10月31日 三国ハロウィン大戦!?オタマロVS霊ポケVS暇ナッツ!!(前編)  編集:Rista


 10月31日――ハロウィン。
 万聖節前夜、魔物たちが歩き回る特別な夜という名義のもと、思い思いの仮装(ところによりコスプレ)をした客がカフェをうろついてお菓子を要求するという、知らない人から見れば謎だらけのイベントである。

 そんな日の、しかしイベントにはまったく関係ないはずの、静かな入り江でのこと。

 突如海が盛り上がったかと思うと、かなりの数のオタマロが跳ねあがって砂浜に降り立った。10匹、20匹なんてもんじゃない。軽く300匹は超えるだろうか。
 オタマロとはイッシュ地方に生息する水ポケモンの一種である。どんなポケモンかというと……

(・´∀`・)<『今宵は軟弱な霊どもが年に一度踊り狂うという謎の祭の夜である。我等有能たるオタマロはかの若輩者どもを駆逐しハロウィンなる祭りをオタウィンと改称させる義務があるのだ』

オタマロ!オタマロ!オタマロ!>>(・´∀`・)(・´∀`・)(・´∀`・)(・´∀`・)

 ……奇妙というかうざったいというか、そういう感じの独特な顔が最大の特徴である。他にも特徴はあるはずだが全く目立ってない。
 そんな軍団の先頭に妙な風格のある個体が立ち、演説を始めた。

(・´∀`・)<『その通りだ勇猛なるオタマロ諸君。では問おう…この島の絶対の支配者は!?

オタマロ!!オタマロ!!>(・´∀`・)(・´∀`・)(・´∀`・)(・´∀`・)

(・´∀`・)<『軟弱な暇ナッツや霊どもを駆逐するのは誰だ!?』

オタマロ!!!オタマロ!!!>(・´∀`・)(・´∀`・)(・´∀`・)(・´∀`・)

 ひとたび号令を上げれば、数百匹が一斉に答える。
 あなたはこの顔が砂浜を埋め尽くしている様子を想像できるだろうか。オタマロは海ではなく川や湿地のポケモンだということはこの際脇に置こう。

(・´∀`・)<『よくぞ言ったオタマロ諸君。ならば我は命ずる。AHEAD,AHEAD,GO AHEAD!!我等絶対の支配者として、島に平穏とオタマロ天国をもたらさんが為に突撃あるのみだ。…返事はどうした!?』

オター!!!>>(・´∀`・)(・´∀`・)(・´∀`・)(・´∀`・)

(・´∀`・)<『ならば我に続け!総員突撃!!

 ぴちぴちと鬨(とき)の声を上げ、オタマロ達が森方面へと跳ねていく。
 実にシュールな光景……おや、こっちにも何かが向かってくるようだ。
 



 ……話を戻そう。

 ハロウィンの行事は毎年カフェで行われていて、それは今年も同じだったが、大混雑に備えて今年は別の会場も用意されていた。カボチャランタンに照らされた道の先、聖なる森の奥地に用意された特設の宴会場である。
 しかし事前の告知不足のせいか、皆がいる場所に集まった方がたかりやすいからなのか、ハロウィンパーティが始まってもそちらにはそれっぽい客が見あたらない。
 そこに来ているのは、来た常連を驚かそうと潜んでいるゴーストポケモンたちと……

イーリング・シュタイン「ターイムイズマネエエエエエ!集え同士、宴の始まりじゃあああああ!(

 ツギハギの身体にでっかい螺子(ネジ)。抜かりなく仮装を決めてきたカゲボウズのイーリングだった。

イーリング「つーわけで腐ったエクレア!腐ったエクレアは何処だ!( 」
 元気よく叫ぶ。
 が、ゴーストたちは答えない。そして客はいない。
イーリング「ってこっち誰も来ないのかよ!もっと熱くなれよおおおおお!(  ふい。( 」

 そこへ、ちょうど入り江の方角から、ぴちぴちという音が聞こえてくる……それは迫り来る青い奔流……

イーリング「!? なんだ、今凄まじい寒気が!?( 」

 音は次第に、テレビボリュームでいう4から20、40、75……とどんどん上がっていく。
 そしてついに――皆様のご想像の通り――広場にオタマロの軍団(総数約300)が攻めてきた!

