3月2日 突然の別離……別れの刻まで、あと2時間!(前編)  編集:P


3月2日、午後9時頃。
最近のカフェが最もにぎわう時間帯であるこの頃は、今日も多くの客でひしめいていた。

緋色 「てーい。」(Wiiリモコン振り回し
ケセルダ「ちょ、暴れんn(ゴッ、とヌンチャク直撃(…」
ヴィジター 「・・・危険行為〜;」
クリン 「・・・・;」
緋色 「こんばんはでぇ皆さん。…アレですぜ、Wiiリモコンってのは人にぶつける為にあるようなモンでさぁ。」(ねーよ
ヴィジター 「ない、ない; むしろ逆だろ、注意書き的に。」
デューク 「ちょっと違うぞ緋色。「ヌンチャクは人を殴って遊ぶ為のようなもの」だ。」
緋色 「人間は世間の流れに逆らって生きてく方が強くなれるモンだと思いませんかい。(…>注意書き ……こんばんはですぜ。」
ナイツ「おいおいおい;」
ヴィジター 「そこも違う;」

続けて入店して来た緋色とデュークに各人のツッコミが殺到。どちらが正しいのかは利用者にお任せします。(何

銀翼 「(少し考えて)・・・憧れ・・・ですね。」
レントラー? 「…質問が難しかったかな? …貴様は何を手に入れたいか。なんだが?」>銀翼
銀翼 「そうでしたか・・・。 別の世界の知識が欲しいですね・・・。 」
レントラー? 「知識か。3、汝、それをてに入れるために、代わりに何を奉げる?」>銀翼
銀翼 「困っている者には慈悲を・・・。 そして・・・命を奉げますよ・・・・」o0(境を守る大きな仕事だから・・・・)
レントラー? 「慈悲に命、か。4、汝、何を掲げる?」
銀翼 「・・・平穏を掲げますね・・・・。」
レントラー? 「平穏か。…5、そのために何を排除する? 」
銀翼 「平穏を脅かす敵を排除します・・・。 」
レントラー? 「…脅かす敵、か。 6、汝、この世界に何を求める? 」
銀翼 「・・・賑わいと明るさ・・・ですね。」
レントラー? 「賑わいと明るさ。…ふむ。…最後の質問。汝、何の加護を望む? 」
銀翼 「仲間・・・・ですね。」
レントラー? 「仲間、か。…質問終了。」
銀翼 「・・・・はい。」
レントラー? 「…さて、今の質問は参考とし、後日、試験を行なう。良いな?」
銀翼 「はい・・・・分かりました。」
レントラー? 「試験の曜日については後日通達する。…ちなみに、それまで貴様の行動は見られていると思っておけ。」>銀
銀翼 「・・・分かりました。」 

その隣では、奇妙なレントラーと銀翼が話し合っている。
面接試験か何かをしていたらしく、一方的質問形式だが。


スプリット 「今晩は、皆さん!」

……そこに、スプリットが入店。いつものギターに麦わら帽子の格好は変わらないが、見慣れないデンリュウを3匹連れていた。
3匹の内2匹はサッカーの審判のようなフラッグを持ち、残った1匹は、紅い『1:50』と書かれた電光掲示板を持っている。

ヒロ「……。(スプリット見、デンリュウ達見)………。(見なかったことにした!(待」
シルウィン「(どこからか飛んで来て、天窓から様子を見ている!)」
秀也 「あ、さらにいらっしゃい;」
スプリット「……?」

