10月31日 三国ハロウィン大戦!?オタマロVS霊ポケVS暇ナッツ!!(後編)  編集:Rista


 実力伯仲、体格もだいたい一緒、そんな3つの群れが三つどもえのバトルを繰り広げる中。
 宴会場の端から友達の奮闘を見守っていたはずの詠歌は今、別のことに気を取られていた。

詠歌「うー、そっかー。(そう考えていいんだ、とサーリグが言ったことを繰り返しつつ。ひょいとサーリグが持っているバスケットの中をこっそり覗き込んでみようと(……)」
サーリグ「賢明な判断だ。(ネージュに答える間に詠歌が来ていた、見下ろす。)」
 詠歌がのぞき込んだバスケットの中には、カラフルな包み紙に彩られたキャンディが詰め込まれていた。
 この場所でわざわざそんな物を持ってる理由なんて限られる。
 まさかあの戦いの渦中に投げ込む……そんなわけないか……
詠歌「……(キャンディを見てから、サーリグを見上げた。じーっと少しの間サーリグを見つめてから)……トリック・オア・トリート?(くりっと首を傾げ。目はきらきらしている()」
サーリグ「……。(見上げる目が輝いていた。一瞬顔を引きつらせ、シルクハットのつばを軽くつまんで直してから)……好きなものを持って行け。」
詠歌「やった、ありがとー!(にぱー、とサーリグに笑顔を見せるとバスケットをじいっと見つめ。キャンディを一つ持っていった()ねーじゅ、見て見てー!お菓子もらえたよー!(そしてそれをネージュに見せにいく()」
 いいね、実に平和だ。ここだけ。


イーリング「ふあーはははは!諦めろザコども!姫とネージュにより強くなった部隊!ハロウィーンは我らのものだー!(」
 調子に乗ってる場合じゃない。ここから逆襲が始まる(!?)。

(・´∀`・)<『我等は雑魚ではなーい!
 こっちも負けじと声を張り上げる。
 前衛が崩れつつあるため、中衛隊が怒り補正つきで暇霊軍団の足元に大地の力を発動させた! (2D6 → 5 + 4 + (1) = 10)

イーリング「なんだと!衝撃に耐え、うごおおおお!」
 (ずどどどどど。防御!) (2D6 → 5 + 6 + (2) = 13)
イーリング「耐え切ったッ!(補正なくても勝ってた。大地の力に合わせて浮かび上がる!()」
 どうやら大地の力は浮遊持ちが多く居る一角で発生したらしく、効果はほとんどなかったようだ。
(・´∀`・)<『ふっふっふっ、これなr…ばかな!?

暇カボチャ「ザコじゃないもん!」「ザコっておさかなの字をかくのよ! だからそっちのおさかなの方がザコなのー!」「シューちゃんものしりなのー!」
 そんな与太話もそこそこに、こちらの前衛部隊も防御に移る。 (2D6 → 2 + 2 = 4)
 しかし、
暇カボチャ「きゃーっ!」「おしゃべりばっかりしてるからなのー!」
 浮遊なんて便利なものはこちらにはない。不安定なカボチャがいくつかごろごろ転がりだして戦線離脱を余儀なくされた。


 その頃、応援団は。
ネージュ「あれ、私何か関与していたかな(そっちに疑問が言った。声援おかげか。そうなのか)……おー、詠歌良かったじゃん(にこにっこ。おいしそうだなーと言いつつ)フフフ、実は私もブツを持ってきているんですぜ・・・・・・・( 」
詠歌「うー、いーりんぐ頑張ってー!(と、イーリングたちに応援をしてから。ネージュの言葉に目をしばたかせた)……ねーじゅも何か持ってきてるのー!?(目がきらきらきら。期待に満ちた目()」
ネージュ「(ぎらぎら怖いわっ。フフフーとカボチャの中をごそごそしつつ)……おっと、まずは例の言葉を良いな。ブツはそれからだぜ(」
詠歌「うー、わかったー!えっと……とりっきゅ、……トリック・オア・トリート!(噛んだのはきっと気のせいなんだよ。満面の笑みで両手をネージュに差し出し()」
ネージュ「(気の所為なんだね。よしよしカワイイやつめ()フフ、違いないようだな(ごそごそと。カボチャの中から今度こそ取り出したのは、黄色いお菓子。カボチャを煮て固めて色々やった普通のカボチャクッキーである)……ハッピーハロウィン、だぜ(何て言いながら、その両手にぽんと乗っけてあげる) 」
 戦場の外はまさに幸せムードである。
サーリグ「……。(こちらはどう考えても中立の立場、ぐだぐだになりそうでならない戦況を冷たい目で観察中)」


