約10年後の補足あとがき。


このたびは長編連載小説「purelight」に最後までおつきあい頂きまして、誠にありがとうございます。

……という出だしのあとがきには最終話を読まないとたどりつかないのですが、
今更になって、その隣にこんなページを添えました。
読む人がいるのかという疑問もありますが、Web上に公開している以上決してゼロではないので、
年月が経過したために生じたいくつかの問題を捕捉して補足します。


目次ページの一番下にもばっちり書いてますが、この物語は2003年までの2年間に書かれた話です。
書き手としても人間としても未熟な点が全編にわたって満載となっております。
化屋12周年に伴う整頓作業の一環としてレイアウトの大修正は行いましたが、
ここまで長く、しかも人目にさらして家族以外から賞賛をもらった初めての“小説”ということで、
結局中身は一切手を加えることができませんでした。
本当は培った人生経験だ何だというのをまとめて全面リメイクでもやりたいところなんですが、
多少リアルになったところで、フレッシュさと勢いに勝るオリジナル版を超えるものはきっと書けないでしょう。

特にキャラクターが、とても評判がよかった。
ど素人が人気なんて狙ったって獲れないですよ。いいキャラの誕生に巡り会えたことには感謝の限り。

さて、当時は他の物語も同時進行でいろいろ考えては作っていく活発な時期で、
こっちのクライマックスの内容がまとまる前に「DROPOUT」の序盤が形になっていたような状態でした。
しかもこの「purelight」は当初、もっと大きな物語の“前日譚”にするつもりで描いていたので、
そのための伏線もいろいろと盛り込んでおりました。
特に終盤に微妙な場面が多いのはそのためです。
ところが、結局そっちは大筋こそまとめたものの文章力と執筆ペースと気力が追いつかず、
「DROPOUT」完成の裏で未完のままお蔵入りとなりました。
何事もほどほどが一番ですね。

当時はこの先も自分の世界で文章を書いてるんだろうと思ってました。
その展望は一年後に見事ひっくり返されました。
表現の形は少し変わりましたが、作ることは、今もやめていません。


改めて、最後まで読んでくださった皆様に、心より感謝いたします。

Rista  2012年2月19日


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