カラスとポケモン達の日常1  作:カラス  投稿日時:08/12/4


〜静かな入り江〜

カラス「どうしたものかな・・・これ・・・」
僕は・・・カフェ「パーティ」から南にある入り江にやってきて、呟いた。原因は、手に持っている緑色をした薬が原因である。
この薬がどういうものかというと、どっかの博士が開発した「人を一日ポケモンに出来る薬」らしいが、もらった時にたまたま、仲間のレイ(キレイハナ♀)が持ち出したらしい。
捨てたくても、変に環境に影響を与えるといけないし・・・
僕が考え込んでいると、外にだしておいたレイとマリ(マリル♀)が・・・
レイ「どうしたの?」
カラス「ああ、これをどうするか、考えてたんだ・・・」
レイが聞いてくるので、僕は薬をレイに見せ、考えていた事を教えてあげた。
今思えば、ここですぐに捨てているか、教えなければ良かったのだが・・・
マリは、僕が考えていた事を知り・・・
マリ「なら、その薬の処理法、あたしに任せてよ」
カラス「いい方法があるのか?」
マリ「うん♪」
マリは笑顔で言ってくる。
まあ、いいかなと僕は思い、薬をマリに渡した。
それが、最大の間違いだった・・・

カラス「ほら、夕食できたよ!!」
レイ「わ〜い♪」
時は僕達の夕ご飯の時間に移り、僕がレイとマリの所に、ポケモンフードを持っていき、僕は自分の作った「カレーライス」を持っていく。
そして、夕ご飯を食べ始めて・・・
マリ「あ、そうだ!!カラス!!」
カラス「ん?どうした?」
マリが、突然声をかけてくる。
一体、どうしたのだろうか・・・?
マリ「あの・・・向こうに実の付いた木があるよね」
カラス「うん。あれがどうしたの?」
マリが指した方向には、確かに実の付いた木がある。
あの実がどうしたのだろうか・・・?
マリ「あの木に付いてる実ね、あたしの大好物なんだ。取ってきてくれないかな?」
カラス「なるほどね、分かったよ。待ってて」
僕は、マリに頼まれて、木に近づき、魔法で実を落とした。
そして、それをマリのところへ持って行き・・・
カラス「これだよね」
マリ「うん♪ありがとう♪」
レイ「わぁ♪私もちょうだい♪」
実をマリに渡し、僕は再びカレーライスを食べ始める。
そして、カレーライスを全部食べて、マリとレイが食べ終わるまで待とうとした時!!
カラス「く・・・」
突然、頭痛がして、意識が朦朧とし始めた。
僕はマリとレイに・・・
カラス「ごめん・・・すぐ戻るから・・・」
・・・と言って、すぐに近くの森に逃げ込んだ。
森に入ってすぐ、頭痛は酷くなっていく。
そして・・・
カラス「ぐ・・・何が・・・?」
ついに僕は気を失って、森の中で倒れこんでしまった。

「作戦大成功だね♪」
作戦・・・なんのことだよ・・・
「カラス!!起きて!!」
ん・・・?この声って・・・?
僕は、ゆっくりと目を開けて、周りを見渡した。
そこは・・・
カラス「あれ・・・?入り江・・・?」
そう。入り江に戻ってきていたのだ。
近くには、レイとマリもいる・・・
あれ・・・?どうしてこいつらと目線が同じ?
マリ「自分の姿を見てみてよ♪」
カラス「え・・・?」
僕は、マリの言われるまま、自分の体を見てみた。
すると・・・
カラス「何コレ・・・?」
僕は、呆然と呟いた。
手はピンク色をしていて、かなり短くなっている。足は黄色に変色していて、手と同じく、かなり短い。体は、ピンク色の部分と黄色の部分があり、縮んでしまっている。
これって・・・まさか・・・
僕は慌ててマリの方を見た。マリの手には・・・
カラス「ポケモンになる薬・・・?」
マリの手には空っぽのフラスコ。
あれは、昼に処分するいい方法があるといって、僕がマリに手渡した「ポケモン化の薬」があった。
なるほど・・・
カラス「処分のいい方法って・・・コレ?」
マリ「うん。でも、なかなかカラスは飲んでくれないだろうと思って、カラスが木の実を取りにいってる間に、カレーの中に混ぜといたんだよ♪」
カラス「・・・・・・」
僕は、呆然として声すら出なかった。
まさか・・・全て仕組まれていたとは・・・
そんな僕に・・・
レイ「私、カラスがポケモンになったら、どうなるか楽しみだったんだ。カラス、その姿、とっても可愛いよ♪」
マリ「うん♪」
レイは陽気、マリは無邪気だったよね・・・性格・・・まあ、合ってるわな・・・
僕は、ショックでぼぉっとしながら、そんなことを考えていた。
そして、ようやく・・・
カラス「僕って、何のポケモンになってるの?」
ショック状態からちょっと抜け出して、レイとマリにそのことを尋ねてみた。
一応聞いておかないと・・・
レイ「カラスね、今はチェリムになってるよ」
チェリムって・・・アレか・・・けど・・・?
カラス「チェリム・・・?チェリムって、晴れてる時以外はつぼみ状態じゃないっけ?」
レイ「うん。けど、カラスは夜でもつぼみが閉じないみたい。まあ、元々は人間だもんね」
レイが、笑顔で教えてくれる。
本当に陽気だな・・・この子は・・・
僕はそんな事を考えながら、どうするかを考えていた。
すると・・・
マリ「折角ポケモンになったんだから、遊ぼうよ♪」
カラス「ええ!?ちょっと・・・」
マリに引っ張られていき、僕はそのあと、ポケモンとしてレイとマリと一緒に遊んだのだった。
戻った後が大変だったけどね、まあ、たまにはそんな体験もいいかもね♪

追伸
あのあと、一時間くらいで、僕は元の姿に戻りました。
きっと、薬が不完全だったのか、どうかは知りませんが、今はホッとしています。
そして、いつか、あの博士に攻撃魔法の雨を降らせてやろうと、今は魔法練習を頑張っています。
カラス「あの博士、絶対に倒してやるからなぁ!!」
レイ「凄く燃えてるね、チェリムのままだったら、今頃燃え尽きてるかも・・・」
マリ「・・・・・・(汗」

〜カラス達がいるところから、かなり遠いところ〜
デイル「ううむ・・・一時間で元にもどってしまったか・・・効果の見直し、持続時間の延長を試してみるかの・・・」
デイル博士は、望遠鏡でカラス達の行動をみたあと、自室に戻っていきました。
どうやらまた実験をしているようです。
まあ、また来たら、攻撃魔法の雨を降らせばいいのですから、問題ないでしょう。
何がともあれ、ひとまずめでたし。

END