スプリットが入店してから、秀也の持つMBのひとつがガタガタと揺れ始める。
そんな様子を見て、不思議そうに首を傾げるスプリット。

秀也 「・・・あー、はいはい;」(ボールからグドーが出てくる)
グドー「スプリットぉ!いつ勝負するんだ!」(何

揺れるボールから出て来たのはグドー。
彼は以前、スプリットとバトルをする約束を交わしていた。
しかし、スプリットは苦笑しながら言葉を返す。

スプリット 「あー……(グドーに苦笑を浮かべて)……ゴメン、約束は守れそうに無いや。」


拓也 「こんばんは。」
ティン「いらっしゃいませ。」

ここで拓也が来店。
いつも通り、挨拶は省略させて頂く。


グドー「何だと、お前それでも男かよ!」
秀也「・・・諦めなよ;あ、こんばんはー」

スプリットの様子にいらだつグドーだが、トレーナーである秀也が制止した。
そんな二人を見て、他の客もスプリット達の様子に興味を示す。

リヒト「・・・というか、何かやるのか?どう見てもライブの準備だが・・・」(スプ見て
シラユキ「(ギター見)ミニライブでもするんですか?」

数人は連れのデンリュウが彼のバンド仲間だと思ったらしく、ライブについて尋ねている。

スプリット 「……いや? 別にやらないけど;(苦笑して)2時間くらい、此処ならあっという間に過ごせるかな……って。(ちょっと苦笑して)」
シラユキ「そうなんですか・・・(戦争の合間に時間ができたのかしら)」
グドー「・・・2時間?お前・・・」
緋色 「(デンリュウ達見て、スプリット見) …スプリットの旦那ぁ、2時間後に何かあるんですかい?」

彼の言う「2時間」に数人が引っかかりを覚えたらしく、中には怪訝そうに聞き返すものも居る。
その側で、彼が連れて来たデンリュウ達はコーラを頼んで飲んでいた。
…時折、スプリットを観察するような目で見たり、何かしらの協議を交わしたりといった妙な行動も行っていたが。
そんな彼らをかすかに警戒するような目線が天井から注がれていたが、皆それぞれの話に忙しく誰も気づく様子はない。

雷樹「うぃー、ばんはっすー!」
渚「……まったく、元気ええのぅ;」

ここで雷樹達が来店。
いつも通り、挨拶は省略。

秀也「・・・トレーナーと運命を共にしようとするポケモンの心意気ってすごいですよね・・・」
クリン「ん・・・?(デンリュウ見、話をきいてみようと)」

クリンは話し合うデンリュウ達を見て興味を持ったのか、話を聞いてみようとした。
その直後、鋭い音が店内に響き渡る!


デンリュウ1「……!(クリンに、首から下げてたホイッスルを短く、勢いよく吹いた! 同時に、イエローカードをクリンへ!)」
グドー「な、なんだなんだ?」(デンリュウたちを見て
クリン 「・・・え?」

音の発信元は、デンリュウの一匹が持っていたホイッスル。
それと同時にクリンに向けて掲示されたイエローカードに、数人が目を丸くする。
その驚きも冷めやらぬままに、スプリットの次なる言葉が店内にさらなる衝撃をもたらした。


スプリット 「人生の総仕上げ。 ……とりあえず、此処に来たのは良いんだけど……ダメみたい。」(緋色へ首を振って)


総仕上げ。
その言葉は、はっきりと全員の耳へと伝わった。


シラユキ「(デンリュウを見てスプリットの言葉きき)総仕上げ・・・?」
セラフィス「(電光掲示板見つつ)…タイムリミットとでも言うのかね。まさかね。(外に目を戻し」
緋色 「総仕上げ……ダメって、どういう事なんです…?」
グドー「・・・その時間の前に一回戦えないのか?」
秀也「無茶いうなよ;」

総仕上げ、の言葉に困惑する一同。
憶測を言う者や意味が飲み込めない者、希望を通そうとする者など反応も様々である。

スプリット 「何をすればいいのか、正直自分でも良く解ってないなーって思っただけ。」

言い切って、苦笑を浮かべるスプリット。
そんな様子を見て、ポケマニは静かに問いかける。

ポケマニ(1175) 「スプリット。今日は全員来ているの? 」
スプリット 「……?(ポケマニに振り返って)シロ以外は、皆来てるよ。(背中越しにデンリュウを親指で指して)彼らを連れて、ね。」
ポケマニ(1175) 「・・・そうか。此処も、寂しくなる・・・な。
緋色 「(チラ、とモニター見て、スプリット見) ……旦那…。」
ケセルダ「…?…?;」
クリン 「なるほど・・・。人生のロスタイム・・か。」
シラユキ「…(何かを考えている)」


