電話と流と昔の話  作:かご 投稿日時:06/2/19


《ルルルル…ルル……》

…もしもし?あ、元気?久しぶり〜w
え?何でお前が出るんだ…って失礼ね。出て悪いの?手ぐらい届くわよ。
…ああ、昔話が聞きたいって言ってたわねそういえば。でも何で電話でなのよ、電話代がもったいないじゃない。

「現実的なミズゴロウだな」
「そうアルね;」

うるさいっ!…あ、ごめんあんたの事じゃなくって同居人が…

「同居人というか居候だな」
「アル」

人の話に首を突っ込まないで!;っていうか細かい!;
まぁそれは置いといて。…うん、うん……は?何言ってんの?生活には不自由してないよ。大丈夫大丈夫w

「ただいまー…って流?!」
「電話してますよね…;」

ミズゴロウが電話で話しているのってそんなに珍しい事なの?綿花さん。…あ、気にしないで;同居人っていうかトレーナーよ。あ、あの女の子じゃないけどね。

―んで本題入ろっか。昔々あるところに……
……ごめん今ふざけた;昔々って言っても四ヶ月とかそこらだしね;

「誰と何の話してるの?」
「彼氏と待ち合わせ」
「え?!流さん…もうそんな人が…私も頑張r」

違うって!;ただの幼馴染みだって、誤解誤解!;

「幼馴染みから恋に発展するかも?」
「マスター。何かの漫画の影響受けすぎです…」
「頑張ってね流!応援してやるよw」

だからちがーう!違う、違うって!;…ってあんたも笑うなー!;他人事じゃないでしょー!

「ひゅーひゅーw」
「グッドラック」
「ニャーw」

…星闇まで……ちょっと待ってて。殺ってくるわ

『(ぴーんぽーんぱーんぽーん(ぁ)暫くお待ちください』


遅れてごめんねwとりあえず本題入りましょうか。


 んとね…何処から話していいのかしら、まず家出した話。
私、実は十人兄弟なの。その中でも末っ子でさぁ…色々ほっとかれたり比べられたり…まあ色々耐えてきたわけね。
んである日思いっきりブチ切れて。「こんな家なんか出てってやるっ!」全くよく言えたもんだと思わない?だってまだその時私五歳だったんだもの。

「…その時からもうませてたんだn」

んで行くアテもないのに家飛び出してさ。こんな家二度と帰ってやるもんか!って。今でも帰る気しないんだよねー…満足してるのかしら。今の状況に。

「満足して貰わなきゃ困りますよ。とっても」
「そうだね」

それから拾ってくれそうなトレーナー探してあちこちに行ってさ。色々なモノ見たんだ。見た事もないぐらい大きな岩とか、人間の喧嘩とか家族とか。
…でもね、ホームシックになることは絶対無かったよホントに。寂しくなんかない。私はこれで良かったんだって…何時も自分に言い聞かせてた。何でだろうね。
何日も何十日も何ヶ月も歩いてついにあの森にやってきたの。知ってるよね確か。…うん。…許される世界、ね。間違えて覚えちゃダメよw
辿り着いたときはもう私はぼろぼろだった。…そんな時に救いの女神が現れたんだよねw
ホントに感謝してる、あの人には。


 『君、どうしたの?』
サファイアブルーの綺麗な目に私の姿が映ってた。その脇には耳の先が白いイーブイ。
 『えっと……旅』
そんなたどたどしい言葉とかすれた声しか出なかった。声を出すのもやっとだった。
 『そっかw…一人旅だよね?』
 『うん』
にっこり笑って女神様(ぁは私に手を差し出した。分からなくて首を傾げる。
 『ウェル、連れていく気か?』
そう言ったのはイーブイ。この人は「ウェル」っていうらしい。
 『あったりーwどう…かな?』

 『も…もちろん!』
ぶんぶん縦に首を振って、今までたくさん見てきたモンスターポー…じゃなかったボールに入って、そんで一件落着今に至るって感じ。


―んでそれからは君も知ってるとおり。うん、何にも不自由してないよ。だーいじょうぶだって!君に心配されるほど私不幸じゃないもん。

 
…それじゃあね、バイバーイw


 「今回の電話で掛かった電話料…312円」
 「うそっ!?」
 「細かいなー…;」