3月2日 突然の別離……別れの刻まで、あと2時間!(中編)  編集:トースト


……一方、カフェがいろいろと重い会話をしているその頃。
うって変わってコチラは広場。
(※都合上、タイムラグらしき部分が見受けられます。ご了承ください。)


バロン「(カフェの方から、右腕を回しつつ歩いてきて)さーて、バトルをするのも久々だねえ・・・実力を出し切れるかどうか、チョイと不安なところだ。(監視カメラを見つけ、ブイブイと両手でVサインをして見せて(ぁ)」
ルーティ「(定位置について、軽いストレッチをする。得に足を念入りに)…。」

対峙するは、『自称』銀河一の賞金稼ぎ兼盗賊のフローゼル、バロンと、一回りほど体の小さい、体中がキズだらけのルカリオ、ルーティ。
なぜこの二人が対峙しているのかというと、ルーティがバロンにバトルを申し込んだのである。
(※この時、ルーティは一時的であったがルカリオに進化していた)

ナオキ・ムゲン「 (カフェの方から飛んできて)・・・そういえば、こっちでは僕もあんまりバトルしてないかな、最近は;(苦笑し)」
黒海「(カフェ方面からやってきて、広場の隅で観客モード)…(魚の干物を齧りつつ(ぁ)」
ナオキ・ムゲン「・・・まぁ、今はバトルではなく、観戦なんだけどな;(そう言ってバロン達から離れて) 」

そして観客となるのはこの二人。

バロン「(カメラに向かって一通りアピールした後、軽い足取りでルーティと反対側の所定位置につき)俺は何時でも準備イイぜ? 坊や。(警告するように右手の人差し指を立てて)・・・いいか、さっきの言葉忘れるなよ? ケガをしているからって、俺は手加減しない。」
ルーティ「わかってるよ。(スッと、体勢を低くして)」

さて、いつもの余裕をもつバロンと、切羽詰ったかのようにすでに攻撃意思をあらわにしているルーティ。

バロン「審判、誰かお願いできるかねえ?(観客席に居るナオキと黒海を交互に見)」

一応バトルとして、彼は審判を募る。

黒海「(バロン見て、ナオキ見)どうします?自信はないんですが;」
ナオキ・ムゲン「 審判・・・僕もあんまり自信はないけど、とりあえずやります;(そう言って近づいて) 」

ということでナオキが審判に。そして戦いは始まった。




バロン「よし、大変結構!(ウンウンと満足げに頷き、ルーティに向き直って体勢を低くし)・・・・さて、始めようか。こっちから行かせてもらうぜ!(ダッと地面を強く蹴り、ルーティに向かって走り出す!)」

先手必勝とばかりに、自慢の足で地面を強く蹴り、ルーティへ走り出すバロン。
だが、ルーティは何も言わず、冷静にお得意のワザを使う。

ルーティ「(バロンが向かってきた瞬間、ジャキンと両手にシャドーカタールを装備する)…。」
バロンが向かってきた瞬間に、彼は両手にシャドーカタールを装備する。
彼の得意技、シャドークローの変形『シャドーカタール』。ある程度攻撃範囲を狭める代わりに、一点集中の攻撃が出来る形態である。

バロン「先手必勝ォッ!!せぃっ!!」
バロンは自慢の素早さでルーティとの間合いを一気に詰め、彼の顔面めがけてかわら割りを放つ。相手がルカリオとあらば効果はバツグンの一撃である。




バロンが攻撃を仕掛けたその頃…。

ナオキ・ムゲン「さて、試合開s・・・って審判お願いしたのに先に行かないでくださいよ;まぁいいけど;(ぁ(バロン見て)」

反応が遅くなったナオキ。そして観客がまた一人増えた。

クロ「おーおー、やってるじゃないか。(森からカフェのスプリットと同じデンリュウを引き連れて、歩いてきて)」
ルバート「おぉ、バロンかw(クロ同様(ぇ)」
ナオキ・ムゲン「 (ふとクロ見)・・・あ、クロさん。こんばんは。」
黒海「(完全に観戦モード。魚の干物を齧っている)…。(デンリュウ見)・ ・ ・ 。(クロごと見なかったことにした(待)」