この頃、モニターの向こうの広場ではルーティとバロンが戦闘を繰り広げていた。
……そしてその戦闘を、スプリットと同じようにデンリュウを連れたクロ達が観戦していたのだ。


スプリット 「とりあえず、此処に行こうって事になって。でも、結局此処に来たら、何をすればいいのか、良く、解らないや……。」

スプリットの浮かべた苦笑は、次第に泣きそうなものへと変化して行く。
そんなスプリットを見て、ヒロが呟いた。

ヒロ「……バトル、やったら?>スプリット」
スプリット 「(ヒロに首を横に振って)……いいよ。 今、広場で先客がバトルしてるみたいだし。(チラリとモニタを見て)」
ヒロ「バトルは広場でしかやっちゃいけないなんて誰が決めたわけ?」

グドーとのバトルの約束を果たせ、と暗に言うヒロ。
だが、あいにくモニタで確認できる場所はこの時点でほぼ全て埋まってしまっていた。


愁海棠「(コーヒーを飲み干し)1/10レジギガスケーキとミックスオレを。 」
秀也「な、なんですかその奇抜なメニューの名前は;」(彼はメニューを見てません
愁海棠「はっはっはっは…………実に俺向けなメニューだよ。」
ポケマニ(1175) 「新メニューですね〜。」
秀也 「・・・はぁ;変わった名前のメニューですね・・・」

3月の特別メニューの目玉「1/10レジギガスケーキ」の注文、一つ。
身長3.7mのレジギガスの1/10サイズなのだから、高さは37cm。軽くピカチュウほどはある計算となる。
このケーキに一人で挑む愁海棠……何と言うか、流石であるとしか言いようが無い。


拓也 「あ、デュークさん・・・ちょっと・・・。(何やら申し訳なさそうな顔で」
デューク 「ん、拓也。どうした?そういや、昨日は金の納入はなかったな。」
拓也 「あ、はい。その件で・・・昨日は申し訳ありません;;(一礼し)発艦直前に敵潜の攻撃を受けて中止を余儀なくされてしまったので」(汗
デューク 「・・・そっちも大変だなぁ;・・・んで、何時なら大丈夫なのだ?」
拓也 「えと、今日は運良く新型ヘリを確保できたので・・・今日だったら運搬はカフェの方でも大丈夫だと思います。」
デューク 「お、そいつは助かるw ・・・それじゃ、よろしく頼むよw」
拓也 「了解しました。少しお待ちください。(通信機取り出し)準備いいか?・・・よし、発艦。(通信機をしまう」


デュークと拓也は職業的にも関連が多く、カフェで取引等の話をすることも多い。
この日も関連の話があったらしく、スプリット達の話を聞きながら話し合っていた。


グドー「・・・おい、スプリット・・・いくのはお前とクロとその手持ちだけなのか?」
スプリット 「(グドーへ視線を向けて)……いや、クロが撃たれて、結構危ないからって、クロのところに行って。 ……皆が集合してたところに、空爆が来たらしくて、皆一緒に……。」

事態がよく分からない、という笑みを浮かべるスプリット。
そんな彼を見て、数人が小さく呟きを零す。

ヴィジター 「・・・・・・『運命も切り裂けたら』どんなに楽だろうなぁ・・・。」(ボツリ、と残してあったパフェを食べつつ)
シラユキ「願う気持ちは低いよね(誰にも聞こえないようにぽつんといって、電子掲示板を見る)」
ポケナビ改「・・・空爆、だと? じゃあ、何で声が聞こえているんだ?」
銀翼 「・・・・まさか・・・。」
シルウィン「・・・・・。」
グドー「・・・そうなのか・・・そうだったのか・・・・・・それなら、その前にやりたかったもんだ・・・ミドリも悲しむだろうなぁ・・・」
緋色 「(スプリットの話に耳を傾けながら) ……、……。(チラ、と電光掲示板を見やり」

悲しみをこらえながら、数人が3匹目のデンリュウの持つ電光掲示板を眺める。
デンリュウはいつの間にかケーキを注文し、我関せずという風に食べていた。
電光掲示板の数値は減少を続け、今は『1:14』を示している。


