9月5日 破られた封印  編集:Rista


<捜索編>

phase shift(シフト)「オモイカネ、第一種警戒態勢、Gブラストカノンスタンバイ、照準はこっちによこしてくれ。」
テツ「・・・・危険物?」
カフェの治安維持システムであるオモイカネ(思兼)を動員するシフト。彼もまた事情を察していた。
ルイラ「後は誰かの足跡がその近くに。」
トビウメ(シフトのハッサム♀)「オモイカネ、過去の監視データをまわして・・・」
ルイラ「・・・で、この杖どうする?」
ミッピ「見せてもらっていいか?」
ルイラ「あー、うん。」
ルイラは素直に杖をミッピに渡した。するとミッピは杖を調べ始めた。
同時進行でオモイカネが監視カメラのデータから「問題のシーン」を探し出し、再生を始めた。

 〜ログin散歩道〜

その日の朝。
封印の杖がある場所に現れたのは一体のジュカイン――Ristaのカインだった。

カイン「マグ姐が考えそうなことといったら……やっぱり、ここかな。」
彼は周囲に気配がないことを確かめると、
カイン「誰もいない今のうちに……」
地面に刺さった白い杖に手を掛けた。
カイン「本当は自分の手でやりたかったんだろうけど、あれだけ執拗にマークされてたら無理だ。だから……」
両手に力がこもる。
カイン「俺が代わりに復讐する。」
そして杖を地面から勢いよく引き抜くと、それを適当に放り出し、立ち去ったのだった……

 〜ログ終わり〜

トビウメ「・・・・カインさんです;」
ジャックル(通信)『カインだと!?そういえば奴の姿もない……』
ミッピ「・・封印の効果が・・切れた訳ではないな。」
てんなな「じゃあカインさんが引き抜いた・・?」
シフト「獅子身中の蟲か・・・」
テツ「ってなんですか?」
シフト「よーするに裏切り者ってこと・・・」
ライ「裏切り・・ねえ;」
Rista「彼はノーマーク……完全に私の負けですよこれは……(頭抱え」
ルイラ「この杖、そんなに大変なものだった?」
トルク「・・・らしいね」

バクフーン「喉乾いた・・・・」
ポッター「ちょっとは静かにしなよ・・・・ったく・・・」
ルイラ「何?何があったの?」
ルーチェ「黙ろうねー(根性で復活。」
ここでポッターとバクフーンは用事があると言って帰っていった。

エリス「あの二人とS氏との間に接点ってあったんですか?」
Rista「あるとすれば一度……誘拐事件の時に。」
テツ「へぇ」
エリス「ふーん・・・その辺は本人たちから聞いたほうがよさそうですが・・・」
シフト「その前にS氏だよな・・・まだ出てきた形跡は無いんだよな?」
トビウメ「今のところ周囲の地面の色が変わったくらいで大きな動きは見当たりません。」
てんなな「・・他の場所は?」
トビウメ「・・・!温泉にログが残ってます・・・映像に出します。」

 〜ログin温泉〜

森に棲む者、訪れる者の憩いの場となっている1つ、温泉。
そこにマグダレナ(Ristaのチャーレム♀、以下マグ)が来た。

マグ「ここで待ってろって言われたから来たけど……どういうこと?誰もいないじゃない。」
彼女はしばらくたたずんだ後、
マグ「ま、しばらく待ってるか……」
温泉に身を浸した。

そこへカインが、何かを引きずるように運びながら現れた。
カイン「あ、いた。」
マグ「……!!これ……」
カインが運んできたものを見たマグは思わず立ち上がった。
人の形をした何かは湯煙にぼかされ、モニターにははっきりと映らない。
カイン「身体が乾ききってる。水分が足りないのかも」
マグ「だからって……」
運び込まれた何かを二人がかりで温泉の中に沈めると、ふたりは自分たちも温泉に入った。
マグ「……これで復活するの?」
カイン「いや、一応死んでなかったから。」

しばらくして、温泉の中から泡が立ち上り、誰かが跳ね起きるように顔を出した。
?「……!」
カイン「あ、起きた」
マグ「……大丈夫か!?」
顔の見えない誰かを助け起こすマグ。
?「……ここは……」
カイン「温泉。2ヶ月近く森の中に封印されてて、さっきようやく土の中から掘り出したんだ」
?「そうか、もうそんなに……奴はどこだ?」
カイン「カフェにいるはず。でも、今は行かない方がいい」
マグ「動けるようになったならもう大丈夫だな。行こう、見つからないうちに。」
ふたりは浮き上がった誰かを両脇から支え、温泉を離れてどこかへ消えた。