スナイパー、クロとその手持ちルバートである。…彼らとともにいるデンリュウについては、店内のスプリットについているデンリュウと同じ様子。
ちなみに、バロンとルーティはバトルに専念しているためか、クロ達には気づいていない。



さて、バトルに視点を戻そう。
バロンがかわら割りを仕掛けた瞬間、

ルーティ「(かわら割りを見て、体をずらして左肩に喰らうも、右手のシャドーカタールでバロンの心臓めがけて突きを繰り出す!)…。」
バロンのかわら割りを体をずらして、ダメージを軽減し、カウンターの要領でバロンへと容赦ない攻撃をしかける。
(※カタールとは突き刺し用の変わった短剣。さすがにバトルであるため、死にはいたらないが、命中すればかなりのダメージを与えることができる彼の十八番。)

バロン「・・・・・ッ!(命中寸前のところで両腕で攻撃をカバーし、ダメージを軽減したものの、ノックバックし数歩分後退し)」

ギリギリでダメージを軽減したものの、一度ルーティと距離をとるバロン。

ルーティ「…。(防がれて、シャドーカタールをメタルクローに変える)」
バロン「・・・・、なかなか楽しいスキルを持ってるじゃないか。(その後、ルーティを右手で挑発し)・・・今度はそっちから来い、ルーティ!」
ルーティ「…。(言葉は発さず、ただ冷たいが、ちろちろと弱く燃えるような殺気を放ちつつ、バロンに突貫。そのまま両手から連続でメタルクローを放つ!)」

シャドーカタールを防がれたルーティは、すぐにワザを変える。
バロンの挑発に対し、バトル開始以降なんの言葉もしゃべらない彼は、ただバトルに集中している。



一方、観客の方はというと?



クロ@黒翼「よぉ、ナオキ。(デンリュウと一緒に近づく。電光掲示板には「1:35」)バトルか?」
ナオキ・ムゲン「 まぁ、そうですね。それで、審判を任されて;(ぁ(苦笑し、ふと電光掲示板見て)・・・?」
黒海 「(電光掲示板見て)…。。0(あれは…まさか?いやあれはただのドラマで…でも…)」
クロ@黒翼「 審判? ならかわってやっても良いぜ?(ナオキに笑みを浮かべ)」
ルバート「ん? 如何した黒海ー?(振り返り、苦笑して/此方のデンリュウの電光掲示板も、クロと同じく「1:30」と表示されて)」

クロとルバートにも、店内のスプリットと同じ電光掲示板があった。

黒海「 いえ…なんでもないです。(普段とほとんど変わらない口調で言い、バトルに視線を戻し)」
ナオキ・ムゲン「いや、いいです;・・・ところで、そのデンリュウ達は?(電光掲示板を持ったデンリュウ見)」

店内に居なかったナオキ、クロにデンリュウたちのことを聞いてみることに。

クロ@黒翼「 俺らの、最期のカウントをしてくれるんだって。 死ぬ前に、やりのこしを終わらせて来い……って事らしい。」
デンリュウ「(あきたのか、その場に座っている/…)」
黒海「。0(と言う事は…やっぱり?)(バトルの方に顔を向けてはいるがデンリュウ審判団が気になり)」
ナオキ・ムゲン「・・・え;ちょっと待った、最期のカウント、それに死ぬ前に・・・って、(電光掲示板見)あれが0になったらクロさん達は死ぬんですか!?;」

言葉を聴いて、気になりだす黒海と、驚くナオキ。無理もないだろう…。

クロ@黒翼「あぁ。(頷き)9時ぴったりに、俺の世界の宿舎が空爆されたらしい。 偶然来ていたスプリットを含めて、皆2時間のロスタイムを得たらしい。(チラリ、とデンリュウを見て)」
ルバート「バロンもルーティも、ファイトーッ!(拳を振り上げて、叫び)」
黒海「(クロの話聞き。バトルはほとんど目に入っていない)。0(「延長戦」があるのを願おうか…)」
ナオキ・ムゲン「・・・えーと、つまり・・・スプリットさんを含めたクロさん達全員が空爆に巻き込まれて、それから2時間しか・・・11時までしか居られない・・・という事、ですか?;(バトルはもうほとんど目に入ってない)」
クロ@黒翼「 ま、そー言う事だな。(腕を組んで、バトルを見て)最期にこんなに良いバトルが出来たんなら、まぁ、俺の人生悪くなかったかな。」
ナオキ・ムゲン「・・・。(黙り込んだ) 」