シラユキ「もう…少ないな(掲示板をみて)」
ヴィジター 「・・・さて。(パフェ食べ終わり、代金払いに行き)・・・今更ながら、観戦に行くかね。」
ポケマニ(1175) 「空いてるのは火山だけ・・・か。(モニターを確認して) ・・・カラミティ? 」

モニタを確認し、席を立とうとする二人。
そこに入れ替わりでヒイラギが来店。
挨拶は省略させて頂く。

ヒイラギ 「♪燃え上がれ滅びの煌きよ、と。(何」
愁海棠「おや、ひいらぎん…………今日は少ない体力が有り余ってるようだのう」





セラフィス「…時をつなげられたらいいのにね。それか、時を戻すか。大罪だけど。」

刻々と数値の減り行く電光掲示板を見てのセラフィスのこの言葉が、出て行こうとした二人の足を止める。
二人とも揃って「時空」や「魔法」には詳しく、助けられる可能性はあると考えたようだ。

ポケマニ(1175) 「・・・時、か。ちょうど森にセレビィも居る事だし、頼んでみるのも面白いとは思うけど。(ボールに手を触れ)・・・デルタ、召集頼む、な。」
ヴィジター 「………(セラフィスの言葉にピクリ、と反応し)…望んで、俺が背負っていいんなら犯せれる可能性あるぜ?その大罪。」
銀翼 「・・・時を操る・・・か。」
ヴィジター「流れの分岐点を『生きているパラレルワールド』に繋げれれば…『空爆』をどうにかすりゃできなくはねぇ・・・が、あの坊主が望むか、だが。」
デューク 「大罪というか、そんなもの1週間経たずに復元作用が働いて改めて「死亡」するだけだと思うぞ?」
セラフィス「(デューク見)問題は、『できたら』の話です。(そしてヴィジター見)…へぇ。」
レントラー?「(ヴィジターを見る)ほぉぅ? 」
ヴィジター「……俺のもう一つの名は『背徳者』。 ・・・自分の世界の過去変えた大罪人なのさ、俺は。」
レントラー? 「ほぉぅ?」
セラフィス「…世界までかえたのか。」
ヴィジター 「もち、しっかり『時間』に嫌われた挙句、元に戻した世界に入れなくなったがな。」
レントラー? 「まさに罪と罰、か。」
愁海棠「…………背徳者ねぇ……お子ちゃま?」
ヴィジター 「……実年齢と外見年齢以外は、自覚してる;」


そんな話し合いを見て、数人この論議に異議を唱える者も現れ始めた。

秀也 「・・・みなさん、まさかひょっとして本気で時空を超えるつもりじゃありませんよね;」
愁海棠「時を戻すなんて無理にやったら色々と綻びや歪みが生まれる…………不可逆は不可逆のままの方がいいべ」
レントラー?&セラフィス「出来ないことは無いが、危険が高い。」
ポケマニ(1175) 「できなくも無いが、動きを極度に遅くするのが精いっぱい・・・かな。オレ一人じゃ。馬鹿みたいに魔力喰うし。」
セラフィス「手伝いますよ。」

魔道師達が時空魔法の可能性を協議しているのを聞いているのかいないのか、スプリットは他の皆と話し続けている。


スプリット 「でも、不公平じゃん?(ヒロを見て、苦笑し)最期って、もっと、ほら、カフェのメニューを全部食べつくすとか、結局……、……何が言いたいんだろ、僕……。」

耳を垂らして悲しげに呟くスプリットを見て、皆は口々に声をかける。

グドー「・・・スプリットよ・・・お前、何のためにギターとか持ってきてる?それで何かしたいんじゃねぇのか?」
デューク 「最後にロスタイムを得られたのが幸運だったのか不運だったのか・・・なぁ。(スプをみつつ)」
ヴィジター 「……未練、アリまくりなんじゃんか。」
キメイラ「いままでサンキュー。転生したらいつか逢おうな。それでいいだろ。(天窓から覗き込み)」
セラフィス「キメイラは黙っといてよ。」
キメイラ「あぁん?別にいいだろ。」
セラフィス「…。」