 〜ログ終わり〜

せつな「マグダレナさんとカインさん・・・;」
テツ「・・・・・・(しばし熟考」
せつな「・・・見た感じ・・・、カインさんですか、計画したのは;」
エリス「でもジャックルさんはマグさんをマークしてたんですよね?なんで温泉で合流した際に気づかなかったの?」
Rista「……合流してたんですか」
確かに見失ったとも聞かないのに気づかないのは不思議としか言いようがない。
エリス「今も三人で仲良く潜伏してると思われます。」
ジャックル『温泉?そういえば今朝、パフィーと一緒に行ったと聞いたが……』
Rista「……そのパフィーは?」
ジャックル『帰宅していない。マグ達を追っている可能性もある。』

思兼【温泉のログから彼らの生体反応をトレース、それを元に捜索を開始します。】
せつな .。oO(・・・高機能だ・・・(´A`)(ぁの)
イヴ「一応全員にグローリーバズーカを渡しときます、むやみに撃たないでくださいねw」
テツ「あぃ」
せつな「・・・幽霊用・・・でしたっけ?」
エリス「S氏には効果抜群らしいです、今もあの当時のままならの話ですが・・・」
せつな「了解で(受け取る(ぉ) ・・・一応張っときますか? 温泉とかを。」
思兼【もっともカフェに被害の及ばない手法として、Gキャノンを用いた、向こうの射程外からの遠距離の奇襲を提案します。】
テツ「奇襲も確かに手でしょうね」
グローリーバズーカについては第1部第15回を参照。Gキャノンはそれの改良型らしい。(ぇ

ナイツ「でもさ、あいつら絶対ここに来ると思う。」
エリス「それはそうでしょう、ある程度体勢を整えたらこちらを狙ってくるでしょうね」
ナイツ「それもあるけど、態勢整えるには……杖を取り返さないと、って思うだろ?」
ルイラ「・・・杖?さっきの白いの?」
せつな「あぁ、ルイラさんが・・・拾ってきたんでしたね;
    さすがにポケ2匹で常連陣相手は不可・・・となると杖が必要不可欠・・・、杖をどうします・・・?」
テツ「じゃあ杖を異次元保管は・・・・・・・(ぇ」
ルイラ「・・・ボク持ってていい?(無理ー」
イヴ「・・・破壊する?」
Rista「……もともとの持ち主に返してきますか。」
テツ「持ち主?」
エリス「S氏じゃないんだ・・・」
せつな「・・・セラさんですか?」
Rista「セラ曰く、Hさんから奪ったと。」
エリス「懐かしい名前ねえ;」
せつな「・・・そのHさんのところにS氏がまた杖を奪いに行くって事は?(ぇ」
Rista「……あり得ます。」
せつな「・・・奇襲の警戒も杖の保護も怠るな、ですか(ぉ」
イヴ「やっぱり破壊して使い物にならなくするしか?(待て」
ミッピ「・・無力化させりゃいいと思うが。」
てんなな「・・できるか?んな事;」

しばらくして、オモイカネのアラームが鳴った。
思兼【データと符合する反応あり・・・、主砲の射程内ですが、どうしますか?】
テツ「様子を見たほうがいいのでは?」
ミッピ「・・同意。」
ルイラ「・・・ボクも賛成ー。」
ミッピ「むしろ、そのまま見張ってた方がいい。」
てんなな「・・無駄に軍人・・(待」
テツ「居場所は?そのデータと符合する反応の」
思兼【座標340、258、映像に出します。】
Rista「というか、3人まとまってなのでしょうか?別行動を取っている可能性もありますが……」
思兼【今はまとまっているようです、パフィー氏の行方は目下捜索中・・・】
せつな「・・・別れたら・・・、警戒強めたほうがよさそうで。」
Rista「……ナイツ、一応温泉周辺を見てきてください。」
ナイツ「へーい……」
テツ「了解」
ナイツが出て行った後、何故かテツが後を追った。
エターナル「・・・・あいつ温泉で一旦待機するって」
てんなな「・・もう温泉には行かないとか思ったり(ぇ」
ミッピ「隠れる場所としては良くないだろうし。」
ライ「てか、場所分かってるならそれでいいんじゃ?(ぁ」
せつな「・・・どう出るんでしょうかねぇ・・・;」
ここでルーチェ達は帰宅することとなった。


その頃、温泉では……

テツ「敵は居るかな?」
どういうわけか先に来たのはテツだった。
まずは散策開始。しかしそれらしき気配はない。
テツ「・・・・・・・ここで少しまってようかな」
そこへようやくナイツが来た。
テツ「お、ナイツさん」
ナイツ「しょうがねぇなー……って、なんでテツがいるんだよ。」
テツ「えっと、ここで待機してみようかな・・・・と」
ナイツ「別にいいけどさ、そこ動くなよ?せっかくの足跡が潰れるから。」
テツ「は〜い」