もう黒海とナオキはバトルを見ていない。ルバートは楽しそうに見ているが、あと1時間。
そんな会話がされていることを知らない、バトルをしているバロンとルーティ。
彼らのほうを見てみよう。



ルーティがメタルクローを放った瞬間…。

バロン「 甘い!(素早い身のこなしでメタルクローを避け、二股に分かれた尻尾を振ってルーティを転ばせようと!)足元が疎かになってるぜ!」

ルーティはバロンにむけて容赦ない連続攻撃を繰り出す。
が、自慢の素早さと身のこなしでルーティの攻撃を回避し、尻尾での足払いを仕掛けるバロン。

ルーティ「(メタルクローはよけられ、今度は波導棒に変える。尻尾の攻撃は見切ったように、ヒュッと両足を上げる小さなジャンプをしてよけて、バロンの脳天めがけて波導棒を振り下ろす)…。」

この波導棒とはボーンラッシュに使われる波導を骨のような形にした棒のことをいう。
さて、ルーティは尋常じゃない身のこなしでバロンの足払いを避け、バロンにさらに攻撃を仕掛ける。

バロン「ウッ!?(ボーンラッシュを頭部に受け思わず呻き声を漏らし、ピヨピヨとポッポが頭の周りを回りだす!(ぁ)・・・・・・く、クソ・・・・!」

その攻撃は見事命中し、バロンの動きを止める。
ポッポその他もろもろが見えても気にしてはならない
そしてその隙を逃さず、ルーティはさらに攻撃をしかける。

ルーティ「(そのうめいた一瞬の隙を逃さす、速攻で右手にシャドーカタールを展開し、バロンの心臓めがけて突き出す!)…。」

彼が繰り出すは先ほども使ったシャドーカタール。

バロン「(脳震盪『のうしんとう』を起こしたかのように、フラフラとしていて攻撃を避けきれず直撃)ぐぁっ!!(その後吹っ飛ばされ背中から地面に落下、5メートル近く地を滑って砂埃を上げ)・・・・、やってくれたな!(ピョンと飛び起きて両手を構え、再び戦闘体勢に)・・・そろそろウォーミングアップをやめ、本気と行こう!(ザパァッと水を纏い、ルーティに向かってアクアジェット!)」

ルーティの容赦ない攻撃にさらにダメージを負うバロン。
だがすぐに体勢を立て直し、攻撃に転じる。

ルーティ「(アクアジェットを見て、迎え撃つかのように波導弾を一発放つ!)…。」

だが、ルーティはここでついに波導弾を放つ。

バロン「。0(波導弾か・・・よし、せっかくだ、利用してしまえ!)むんっ!!(身体を回転させて水流の動きを調整、ピストルから放たれる弾のように右回転して波導弾を巻き込んでルーティに向かっていく!)うおりゃあああああ!!」

その波導弾をみたバロン。臆することもなく、逆に利用して、ルーティへと攻撃をしかける。
が…

ルーティ「(波導弾を使われたのと見て)…。(パチンと指を鳴らす。すると、バロンの水流に巻き込まれた波導弾がはじけるだろう)」
バロン「(波導弾がはじけ、完全にバランスを失って水膜から放り出され)ゲェッ!? 何だこりゃぁっ!?;(地面に落ちるが、上手く受身を取ってその余勢を利用してルーティに飛び蹴りを繰り出す!)ハァーッ!!」

さすがは自分の波導というか。ルーティは冷静にその波導弾を爆破し、バロンのアクアジェットを消した。
そしてバロンのとび蹴りがルーティへと向かい…。

ルーティ「(とび蹴りが腹に命中するも、そのままバロンの足を掴もうとする!)…っ!;」

痛みをこらえ、さらなる攻撃を仕掛けんがためにバロンの動きを止めるべく、バロンの足に手を伸ばした。

バロン「(そのまま掴まれるが、口元にニヤッと笑みを浮かべ二股に分かれた尻尾をヒョイと動かして)・・・俺は止まるのがニガテでね。コイツは・・・どうかな!(尻尾を回転させ、それをルーティに当てようと!)」