そんなスプリットを見ていられなくなったのか、ヒロは言葉をかける前に行動に出た。


ヒロ「…………。(思いっきり振りかぶり、モヤッとクッションをスプリットの顔面めがけて投げつけた!」
スプリット 「み、未練とか言うなよバk……!(ヒロにクッションを投げつけられ)」

デンリュウ「……!」

この行動を見たデンリュウのホイッスルの音が再び響き渡る。
その甲高い音すら気にかけない様子で、ヒロが続けて叫ぶ。



ヒロ「戻すだの流れ変えるだの言った奴には『美脳』!」



言い切ると同時に、ポケマニ、セラフィス、ヴィジターに凄まじい数のモヤッとが降り注ぐ。
軽く各人を埋めてしまえるほどのその量は、ヒロのいらだちの象徴なのだろうか。
そのままヒロは、ホイッスルを吹いたデンリュウを睨みつける。

ヒロ「あんた達が何者かは知らないけど。普通に会話して、普通にモヤッとしたから投げた。何か悪いわけ?」
デンリュウ「……;」

その睨みが効いたのか、デンリュウはそのまま黙ってしまう。
その代わり、ホイッスル音に負けじと音を立ててモヤッとが降り注いでいる訳だが。


ポケマニ(1175) 「Σにょわわ!?」(ポケマニはモヤッとの山に埋まった!▼)
セラフィス「(ドドドドドドドドド)がふ;」
ヴィジター「(甘んじて受けているが、痛そうにしていないまま埋まる)」

ヒイラギ 「…わー、…あれ、ボク初めて見たか」
銀翼 「・・・モヤッと・・・誰が片付けるの?」

数人、少々方向違いな事を言っている気もするが気にしない事にしよう。
スプリットは苦笑を浮かべつつ投げられたモヤッとクッションを握り、モヤッとの山や、話に加わっていなかった客達も見る。

スプリット 「というかさ……。戻すじゃなくて、残った時間を、もっと有効に使わせて欲しいんだけど!」



その叫びに、皆は様々に反応を返す。


モヤッとの山に突き立ったプラカード「OK、とりあえずこれどかしてくれ▼」(待て)
愁海棠「なら、黙って選択を尊重した方がいいって事くらいわかるだろ…… 」
デューク 「・・・で、有効にってお前は何したいんだよ;そろそろ半分過ぎるぞ。ロスタイム!」
クリン 「今は今のままで・・時間は放っておいて今を存分に生きる…生きる時間が終わるまで」(ゆっくりとした口調でいって)
グドー「・・・だから、歌えばいいじゃないか。そのためにギター持ってきたんじゃねぇのか?」
シラユキ「有効に使いたいなら、早くやればいいんじゃないかな?最初で最後のことだって、今までやってきた事だって・・。だってロスタイムって悔いを残さない行動をするための時間のようなものだし。」

そんな皆の言葉を受けて、スプリットは決心したように話し始める。
…自信がないのか、徐々に声量が小さくなって行くが。

スプリット 「うー……、……;(デュークに突っ込まれた後、モヤッとを頭につけて)……僕が此処に来て、毎回考えてたこと……が、ある。」
デューク 「ほぉ、そいつはまた期待できそうじゃないかw何なんだ一体。」
グドー「・・・何を考えてたのか、聞かせてくれ・・・」
ヴィジター 「(モソッと出てきて)・・・だな。やりたい事やってけばいいじゃんか、大暴れでも。」
スプリット 「……そんなんじゃない。」

スプリットは転がっていたモヤッとの一つを拾い、ヴィジターに投げつける。
スコン、と小気味よい音を立ててモヤッとは命中した。

ヴィジター 「…例えなんだって;」

スプリットの近くで、電光掲示板を持つデンリュウは静かに紅茶を飲んでいる。
現在の残りロスタイムは『1:00』。
丁度、残り時間は後1時間となっていた。


愁海棠「許される世界を甘く見すぎ。都合よく解釈するな。」
銀翼 「・・・既にここは許される世界ではないのでは? 」
プラカード「まぁ、何でも許される所じゃないのは分かっているつもりさ。」
愁海棠「銀、世界が変わったら全部違くなるのか? 俺としてはカフェがある場所こそが「許される世界」なんだが」
デューク 「禅問答みたくなるからその先は止めとけ二人とも;>銀とおっさん」