ナイツ「えーと、家から直でここに来る道はこっちだから……」
奥の方へ歩いていく。ナイツの後をテツもついていった。
テツ「そっちですか・・・・何か居ます?」
ナイツ「だからテツは動くなよ、オレより足でかいんだから!」
テツ「大丈夫。跳んで移動してますから」
瞬間移動で歩幅を稼いでいるらしい。
ナイツ「分かったよ……あ、あった、マグ姐とパフィーの足跡。温泉の方へ来て……ここで止まってる。」
テツ「へぇ」
ナイツ「何だ?パフィーのだけここで途切れて……強く踏み込んだ跡……足はこっちに向いてる……?」
テツ「う〜ん?」
そこへファミリア(シフトの手乗りミュウツー)がいきなり現れた。
ファミリア「要するにジャンプしたってことじゃないの?」
テツ「おや」
捜索隊がひとり増えたことをさして気にせず、ナイツは近くの草むらに分け入っていた。
ナイツ「……パフィーはノーマルタイプ、マグ姐は格闘タイプ、効果は抜群っと……」
テツ「 ふむ・・・・」
ファミリア「・・・制止しようとして蹴り飛ばされたのかな?」
ナイツ「……草がなぎ倒された跡が……ここにも……」
どんどん奥へと進んでいく。
そして、
ナイツ「 ……あっ!パフィー見っけ!」
声を上げた。
ファミリア「だいじょうぶですか〜;」
ナイツ「……ふぅ。木の根っこが張り出してるところに挟まって動けなくなってた。」
戻ってきたナイツはプクリンの後ろ足を持って引きずっていた。
ナイツ「やっぱマグ姐に蹴り飛ばされたの?」
パフィー「…………は、はい……(涙目」
ナイツ「……別に目立った怪我もないし、戻ろっか。」
ファミリア「ですねw」


せつな「あっちが動かないと・・・こっちも動きようが無いなぁ・・・(ぁ」
こちらはカフェ。残った常連達がやきもきしながらモニターを見ている。
せつな「・・・ぁ、パフィーさん・・・;(モニター見」
Rista「……見つかったみたいですね。」
せつな「・・・思兼さん、あの3名はどうなんでしょうか?」
思兼【まったく動きませんね・・・デコイの可能性も考慮したほうがよさそうかも;】
デコイとは要するにおとりの事である。
てんなな「・・見つかったと思っていないだけでわ?(ぁ
     何か話し合ってるとか・・(モニタを見る」
そこへテツ達が戻ってきた。
テツ「思兼さん」
思兼【はい?】
テツ「今発見してるの意外に他の場所も見れますか?映像で?」
てんなな「・・・。」
ミッピ「微妙だな・・;」
テツ「一応他にも目視等で確認はしていった方がいいかと」
思兼【大丈夫です、どうぞ】
するとテツの周りに大量のディスプレイが展開された。
テツ「うひゃあ(ォィ」
驚きながらディスプレイを見回すテツ。
思兼【向こうにマグさんとカインさんがいる以上、私の存在も向こうには知れているでしょう、】
テツ「でしょうね」
思兼【映像を差し替えられている恐れもありますので留意しておいてください】
てんなな「・・う〜ん。」
テツ「思兼さんって感知できない事や状況ってあります?」
思兼【この世に完璧な事象など存在しません】
ミッピ「・・あってたまるか。」
ライ「・・でもどうするの?そんな事聞いて。」
Rista「……カインがS氏らしき人物を封印場所から引っ張り出したことを、先ほどトビウメさんは確認できなかった……」
テツ「それでは参考になりません」
意見を聞いたテツは断言すると、何故か忍者装束に着替えた。
テツ「じゃあちょっと森の辺りを偵察してきますね」
そして無音でその場を去った。
ナイツ「いるよな……何事も自分の目で確かめないと気が済まない奴」
ミッピ「・・信用してないと言うのか・・納得できないと言うか。」
思兼【でもここでモニターしてるよりは確実と思われます】
てんなな「・・どっちにしろ、こっちから仕掛けても・・」
ミッピ「分断されるかもな。(ぁ」
せつな「・・・動かないなぁ・・・(←微妙にじれ気味(ぁ」

ミッピ「・・問題の奴はまだ動かないのか。」
てんなな「・・どういう意図で封印を解いたんだろう・・。」
ヨール「・・・(散歩道に気配。)」
ライ「見てくる。」
ヨール「・・・(オモイカネさん。散歩道を映して下さい。)」


まだまだ続きます。