確かに足は掴むことが出来たが、バロンは冷静に、その巧みに動く尻尾を使ってルーティに攻撃を仕掛けた。

ルーティ「(命中するも、バロンの足は掴んだままで、そのままバロンを上に放り投げようと!)…っ。」
バロン「。0(ルバートか? この声は)・・・ッ!(上に放り投げられ、空中で顔を下に向けて)」

痛みに耐えつつ、バロンを上へと投げたルーティ。
ここでバロンがルバートの声援に気づき、下を向いた。
その瞬間を逃さまいとして、ルーティは攻撃を仕掛ける。

ルーティ「(上に放り投げたバロンめがけジャンプし、無慈悲にバロンの心臓めがけてシャドーカタールを突き出す!)」
バロン「二度も同じ戦法に・・・・引っかかるか!(ぐるんと空中で一回転し、その速度を加えた踵落としで相殺を図る!)」
ルーティ「(命中し、そのまま地面にたたきつけられ)が…っ!?」
バロン「(こちらも相殺の際の衝撃で吹っ飛ばされ、ルーティから3メートルほど離れた位置に腹から落下し)ぐぅっ!!・・・・・ルーティのヤツ、なかなかの腕をしてるじゃないか。」

十八番(オハコ)のシャドーカタールを繰り出すも、同じ戦法だったためか、バロンに相殺され、そのまま地面に叩きつけられたルーティ。
バロンのほうも衝突の衝撃で吹き飛ばされてダメージを受けるも…。

バロン「(フッ、と笑みを浮かべ、立ち上がって)まだやるかい? ルーティ!」

タフなのか、起き上がってルーティへと声をかけた。

ルバート「バロン、追撃だ!」

此処で観客のルバートから声が。
此処で追撃すれば、確実に瀕死状態になる。

が。

ルーティ「(グッと立ち上がり)……っ?(だが、フラッと倒れ)」
バロン「(シャドーカタールにより受けたダメージが強烈だったのか、全身が傷だらけになっていて)・・・・っ、ルーティ!(早歩きでルーティに歩み寄り、ルーティの上半身を起こそうと)おい、大丈夫か?」

あまりのダメージの大きさに、体がついていけずに倒れるルーティ。
バロンのほうも傷を負っているものの、ルーティを起こす。
起こされたルーティはかすれた声で返事をする。

ルーティ「い…つぅ……。(ぼやけた目でバロン見)…だ、だい…じょう…ぶ……。」

大丈夫なわけ無いのだが、男たるもの、大丈夫といいたくなったのだろうか。

バロン「・・・・、流石はルカリオだ。子供とはいえ、接近戦で大人のフローゼルとやりあえる力があるんだな。(ルーティに傷だらけの顔で、父親のような優しい微笑みを浮かべ)立てるか?」

そんなルーティにバロンは優しく接す。

ルーティ「…だ、いじょぶ…さ…。これ、くらい……。(ふらふらと立ち上がり」

ポケモンだから回復は早いのだが、さすがにダメージが大きかったようで。




黒海「(バトルが終わったのに気づき)…。(それからクロ見)『また会いましょう。』(微笑を浮かべているがその目に感情は無い)」
ナオキ・ムゲン「・・・また、会えます・・・よね?クロさん。」
クロ「……、……知らん。 デンリュウに訊いてくれ(…」

黒海は霧へと帰っていった。『また会いましょう』という言葉には、一体どのような意味が、心が入れられていたかは、黒海とナオキとクロしか知らないだろう。
ナオキも会えるかどうかを聞くが、クロ自身は知らないようで、先ほどから居るデンリュウに聞くよう促す。



そんな湿った会話がなされている中。

ルバート「あー……バロン、肩かしてやれ肩!;(自分の肩を叩きつつ)」

バロン「セゼナの息子、って言われて納得がいくよ。(思い出すように、夜空を見上げて)・・・彼も、死神ゲームにおいて立派な戦士だった。セゼナとの共同作戦は、今でも鮮明に覚えているよ。(ルーティに顔戻し)・・・お前にも、彼の血が流れているんだなあ。現段階でのパワーは、まだまだってところだが。(フフッと笑い、ふと気付いたようにナオキを睨むように見)おい審判! 戦いは終わってるんだぞ! 何お喋りしてるんだ?(事態が把握できていない)…… 何、肩?(ルバート見、それから立ち上がったルーティを顎でしゃくって)大丈夫だろ; 自力で立ってる。」