言い争う銀翼と愁海棠をデュークが止めに入る。
そんな様子を見ている目線が二人分……

チルット♀ 「(カフェの屋根に静かにとまっている)」
アイグル 「…」 (天窓から覗き込んで様子見)

ここで、モヤッとに埋まった何人かがはい出してくる。

ポケマニ(1175) (もぞもぞとモヤッとの山から出てくる▼)「・・・ふぅ。(ぁ) 」
セラフィス「(モヤの山からなんとか顔だけ出して)…。」

緑莱「(火山の方から、ゆっくりと歩いてくる)さて・・・・。」
銀翼「あ・・・アイグル・・・(天窓見て) ・・・名称の違いですよ。」
チルット♀ 「(天窓から覗き込み、微笑む)こんばんは」
アイグル「(早速見つかったとか思いつつ) …こんばんは… (相変わらず頭だけ天窓から出しつつ)
緑莱「(店内に入ってきて)よくある、言い争いね・・・。」

ここで、アイグル、チルット、緑莱が来店。挨拶は省略。

銀翼「・・・・ったく;緑莱か・・・・。」
緑莱「あら・・・なんだか、話に聞いた印象とは・・・違うわね・・・。」
アイグル 「…?」 (相変わらず天窓から覗き込んだままでシルウィンさんの方を見て首をかしげる)
シルウィン「大丈夫だよっ。(アイグルに手招き)」
銀翼「ふぅ・・・・。」
緑莱「(持っていた本を読みつつ)なんだか、暗いわね・・・・;」




スプリットは、意を決したように静かに話し始める。

スプリット「リスタの笑顔を、僕は見たことが無い。 ……此処でどんなにバカやっても、リスタだけは、笑みを浮かべてくれなかった。」

言い終わった後、ちらりとリスタを見やる。
そのリスタの側の席に、ヒロが無言で戻って来た。

ヒロ「……。」
ナイツ「気は済んだの?」
ヒロ「もっと投げたいけど、会話の邪魔みたいだから。」

そんな二人をよそに、店内の目線はスプリットへ注がれている。



グドー「・・・え;(スプリットの発言聞いて、リスタの方見て)・・・この人、笑うのか?;(何」

確かにオーナーが笑わないのは事実だが、流石にその言葉は酷すぎる。
店内からも口々に呆れるような声が漏れた。

ポケマニ(1175) 「酷いなおい。」(汗)
ヴィジター 「・・・酷;」
リスタ「……え。」
ヒロ「……。」

なかでも、一番怒っていたのはヒロ。
彼が動きを止めてグラスを握りしめた数秒後、グラスには僅かな音とともにヒビが入っていた。


愁海棠「あいよ〜……(憐の前に1/10スケールのレジギガスをかたどったケーキが出される)…………壮観だねぇ」

1/10レジギガスケーキ、降臨。
但し、この時点では皆スプリット達の方に目が向いていたためにほぼ誰もその大きさに気づいていなかった。集中力は偉大である。

キメイラ「とかいって、ドッキリデ〜シタ。なんてオチがあるかもn(セラフィスの召喚した剣にぶっとばされて窓から店外へ)」
セラフィス「…黙れ…;(モヤ山から出てきて」

ヒイラギ 「(テーブルに上半身のっけた状態で座っている)…。 」
愁海棠「さりぐんが薬で笑ったんだ、二回も。りっつぁんが笑えないわけがない( 」

空気を悪くした事を即座に感じ取った秀也が、リヒトとともにグドーを謝らせようとする。

秀也 「・・・あー・・・グドー、今すぐ謝ろうか。みんなに謝ろうか。」
グドー「いや、何でそうなr(リヒトの腕がグドーの頭を床に押し付けた(あ」

口は災いの元である。
そんな彼らを尻目に、店内の客達は今度は「笑顔」について話し始める。

ヴィジター 「……笑顔ってのは『心からすっごく楽しい、嬉しい』って思うと自然に出るらしいぜ?」
クリン 「(電子掲示板見て)もうないわね・・。」
シラユキ「・・・(リスタ見て)笑う・・か(お冷のヒビにも気がついたがあえて気にしない)」