イーリング「Σぐおおおお!;  レギオン、まだ生きてやがったのか!(」
(・´∀`・)<『我等不死のオタマロ軍団、ただではやられんよ。そしてこの祭りはオタウィンとなるのだ!』
 総数約300は周囲に気を向けながら一団にまとまっている。
 どうやら前に対戦したことがあるらしい。イーリングを見る彼らの視線にはどこか余裕がある。

イーリング「ふっざけんじゃねえ!我らの祭り、邪魔はさせん!いでよ百鬼夜行ー!」
 わー、とゴーストポケモン達が地面の下から現れた!
 もちろん、ハロウィンの祭りに備えてそこら中に潜んでいた集団である。種々雑多な彼らはよく見ると全員たねポケモン(進化前の種類)だが、そこはオタマロ軍団も同じなので問題はないだろう。

 オタマロ対ゴーストポケモン。因縁の対決の幕開けである。


 と思いきや、

 「ひまー」「ひまひまー」

 そのびちびち音に呼応するように聞こえてくる声があった。カフェの常連客、特に夏の終わりの一時期に来たことがある客なら間違いなく聞き覚えのある声が、次第に近づいてくる。
 そして、

暇カボチャ「ひまー!」「ひまひまー!」「ちがうのー! ヒマウィンなのー!」

 周囲の森からぽろぽろこぼれるように現れるカボチャのいくつかが、一斉にそんなことをのたまった。こちらもそれなりに数がある。
 もうお分かりだろう。オタマロが水中ならこちらは陸地の大集団、ハロウィンらしくカボチャお化けに扮装しているらしいヒマナッツたちが、この場に堂々と乱入してきたのだ。

(・´∀`・)<『なん、だと・・・!?』
 地面からせり出したゴースト軍団+森から湧いてきた暇カボチャ軍団に→驚愕するしている

 改めて。
 オタマロ対ゴーストポケモン対ヒマナッツ。島の覇権を争う(?)因縁の対決の幕開けである。


詠歌「……うー、いーりんぐー、こっち何か大変なことになってないー?」
 ぴょこ、イーリングの近く辺りで声がした。
 白髪赤目に兎耳フードつきのケープがよく似合う、ゴースト大好きでゴーストからも大人気の女の子、詠歌。色違いのサーナイトに抱えられて登場した彼女は某白ウサギの仮装なのか、大きな懐中時計を鞄のように肩に掛けていて、裾をパッチワークで縁取った赤いワンピースにはちゃんと白い尾もついていた。
イーリング「おお詠歌!これから戦争が始まるんだ、怪我しないようにしろ!(」
詠歌「うー……戦争ー?(ぽてんっとサーナイトにおろしてもらいつつ。サーナイトはテレポートで帰っていったよ()……戦争って、あの子たちが戦うのー?(視線は暇カボチャとオタマロ軍団に向き()」
イーリング「ゴースト軍団も交えた三つ巴戦争だ!(」
詠歌「うー、そうなんだー……(ちらりとイーリングを見て、もう一度オタマロ軍団と暇カボチャを見る少女。どうしよう、この戦争参加したほうがいいのかなぁ、なんて思いつつお菓子をさくさく(……)」
 悩むような発言の割に、行動はそんな積極的でもなかった。このまま観戦に回りそうな雰囲気である。
 そうしている間に……


(・´∀`・)<『ぐぬぬ、なんとしてもオタウィンと島を我等のものとするのだ。かかれー!
 ▼前衛のオタマロ軍団が暇カボ、幽霊軍団にバブル光線を放ったよ。(2D6 → 4 + 2 = 6)

 やはり口火を切ったのはオタマロだった。ダメージの差などは是非ダイスの目から感じ取ってほしい。

イーリング「こちらには姫が居るぞー!勝利はわが手にー!」
ゴースト軍団『うおおおおおおおお!
 こちらも負けじとシャドーボール弾幕! (2D6 → 3 + 2 = 5)

暇カボチャ「うわーっ!」「みんなー! よけてー!」「どこにー!?」
 数が多すぎて号令がうまくいってない暇達にもバブル光線が迫る! (2D6 → 2 + 6 = 8)

(・´∀`・)<『見よ、この圧倒的な威力!(※先手打っただけです)』 
イーリング「ぎゃああああああああ(弾幕負け。濡れていくゴースト達。()」
暇カボチャ「だいじょーぶ! くさタイプだもん!」「みんなー! まえの子とこーたーい!」

 ……どうやらバブル光線の弾幕はゴースト軍団に結構な配分が向けられたようだ。
 一方暇ナッツ軍団はバラバラな行動がかえって動きを読みづらくさせたのか、あまり当たらなかった上、タイプ相性でダメージも軽減されたらしい。光線が当たった暇ナッツが仲間の呼びかけで後ろに引っ込み、別の暇ナッツ達が前へ出てきた。


詠歌「Σいーりんぐー!;頑張ってー!?;(あと姫って誰ー!?なんて最後に余分な言葉がついた応援をしている(……)」
イーリング「ご・・・ゴース部隊!やつらに強烈な毒を浴びせてやれ!」
ゴース「姫の応援で百人力じゃあああ!」
 前に出たガス玉もといゴースたちが、視界が霞むほどの強烈な毒ガスを撒き散らす!(2D6 → 6 + 5 + (2) = 13)

(・´∀`・)『む、中衛遊撃妨害隊!防ぐのだ』
 オタマロ団の前面の地面が爆ぜるように弾ける。大地の力による土砂の雨だ!(2D6 → 3 + 5 = 8)