以前、此処では死神ゲームというのが行なわれていた。だが、それはまた別のお話で。
バロンはその死神ゲームのことを思い出し、ルーティに話す。そして審判になっているナオキに呼びかけ、呼びかけられたルバートにも対応している。



ナオキ・ムゲン「・・・もし会えないとか言ったとしても、僕h(バロンの声を聞いて慌ててバロンとルーティ見)あ、・・・えーと、バロンさんの勝ち!;」

すっかりバトルのことを忘れていたナオキ。
…最後に何を言おうとしたのかは分からないが。

バロン「おい、審判しっかりしてくれよ;(ナオキに不満げに口先を尖らせ)」

ルバート「なんだよ、あぶねぇじゃんか!;(…」
クロ「おいおい、しっかりしたらどうなんだ? ……アホだなぁ。(ナオキを見上げて、溜息/…)」
ナオキ・ムゲン「・・・はぁ;すみません;(バロンへ頭を下げた後、クロ見)・・・アホとか言わないでください;(」
クロ@黒翼「じゃぁ、バカ?(…」
デンリュウ×6「(集団で集まり、クロとルバートを監視しつつ、何かを話している様子……/「0:51」)」
ナオキ・ムゲン「・・・違います;(溜息をつき、デンリュウ達に近づき)・・・そこのデンリュウさん達、クロさんが死んだら、もう二度と会えないんですか!?それともまた何時か会えるんですか!?(何故か大声で(ぁ)」

クロがナオキを小ばかにしているそんな中。放浪者ヴィジターがやってきた。

ヴィジター「・・・あ、しまった。終わっちまってたか。・・・。0(一瞬 電掲 叩き壊したくなったのはおさえとこ;(デンリュウ達を見て))」

どうやらバトルを見に来たようだが、すでに終わっており、次なる矛先はデンリュウの持っている電掲(電光掲示板の略称)に向けられた。

ヴィジター「・・・とりあえず、俺は『未練があるかどうか』を聞きたいがな、坊主に。(クロ見て、ボソッと)」
クロ@黒翼「おいおい……;(ナオキに苦笑を浮かべ)」
デンリュウ1「……(ピーッ!とホイッスル!と、同時にイエローカード!)」
実況「あーっと、此処でナオキが審判に突っかかって行ったァ!」
解説「コレはちょっと危険なプレーですねー。 平常心を保ってもらいたいです。(…」

実況と解説が誰なのかは不明である。
カフェパ名物『空耳』かもしれないが

ルーティ「……。(すっと表情を暗くして)………。」
バロン「(表情を暗くしているルーティの様子に気付き)・・・・おい坊や、一体どうした? 今回のバトルは、つまらなかったか・・・・?」

バトルが終了してから、暗い表情なルーティ。
事情を知っていて審判のことを忘れていたナオキに対し、事情を知らないバロンは口を尖らせていたが、ルーティの様子を見る。

ルーティ「…そうじゃない…。(首を横に振って)」
バロン「じゃあ何だ?(ルーティの返答で少し安心したのか、安堵の溜息混じりに腕組みし)・・・・あからさまに表情を暗くするってことは、それを知ってもらいたいっていうことじゃないのか。違うか?(ルーティを貫くように見据えて)・・・・秘密は守る。」

いままでずっとバロンとバトルすることを望んでいたルーティ。
なぜ暗い表情をしているのか、問うバロン。

ルーティ「…。……もぅ……もぅ、足手まといは…イヤなんだ…。(小声でポツリと、地面を見たままバロンに言い)」
バロン「・・・・、え、何だって?(その場に腰を下ろし、ルーティを見上げるような視線になり)おいおい、お前・・・・この前のこと引き摺っているのか?」
ルーティ「………。(ぎりっと、血が出るほどに唇をかみ締める)」

ルーティは小声で、そう言葉を紡いだ。『足手まとい』と。
バロンはその言葉の事情を知っている。だがこれも別のお話。

バロン「(噛み締めていることから、察し)・・・・、お前は一つ大事なことを忘れているぞ、坊や?(坊や、を大いに強調して見せて)・・・・何だか、判るか? 少し時間をやる、考えてごらん。(ルーティに微笑み)」
ルーティ「(バロンを少し驚いた表情で見て、ジッと地面を見つめて考え始め)………大事なコト……。」