ヴィジター 「(モヤ山から完全に這い出て、山を隅に移動させて) ・・・さて、俺はそろそろ撤収。」
緋色 「(くすぐるような構えのまま、ヴィジター見て) ……えぇっ?(…」
ヴィジター 「・・・相手が逃げそうな手は使わない;  んじゃな。」(歩いていく)
緋色 「どっちかっつーと俺ぁ束縛する方が好きなタチでさぁ。(お疲れーと、ひらひら手を振りながら」
ケセルダ「何言ってんのお前ェェ!?;」

ここでヴィジターが撤収。
通常通り、挨拶は省略させて頂く。

デューク 「・・・成る程。オーナーをフランシーヌ顔負けのいい顔で笑わせてやりたい、と。」
スプリット 「(デュークに頷いて)……僕の最期の1時間。(リスタに近づいて)……どう使うかは、僕の勝手だよね?」
リスタ 「……それは、「どうしても覆せない」、ものなんですね?」

近づかれ、身長差からスプリットを見上げる形になるリスタ。
その近くの天井からは、意味深な視線がスプリットに注がれている。
スプリット達が入店した際に、デンリュウ達へ視線を向けていたのと同一人物……なんだろうか? 


ポケマニ(1175) 「・・・こん〜。」


ポケマニの目線の先には………動いて喋る中華鍋、一つ。
中に何かが居る事はどう見ても明らかだが、一体何が居るのだろうか。


愁海棠「(←レジギガスケーキを腕から食べている……明らかに胃袋に入る量ではないが……本人はとっても楽しそうだ)

店内一角で異常な大きさのケーキを食して行く男、これまた一人。
楽しげなのがまた異常さを引き立てている、といったら流石に失礼か……?


秀也 「・・・オーナーさん・・・;」
グドー「お、おぉ?(床に頭をつけられたまま)」

リスタを心配そうに見ている秀也。
問題発言をしたはずのグドーは、未だ状況が飲み込めていない様子…

ポケマニ(1175) 「(モニターを見て)・・・ぁ〜、相性が悪ぃ。すまんが、少し行ってくるな。」
拓也 「(外でさ〜っと風が通り去った後コンテナが2つ店の外の端っこに置かれている)あ、デュークさん。荷物が来たようです。 そろそろ時間なので撤収します。 」
デューク 「お、そうか来たかw・・・っと、おつかれ!」
拓也 「お疲れ様でした。」
ポケマニ(1175) 「んでは〜。」

ここでポケマニと拓也が退店。
いつも通り挨拶は省略。


スプリット 「どうしても、というか、別に笑いたくなかったら……それでも良いんだけど;」(苦笑を浮かべ)
グドー「・・・漢の最後の望みだ、叶えなくてどうs(リヒトはさらに強くグドーを床に押し付けた」
リスタ「……分からないんです。……「笑う」ことを考えると何故か、……いつの間にか、悲しいことを考えているんです。」
デューク 「・・・いつの間にか・・・?笑える事を考えてたはずなのに一瞬たりとも笑う暇がないわけか。」
秀也 「・・・えっと、オーナーさん無理なさらずに?;(グドーとリヒトは放置でリスタのところに歩み寄ろうと」
リスタ 「大丈夫です、無理はしていませんよ。」

そんなリスタ達の様子を静かに見守っていた奇妙なレントラーの身体が煙に包まれる。
煙の中から現れたのは、獅子とも人ともつかない亜人の姿。どうやら彼は変化の杖で一時的にポケモンへと姿を変えていたらしい。

