がまったく効かないが、ある技を受けると無効化できなくなるらしい。

もちろん、あくポケモンを連れている人間が悪人とは限らない。


フェアリータイプ(妖)

妖精。最近になってようやく一般に知られ、正式に分類に加わったタイプ。
ポケモンも技も見た目はかわいらしいものが多いのだが、その攻撃の威力は決して油断できない。
ドラゴンタイプの技が全く通用しないという手強さが、今後ポケモンたちの力関係を大きく変えることだろう。

新タイプの追加によりポケモンや技の再分類が行われた。今も研究が進められているが、まだまだ謎が多い。



今のところ「タイプ」として認定されているのはこの18種類。
特にポケモンのタイプは技の強弱に限らず、すみかにする場所との相性、道具との相性にも影響してくる。

ポケモンと接する上では欠かせない概念だが、実は過去には15種類しかない時期があった。
はがね、あくの両タイプは少し遅れて分類に加えられ、フェアリータイプに至ってはつい最近登場したばかり。
もしかしたら将来はさらに新しい発見がなされているかもしれない。
ポケモンの世界はまだ解明されていないことがたくさんあるのだ。