ルーティを駆りたたせ、束縛していたものを外すかのように話しかけるバロン。
そんなルーティは地面を見つめて考える。

バロン「(胡坐『あぐら』をかいて座り腕も組み、再び夜空を見上げて)俺もガキの頃、お前みたいに足手まといになった時期があったよ。・・・・・あの頃は。(これがヒントだぞ、と言いたげにルーティを見やって)」

なるで『なぞなぞ』を出すかのようにルーティに話しかけているバロン。

ルーティ「……ボクは、こども………?(少し困ったような表情をしてバロンを見て 」

バロンの問いかけに、答えを出すルーティ。

バロン「。0(何だ? ナオキのヤツ、大声出しちゃって・・・・クロが死ぬ? おい、段々ワケの判らない展開になってきたぞ;)・・・・・。(ルーティに“ご名答”と頷いて示して)坊やは今何歳だっけ?」

ここでバロンがナオキの大声に反応したが、目の前の問題に対し、解決するようで…。
ルーティは何歳か、と聞かれ、正直に答える。

ルーティ「…………なな……。」
バロン「なな、7歳か。(ハハハッ、と乾いた笑い声を小さく上げ。その後笑うのをやめ、優しさと厳しさを両方兼ね備えたような目でルーティを見据え)・・・・ルーティ、訊こうか。お前は一体、何なんだ? うん? カミサマか何かかい?」
ルーティ「…………ちがう………。…………。(考えるように黙ってしまい」

そう。彼はまだ7歳という年齢。
そしてバロンはルーティが何者であるかをさらに問う。
ルーティは考え、そして黙り込んだ。




ナオキ・ムゲン「・・・何ですか今の声は;(ぁ(そう言った後、軽く深呼吸し)・・・兎に角、今の質問の答えは?;(」
デンリュウ「(首を振って、ナオキの質問に答えず)……」

名物『空耳』を気にしつつ、ナオキはデンリュウに問いただす。
しかしデンリュウは答えない。

ヴィジター「・・・クロ坊主〜。 『未練』ってあるか〜?(あっさりとさりげなく)」
クロ@黒翼「あー? 未練?(ヴィジターを見て、首を傾げて)……人間いつか死ぬんだぜ? いちいちそんな事で未練なんて残さないっつーの。(…」

ヴィジターの質問に、クロはまっとうな(?)返事をする。

ヴィジター「・・・ほんと〜に?(口調とは裏腹に真っ直ぐ見て)」
クロ@黒翼「別にー? ……っつーか、最期くらい静かに迎えたいんだが。(…」
ナオキ・ムゲン「・・・そう、ですか。・・・でも、僕はどうしても会いたくなったら何がなんでも会いに行きますよ。」

ヴィジターの問いかけも、ナオキの言葉もさらさらと受け流すクロ。

ヴィジター「……まぁ、いっか。 …残留思念でいいから、未練見つかったら手を伸ばせ。 気づいたら取らなくもないぜ。(あっけらかんと)」
ナオキ・ムゲン「(クロ見)クロさん、ルビーさんに会いたいとか、思わないんですか?(そしてルバート見)・・・ルバートさんも、グレイスに会いたいとは思わないんですか?会いたいなら今すぐ連れてきますよ?」
クロ@黒翼「いや、会いたいとは思うが……無理に呼び出すレベルじゃないよ。(ナオキを見て)」 
ルバート「俺もだ。」

ここでデンリュウが『0:25』になっている電光掲示板を掲げた。

最後の時間のことで色々話している彼ら。




一方では、黙っているルーティにバロンが話しかけている。

バロン「詰まるところ、お前もただのルカリオの一匹に過ぎないんだろ?(右手で夜空に輝く星々を示して)・・・この、無数の星の中で生まれた生き物の一つ。(またルーティを見上げて)たった7年しか生きていない“ガキ”が、大人の物差で力量不足って判断されないほうが可笑しいっての。俺の言っていること、何か変かな?(最後に、ゆっくりと付け足して)」
ルーティ「……………(バロンの言葉を訊き、目からボロボロと涙がこぼれ始めた)…うぐ……。」