ゴース「クリティカール!ふあーっはっはっは!(」
 姫補正(?)の恩恵かは定かではないが、とにかく効果的な一撃だったらしい。
 オタマロ軍団のうち前衛の約半数が毒を受けてぴちぴちし始めた。一見するとただ跳ねているのか苦しんでいるのか判別できない…(…
暇カボチャ「きゃーっ!;」「いやーっ!;」「みんなー! あのケムリ吸っちゃだめよー!」
 さらにとばっちりでダイス分の匹数の暇が攻撃に巻き込まれた。 (2D6 → 3 + 2 = 5)
 ……結果、5匹ほどカボチャが動かなくなって沈黙する。しかしそこはチームワーク、店員代理で鍛えた頭上バケツリレーによって倒れたカボチャ達は運ばれていった。


 毒煙で前線がばたばたし始める中、
サーリグ「……面倒な連中が増えたとは聞いていたが……。」
 応援していた詠歌の近くに別の声が割って入る。
 いつの間にか宴会場の隅に豪奢な椅子が据えられ、黒い燕尾服とシルクハットに身を包んだ男が座って、戦いを見物していた。
詠歌「うー?(すいっと視線がサーリグのほうへ向いた。こんばんはー、とサーリグに軽く手を振って()……うー、面倒な連中って、あの子たちのこと?(きょとん。毒ガスを見ると数歩後ろに下がり()」
サーリグ「そう考えていい。(視線を右から左へ流す、三団体全部のことを言いたいのだろうか)」
 ちなみにこいつ、左手には古風な黒いステッキを持ち、右手は肘掛けに置いたバスケットを支えている。中には何か入っていそうだ。

ネージュ「ふぁあっぁははははっ!(でっかいカボチャが飛んできた!びゅーん!きき、と詠歌とサーリグの傍で急停止する)……ひゃっはー、元気?(」
 続いて登場したのはムウマージのネージュ。イーリングや詠歌とはお友達である。
イーリング「ようネージュ!最近見ないと思ったら何処行ってたんだ!(  サーリグもいつの間に!( 」
詠歌「あ、ねーじゅだー!こんばんはー!(ぶんぶんとネージュに手を振る。急に動いたため、ぱたりとフードの兎耳が揺れ)うー、えーかは元気だよー。向こうはなんかちょっとせんそー?になってるけど。(暇カボチャたちのほうを指さしながら()」
サーリグ「……貴様もあの中に入るつもりか?(ネージュへ視線をやる、イーリングは無視)」
ネージュ「戦争かそうか……(まぁ見た感じそうだし)ちょっと聖地巡礼に行ってた(…  いやあの渦中には自分からはいるなんて嫌だよー。(手を横にふりふり()」


(・´∀`・)<『くっ、衛生隊、雨を乞うのだ!』
 体勢を立て直すのか、オタマロ近辺に豪雨発生。うるおいボディの特性により毒を受けたオタマロ達が息を吹き返していく。 (1D6 → 1 = 1)
 ……しかし、その部隊のうるおいボディ持ちは少数だったがため、一部のオタマロ達は素早く跳ねだしただけであった。
 (ちなみにオタマロのもう一つの特性は「すいすい」である。)

暇カボチャ「きゃー! あめだー!」「まけちゃダメ! みんなー! がんばってひかるのよー!」
 負けじと暇部隊Aの「にほんばれ」! 素早くなった別働隊が攻撃態勢に移る。

イーリング「三国県立!叩き潰せフワンテ隊!」
フワンテ「ふわわー。」
 風起こし!凄まじい突風になるぞ! (2D6 → 3 + 1 + (2) = 6)
 威力40とあなどるなかれ、集団で起こせばそれなりに効果があるもので……

(・´∀`・)<『くっ、形成逆転を狙うのだ!』
 オタマロ軍団は雨で溜まった水を謎のポケモンぱわぁで集約させ、風起こしに対抗させる濁流を解き放った!(※命中率90だからマイナス補正ね) (2D6 → 2 + 2 + (-1) = 3)
 ……きゃー一二三賽ー!と言わんばかりに突風に飛ばされてくオタマロ軍団。先ほど毒を受けていた部隊には戦闘不能に陥る者も出始めた。

 そこへさらにたたみかける敵勢力。
暇カボチャ「いくぞー!」「ひかってたら元気100倍!」
 にほんばれで素早さを上げたりハイになったりしてるカボチャ達が、カボチャの口から一斉に「タネマシンガン」を放った! (2D6 → 1 + 2 = 3)
 しかし攻撃は割と不発。元気出過ぎて空回りしている。もしくはカボチャの中でタネが詰まったりしたらしい。(…)
 カボチャから無事に発射された種も、濁流のなりそこないと相殺しあったようで、相手にはあまり届いてくれなかった。


ネージュ「ファイトー、イーリング!(とりあえずというかなんというかイーリングに声援を送るカボチャフォルムムウマージ。頑張れよぉ〜) 」
 唯一の進化形ポケモンが試合観戦のような声援を送る中、バトルもとい戦争は後編に続く……