9月17日 闇を切り裂く悲鳴! 秋の納涼騒ぎ?(前編)  編集:四面楚歌


 森に夜がやってきた。
 その奥にあるカフェ「パーティ」では、今宵もちょっとした騒ぎが起きようとしていた……。



 その夜、カフェにいたのは、phase shift(以下シフト)とてんなな、
 そして緑翠ルーチェ(以下ルーチェ)とせつなであった。

四面楚歌「大丈夫か?; ルーイさんいたりしないか!?; ホントに大丈夫か!?;(何」

 そのとき、なにやらつぶやきながら四面楚歌(以下楚歌)が来店した。

てんなな「こんばんは〜。」
せつな「こんばんは〜」
ママルバーン「こんばんはw」

 シフトに代わって挨拶したカイリューのママルバーンの傍らには、なぜか吸血鬼らしき人物がいた。
 この人物についてはまた後で……。

ゲンキ「ルーイなら来てたりしてこんばんわー♪」

 言ったのは、ルーチェのライチュウのゲンキだった。
 主人のルーチェは何があったのか、床に倒れて気絶していた。

楚歌「え、いましたか; ま、まずい……;」
ゲンキ「ご要望があるなら呼び出してもいいわけで・・・w」
てんなな「Σ(゜д゜lll)

 ゲンキの言葉に額から汗が吹き出しはじめる楚歌。
 そしてゲンキが1個のモンスターボールを持ち出す後ろでは、てんななが逃亡体勢をとっている。

楚歌「い、いや、呼ばない方がいいかと;」
血桜「ルーイがどうかしたのか?」

 シフトの愛刀、「血桜」の声がした。
 しかし今はなぜか、吸血鬼の姿になっていたのである。

せつな「・・・楚歌さんとルーイさん、何かあったんですか?(ぇぁ」

 せつなも不思議がっている。

楚歌「今日もリアがいるんですよ…;」
リア「こんばんは〜w」

 楚歌の腹から浮き出るようにして、ゲンガーのリアが飛び出してきた。
 彼女はモンスターボールに入るのを嫌がっており、楚歌の体内に常駐してしまっているのである。

楚歌「えっと、リア、ちょっと散歩にでも行ってきたら?;」
リア「えー、なんで?」
せつな「・・・あぁ、なるほど(ぁ>リアさん」
血桜「吸血鬼は平気なのかな・・・
ゲンキ「(ニヤリ)うーん、分かったわー♪」

 ゲンキは何を思ったか、ボールを持ったまま店の外へ出た。

ゲンキ「そして走るは散歩道ぃー!(ダッシュ。」
楚歌「あ、ゲンキさんは行っちゃいましたね…; 何を企んでるんでしょうか;」
血桜「よっしゃw(煙に変身して散歩道へ)」

 さらに血桜も後を追った。

てんなな「・・・;;;」
ミッピ「怪しい・・・。」

 てんななの見張り役を務めるミッピがつぶやいた。




ゲンキ「・・・れっつごー、ルーイ!」

 散歩道に着いたゲンキは、キノガッサのルーイをボールから呼び出した。

ルーイ「・・・? ゲンキさん、何か用ですか?」
血桜「(煙状態)活きのよさそうなのが二匹・・・w」

 やや遅れて血桜も到着した。
 しかし、ゲンキ達が彼に反応することはなかった。

ゲンキ「ビビ、行けっ!」

 ゲンキの声に応えるように、突如ルーイの影からムウマのビビアンが姿を現したのである。
 「夜の森の中で影はできないのでは?」などというツッコミはご遠慮願いたい。

ルーイ「・・・え・・・・・!」
ビビアン「・・・・」


ルーイ「おー化ーけーだーぁ!(猛ダッシュ。」

 ルーイは悲鳴を上げてカフェの方角へ走り出した。
 これまでの物語を読んできた方々なら、この行動の理由はおわかりになるだろう。

血桜「一匹逃げたか・・・まあいい、先にこっちからだ・・・」
ゲンキ「・・・作戦終了! さ、帰るわよ!」
ビビアン「・・・(とりあえずついていく」
血桜「・・・。しょーがねーなあ・・・;」

 ものの見事に無視されてしまった血桜は、カフェへと戻っていくゲンキとビビアンの後を追うのであった。




拓也「こんばんは。」

 カフェでは拓也が来店していた。
 挨拶を返す常連達。

ママルバーン「こんばんはw」
てんなな「と、こんばんは〜。」
ヨール「・・・(もの凄く嫌な予感が・・)」

 散歩道の方角を見ながらてんななのサマヨール、ヨールは考えていた。
 そしてその予感は、見事に的中してしまったのである。



ルーイ「嫌ぁぁぁぁぁーっ!

 絶叫しながらルーイが走ってきた。

てんなな「▼ てんななは即座に逃亡した!