ルーティを束縛していた鎖を切るように言葉をかけるバロン。
その言葉は着実に『鎖』を切っていく。

バロン「(立ち上がり、ルーティを父親のように抱こうと)・・・・・お前は“大人の世界”に突っ込みすぎた。当然、そこじゃ大人の物差で全てが計られる。」
ルーティ「(抱きしめられて)………ぅぁぁぁ……。(目から大粒の涙を流して泣き始め」

『大人の世界』に入り込みすぎた『子供』に、優しく声をかけるバロン。
鎖をすべて切られ、やっと開放されたルーティは、大粒の涙を流して泣き始めた。

バロン「フッ、このバカが。(抱き締めたまま目を細め、励ますように何時もの余裕の笑みを浮かべて)・・・・ハルト救出の際、あれだけよくもまあ波導を出し続けられたと思うよ。少なくとも、俺はお前を足手まといだとは思わん。(ルーティの背を撫で)・・・お前はできるだけのことをした。あとは今後、その“リミット”を向上させりゃイイんだろが。理解できたか?(その後、さっきと同じように強調して)坊や?」
ルーティ「(顔をくしゃくしゃにしたままバロン見て)…ぅん!(涙をこらえようとしても、どんどん出てきて)」
バロン「単なる“煽て”と感じるのなら、証拠を出してやる。(ルーティの返答を待たずに続け)・・・・お前の波導探知のおかげで、俺やデューイーは素早く奇襲に対処できたんだ。忘れるな、他でもない“お前のおかげ”だったんだ。(そしてようやく、ルーティを離し)・・・・だから泣くな。俺のために、泣くな。(ニヤッとルーティに笑い)」
ルーティ「…(涙をやっとのことで止めて)……うん……!(ズズッ鼻水をとすすって」

子供なるのをやめてしまった子供を、もう一度子供に戻したバロン。
涙をこらえて、ルーティは笑う。



バロン「また、バトルをしよう。イイバトルだった。(ルーティにクスッと笑い、ようやくクロ達に視線を向けて)・・・・、なあ。さっきから重い空気が流れているような気がするのだが、気のせいかい?」
ルーティ「(グシグシと腕で涙をぬぐって)……?」
ヴィジター「・・・ン〜、俺重くしてるか?(既に言及は終了したらしい)>バロン」

バトルに集中していたため、この重い空気の理由を知らないバロンとルーティ。

バロン「。0(考えてみりゃ、ルーティの波導探知のおかげでどれだけ助けられたことやら; ・・・・借りが多いが、坊やには黙っておこう(ぁ)・・・・、(電光掲示板を見、全てを察したように)タイムリミットか。どうやら、ウワサは本当だったってことか。」
ナオキ・ムゲン「・・・そう、ですか。分かりました。(そう言った後、バロン見)・・・クロさん達か、そこの電光掲示板を持ってるデンリュウ達から話を聞いてください。デンリュウ達は喋ってくれないと思うけど。(」

一部皮肉りながらバロンに説明するナオキ。まぁ、バロンはすでに察したようだが。

ヴィジター「…さっすが男前。 察したみたいだな。>バロン   ・・・さて、俺はそろそろマジ撤収〜。」
ルーティ「…たいむ…りみっと…? あ、さようなら…。」
バロン「話を聞かせてもらおうか。(クロにゆっくりと歩み寄り、両手を広げて見せて)・・・・一体、どういうことなのか。(ヴィジターに頷き、“お疲れさん”と示して)」

ここでヴィジターが帰ることに。最後にクロに向かってこう言った。

ヴィジター「・・・俺は時空のそこらへん漂ってるから、いつでも言って来い。 (そして小声でボツリと)…お前は、死ぬにはまだまだ早すぎると思う。じゃあな。」

こうしてヴィジターは霧へと帰っていったが…。
一人、初めて事情の一部を聞いた少年はこう言った。

ルーティ「…しぬ………?どういうこと…?(クロ見」

7歳の彼でも、すでに死については知っていた。
だが、一体何故なのかを聞く。

バロン「・・・・俺の推測が正しけりゃ、(ルーティの質問に、電光掲示板を尻尾で示して)アレはクロ達のこの世界に居られる残り時間だ。ヴィジター達の話を聞く限りでの、推測だが。」
クロ@黒翼「……大体解るだろ? スプも、俺も、ルバートも……(バロンとルーティを見て、苦笑を浮かべ)みーんな吹っ飛ばされた、ってことさ。 本来9時にはね。」
デンリュウ「……(腕時計を見て、全員が立ち上がり、掲示板が掲げ上げられた/「0:20」)