サーヴァント 「…戻ったか。」
アイグル 「… (手招きを受けても空気を感じ取って怖がって入って来ずに様子見を続ける) 」
シルウィン「やっぱり・・・怖いのっ?」
緑莱「(モニター見て)・・・あの電光掲示板は何かしらね・・・・・;」
アイグル 「… (シルウィンさんを見ながら黙って頷く) 」
緑莱「・・・そういうことね・・・。(蓬莱の書とモニターを交互に見て)」
シルウィン「大丈夫・・・アイグルぅ。(アイグル見て)」
緑莱「(周辺のことを気にしつつ、蓬莱の書を読んでいる)・・・・・・;」
銀翼「なんだか・・・寒気がする・・・。」
アイグル 「… (恐る恐る天窓からそっと店内に入って来る) 」
緑莱「人と言うものは・・・本当に未練が無いものかしらね・・・・。(モニター見て)」
銀翼 「で・・・緑莱は何をしに来た。」
緑莱「(銀翼見て)あら、暇つぶしと・・・この本の処遇よ。(銀翼に蓬莱の書を見せて」
アイグル 「… (やはり空気を怖がって天井にぺったり貼り付いて様子見) 」
シルウィン「大丈夫だよぉ・・・・(アイグルにさらに近づこうと)」
銀翼「(蓬莱の書を見て)・・・o0(何だろう、この感じ)」
緑莱「本を埃まみれにするのはどうかと思いましたのでね・・・・・。」

こちらは銀翼、アイグル周辺一派。
確かに今の状況では、少々入りづらいのも納得といえよう。

緋色 「……考えて笑うからダメなんじゃねぇですかい?(くすぐるように手を動かしながら」
ケセルダ「まずその手を止めろ。(」
秀也 「・・・そうですか;それならいいんですけど・・・そこ、何を考えてるんですか;」

言いつつ、緋色を指差す秀也。
やはりこの状況でその動作は不審すぎる。

緋色 「大丈夫でさぁ、くすぐったりしやせんから。無理に笑わせても楽しくねぇでしょう?(くすぐるように(ry」
ケセルダ「体と意見が合致してねぇし…(」
秀也 「・・・;」(ジト目で緋色を見ている)

説得力皆無。ケセルダのツッコミも納得である。

愁海棠 「しかし。さりぐんは例外的に笑えた(?)のにりっつぁんは厳格に規定されてるみたいだね……自制と契約の差? 」
朱月「あー、あれねー。(いつの間にか現れ、キングラーの上に座っている)例の薬が呪いに麻酔かけてたって説が有力なんだって。」
愁海棠「へー……んじゃ呪いに耐性がついてなければまだ何回か試せそうだね。もっとも……さりぐん逃げるか」

以前の善人化薬を服用したS氏を思い出したらしい愁海棠。
実はS氏は2回善人化薬を飲んでおり、この時の想像は2回目のほうだろう。
ちなみに、1回目の時の騒動はプロP第3部「怪しい薬で善い悪夢を!?」を参照されたし。

セラフィス「とりあえず、スプさんの歌でも訊こうかな。」

モヤッとの山から席に戻り、期待の目線を向けるセラフィス。
クリンは逆にモニターを見て、心配そうに呟いた。

クリン 「・・・何かしらさっきの声;だんだん近づいてきてるわね・・・;(」





朱月「……それで、君は結局どうするの?(にっこりとスプリット見」
キングラー「……。(泡ぶくぶく」


そんな外野など気にかけないかのように、にっこりと笑いを浮かべて尋ねる朱月。
スプリットはそんな朱月を見て苦笑したまま、言葉を返す。



スプリット 「……あ、いや。 ……、……やっぱり、止めときます。」


その言葉の意外さに、周囲の数人がギャグチックにズッコケた。
コケるのを踏みとどまった数人も、戸惑った調子で言葉をかける。

デューク 「だぁぁぁぁっ!?(これでもかと言わんばかりに派手にズッコケ)・・・止めとくのかい;」
セラフィス「(かくっ)しないのか;」
グドー「・・・おいおい、スプリットよぉ・・・やりてぇことは貫き通そうz(リヒトはグドーを入り口から外に向かって投げ飛ばした」
クリン 「そうよ、誰も反対しないのにやめるのはちょっと・・・;」



その頃、忘れられかけていた喋る中華鍋は電光掲示板を持ったデンリュウに接近しつつあった。


{鍋} 「Meはその目がチカチカする看板をぶっ壊しに来たんだったぜ 忘れてた忘れてた!」

デンリュウの近くでがばりと開いた鍋、その中には………!







ユウリ「……あら、広場にもお客様がいらっしゃるようですね。