 これから起こる騒ぎを予測したのか、そんなことを言いながら、てんななは外へ飛び出した。


ルーイ「嫌ぁぁぁーっ!(一気にドアを開けて入ってくる→倒れこむ」
せつな「・・・Σ ルーイさん?;」
楚歌「う、うぉわ!; リア、隠れて!;」
リア「今度はなに〜?」
てんなな「・・・;;(←外。」
拓也「何かあったんですか?」
せつな「・・・ルーイさんが幽霊を見て暴走してます(ぉ>現在の状況」

 突如店内が慌ただしくなる。

ルーイ「・・・お化け・・・お化けが・・・・・!(リア発見。」

 顔を上げたルーイの目に、楚歌の近くに立つゲンガーの姿が映った。

楚歌(お、遅かった……;)
拓也「…お化け…ですか…(汗」
てんなな「・・あ〜・・(←外。」
ライ「・・まさか・・;;(逃亡用意?」

 主人の動向に、ライチュウのライが冷や汗を浮かべてつぶやく。


ルーイ「あ・・・・あ・・・・嫌ぁぁぁーっ!

 ルーイの悲鳴が店内に、そして夜の森にこだました。

リア「ちょっと! ヒト(?)を見て悲鳴あげるなんて失礼じゃない!」
楚歌(そういう問題じゃない…;)
ルーイ「来ないでぇぇーっ!

 完全に理性が崩壊したパニックに陥ったルーイは、キノコの胞子を辺りにバラ撒き始めた。

ママルバーン「あーあ・・・始まっちゃった;」
せつな「アグニー(ぉ」
アグニ(せつなのブースター)「何だ、バトルか?w」
ルドラ(せつなのシャワーズ)「・・・せいぜいヘマをなさらないように・・・。」
ファッツ「とりあえず粉ごと燃やすか? アイツ・・・」

 シフトのリザードン、ファッツが口走る。

シフト「この状況でやったらカフェ中火の海だって;」
ライ「・・眠・・(外へ。」
楚歌「うわ、粉が……Zzz……(寝」

 キノコの胞子は、常連達に確実に被害を及ぼしていた。


ファッツ「んじゃ・・・」

 ファッツは手近なところの胞子に、先端に炎が燃えている尻尾を近づけた。
 次の瞬間、炎は一気に燃え広がり、床を包んだ。

リア(あたしには効かないけど…。っていうか、すでに死んでるからね、感覚なんかないし…(苦笑)
せつな「・・・目標のみ焔の矢で撃ち落とします?(←水のバリアで無事(ぉ」
拓也「(濡れタオルを口と鼻にあてる)」
ミッピ「・・燃やしていいのかよ。」

 そう言うミッピは普通に座っている。

ヨール「・・・(・・そういや僕もお化けの類か。(ぉぃ)」
リア「(って!; あたしは平気だけど楚歌が!;)(楚歌の体内に入り込み内側から揺さぶる」
楚歌「……はっ!?;(目覚める」
拓也「あ、落ちます。」
てんなな「と、お疲れ様でした〜」

 混乱のさなかに拓也は帰っていった。


ルーイ「・・・・ヒィッ!?(炎を見て後ろに飛びのく」
ファッツ「粉出しっぱなしだと体に引火するぞーw」
楚歌「ルファリー、ティンさん、消火活動願います!;」
ルファリー「ほいほい、了解〜♪」
ティン「は、はいぃ〜;」

 楚歌は店の奥に向かって叫んだ。
 出て来たのはルンパッパのルファリーと、ヌマクローのティンだ。

ルファリー「それそれ〜〜〜っ♪」
ティン「ふぇぇ〜〜〜…;」

 ふたりはバケツに水を汲み、辺りに撒くのであった。

ミッピ「・・なんだかな。(ぁ (←それでも平然と座っている(ぇぇ」


 とにかく、こうして火は鎮火した。

楚歌「……というわけだからリア、ちょっと席をはずしてくれない?;」
リア「は〜い…」

 リアは楚歌の体から出てくると、散歩道の方へ姿を消した。
 入れ替わるように、店の外に逃亡避難していたてんななとライが戻って来る。

ルファリー「ん、そろそろいいかな♪」
ライ「・・この後って・・粉の片付け?(ぁ」
楚歌「粉が水で微妙に湿って……; はい、自分のせいですm(_ _;)m」
ルファリー「はいはい、雑巾で拭くから心配しなくてよーし♪」
ルーイ「・・・・(まだ目をつぶっている」
てんなな(まあ、さすがに粉は止まっているか・・(ぇ)
ルーイ「・・・・!」

 怖がりのルーイはようやく目を開けた。
 そこにママルバーンが優しく声をかける。

ママルバーン「・・・大丈夫?」
ルーイ「・・・・(うなずく」
ママルバーン「よかった・・・;」


ママルバーン「んで・・・お化け勢は全員撤収したの?」

 ママルバーンは、水をかぶったルーイの顔を拭きながら周りを見回した。

ビビアン「・・・(素早く入ってルーイの影に滑り込む。(何」
血桜「zzz・・・(実体のまま寝てる)」
楚歌「すみませんルーイさん、リアにはよく言って聞かせますんで;」
せつな「・・・と、落ちます;」
ママルバーン「おつかれさまでしたw」
せつな「ではでは〜」

 騒ぎが収束したところでせつなは帰っていった。


後編へ続く。