モンスターボールの中での想い  作:てるてる 投稿日時:06/4/2


(通常、ポケモンはモンスターボールに入っており、そこで、自分の出番が来るのを静かに待っているものとされているが、
実際にはいろんなことを思っているらしい。
これは、ある日、カフェ店内にいるトレーナーのモンスターボールに入っている、とあるポケモンの想いである。)

・・今日も、てるてるはカフェ「パーティ」に足を運ぶ。
手にはモンスターボールを持って。

この、モンスターボールの中に、僕は入っているんだ。
そして必要なときに、ここから出される。そして、てるてるや、他の人にツッコミを入れたりする。
でも、それが出来るのはほんのたまーにで、それに少しの間。
だから、僕はいつも、モンスターボールの中。

《カフェのドアが開く音。誰かが来たらしい》

・・誰が来たのだろう?ボールの中じゃ、姿はわからないし・・。

「こんにちは、いつもお世話になってますw」

・・誰だろう、この美しい声は?僕の知っている人かな?

「あ、こんにちは、こちらこそお世話になっています」

・・お互い知り合いなのかな。じゃあ、僕も知っている人かも。
外に出たいな〜。でも、今日は出してくれなさそう。
じゃあ、声だけ聞いてみようか。・・うーん、ちょっと離れてて聞き取りにくいや。どんなことを話しているのだろう?

「では、そろそろ撤収しますね」

え〜、もう撤収なの?ちょっと話聞きたいよ〜。

「・・・お疲れ様」

おい、そこは引き止めるべきだよ。ほら、早く!
(懸命に体を揺らしてアピールするが、気付かれないようだ)

《カフェのドアが閉まる音》

・・あーあ、帰っちゃった。どうして帰るのだろう。もっと僕に聞こえるように話してほしかった・・。

「・・では、こちらもそろそろ撤収しますね」

え?あ?おい、ちょっと、待っておくれよ。こっちが帰るの?それはないでしょう・・。あーあ。

・・今度こそは、ボールからだしてよね。