バロンの推測に、クロの説明があり、ルーティは『出来事』を理解する。

ルーティ「(驚いた表情になり)……………ふっとば…された……? …のこりじかん………?(絶望したような表情になり)クロさんたちしんじゃうの!?やだよそんなの!そんなのやだよ!」
バロン「で、そこのデンリュウ達は死神か何かか?(腕組みしたまま、クロを中心に円を描くようにゆっくりと歩き)・・・それを、今こうして生かしているわけか。もしそいつが事実なら・・・・(心底残念そうに、ルーティに首を横に振って)タイムマシンでも無い限り、彼らの寿命を伸ばすことなど不可能だ。共和国では、そんなモノ開発されてないし・・・・(困ったように、肩を竦めて見せて)」

ルーティの言葉に、推測をしていたバロンが話す。

クロ@黒翼「あぁ、2時間のロスタイム……良いバトルが見れて満足さ。(バロンヘ笑みを浮かべ)」
デンリュウ「……。(バロンは居ないかのように、クロを見て/「0:15」)」

クロの未練は無いという言葉に、さらにデンリュウが持っている、もう残り時間15分を示す電光掲示板が哀しさと虚しさを一層引き立たせる。

ルーティ「(バロン見)やだやだ!しんじゃうなんて、そんなのやだ!いやだ!いやだ!いやだぁぁ!うそって、うそっていってよ、ねぇ!(クロを今にも泣きそうな表情で見て)」
バロン「ハッ、坊やはそれで心が満たされるのか。・・・・幸せなヤツだな、本当に。(皮肉を込めて、クロに応じて目を離し。ルーティに目が行くも、その様子さえも見たくないのか、誰も居ないと思われる夜空へと向けて)・・・・。」

すがる想いをぶつける子供と、見送る決心を固めようとする大人。

ナオキ・ムゲン「・・・僕も、死んでほしくない。止められるなら止めたい。・・・けど、それは無理、なんですよね。」
バロン「テクノロジーでは不可能だね、少なくとも俺が知る限りでは。(夜空を見上げたまま、ナオキに淡々と応え)・・・・タイムスリップできる、ステキな魔法か何かがあれば話はまた別だろうが。」

誰もが『止めたい』という想いで一つになっていたが、それは無理な想いで、願いであった。
科学でも、魔法でも無理な話になる。

ルーティ「(掲示板見て)………そんなので…クロさんのじかんをはかってるなら…見たくない…みたく…ない……。(泣きそうな目で電光掲示板を睨み」

目の前で刻々と時間を見せびらかすようなデンリュウと、その掲示板に怒りをもったのであった。

クロ@黒翼 「心、ねぇ……生まれ変わるなら、惑星コレリアのフローゼルだな。 その頃はバロンが伝説になってて、俺がその話を聞いて……バロンみたいになるかもしれないな。」
デンリュウ「……。(無言で、掲示板を掲げ/「0:09」)」

タイムリミットを告げる電光掲示板。
そんな状態でも、バロンとナオキと話すクロ。

バロン「フン・・・・今から何十年も、ヘタすりゃ何百年も後の話だな、それは。(クロに苦笑を漏らし、肩を竦めて首を横に振り、笑みを消して)・・・・このバカタレが。(少し怒りの混じった声で)」
ナオキ・ムゲン「(電光掲示板見)・・・残り10分を切った、か。」
バロン「お前は、とんだアホだ。(クロの応答を待たずに、毒づいて)爆弾が来ることぐらい、予測もできなかったのか。・・・・ヘナチョコはこれだから困る、まったく。」

そんな会話をしていた中。
一人の子供が行動に出た。

ルーティ「…………そんなの見たくない……。……こわれちゃええええ!(電光掲示板にむけて波導棒を振り下ろした(待」

とうとう目の前で見せびらかされるような掲示板に対し、攻撃を仕掛けたルーティ。









そのとき、店の方から轟音が近づいてくる。

バッフェ「……店の方で一体何があったのだ……?(後編に続く)