イーリング「いまだ!一斉攻撃、ハイパーナイトヘッドォ!」
 ずおおおお、全員ででっかいハブネークの幻を出現させた! (2D6 → 6 + 5 + (2) = 13)

(・´∀`・)。0(くっ、南瓜は無視して霊軍団に集中するべきか!)<『瀕死部隊よ、突撃するのだ!』
 幻影に防御を捨てた決死の泥かけ攻撃で対抗! (2D6 → 1 + 6 + (2) = 9)
 ……しかし幻影が泥で消えるわけもなくぽとぽとと倒れていく。

暇カボチャ「いやーっ! ヘビこわいのー!」「みんなー! おちついてー!」
 先程の攻撃で動揺した暇に幻影が効いている。まだ勇気の残っているメンバーが、幻影へタネマシンガンで対抗。 (2D6 → 1 + 1 = 2)
暇カボチャ「きいてないのー!」「こわいのー! たべられちゃうよー!」
 ハブネークに怯えた暇の大半は逃げ出してしまった!

イーリング「ふあーははははは!われらの勝利だー!ハロウィーンはおわらなーい!(」
ゴースト軍団『おわらなーい!(』
 タイプ的には等倍ダメージだが、その内容が見事に効果抜群だったようだ。早くも得意げなゴーストポケモンたちである。

(・´∀`・)。0(もはやこれまで!せめて奴だけでも!)
 一方、戦力を削られ、いよいよ追い詰められたオタマロ軍団。
 既に6割以上が倒れたため、残存戦力はイーリングに集中攻撃を仕掛けた! (2D6 → 5 + 5 + (2) = 12)

イーリング「いまじゃ!パワーをメテオに!」
ゴースト軍団『いいですとも!』
 集中攻撃をこちらは大量のシャドーボールで迎え撃つ! (2D6 → 4 + 1 + (2) = 7)
イーリング「ぐおおおおお!(さばき切れなかった、直撃!)」
ゴースト軍団『将軍ー!(』
 補正値を差し引いても、負けられない側の意地は強かった。

暇カボチャ「ま、まだがんばるの……!」「だめー! なっちゃんもこっちこないと!」
 一方、こちらは逃げた暇と残っている暇が説得を受けている。残っている暇達は最後の一撃のため光を集めている! 月光だが。

(・´∀`・)<『転進!転進!戦略的撤退じゃー!』
 残存オタマロ軍団は戦闘不能な個体達を抱えて波乗りで逃走を図った! (2D6 → 6 + 1 + (-2) = 5)
 追い討ちをかけないと逃げられそうな勢いだ。
 さあ、霊と暇はどうする!?

詠歌「うー、ありがとー!(にぱーっと笑い、カボチャクッキーを受け取った。ぴょんたぴょんたと飛び跳ねて喜んでから()Σいーりんぐー!;頑張ってー!?;(またクッキー作るからー、とかなんとか。応援応援() 」
イーリング「つ・・・追撃だ!全員残らず抹消しろー! まかせろ詠歌ァ!(」
 ほとんど減ってない霊軍団で追撃する!シャドーボール! (2D6 → 4 + 2 + (2) = 8)

 撤退する集団の中、殿を務めたリーダー格のオタマロが波に乗れず、シャドーボールに防戦する形になった。
(・´∀`・)<『ぐぬぬ、まだだ、まだやられんよ!』
 その顔で言われてもいまいち迫力に欠け……何でもありません。


ネージュ「いや、いいってことよー(ひらひら手を振りながら)おー……まだ倒れないねー(何か観戦でお菓子を食べそうな雰囲気とかいやそんな事は無いよ)」
詠歌「うー、確かにそうだねー。(みんな強いねー、なんていいつつ、サーリグから貰ったキャンディの包み紙を剥がして口に放り込んでいる。体育座りをして完全観戦モードである(……)」


暇カボチャ「みんなー! これが終わったらかえるのよ!」「よーし! がんばるのー!」「レッツゴー!」
 オタマロが防戦している間に、残存暇の時間たっぷりかけた「ソーラービーム」! (2D6 → 5 + 6 = 11)
 エネルギー源が月光だとか細かいことは気にしてはいけない。時間に見合った威力の一撃が双方に襲いかかる!

イーリング「むう、しぶとい・・・・。  って太陽光線きたああああああ(」 (2D6 → 5 + 5 + (2) = 12)
 光に飲まれるゴーストたち。

 そして……
(・´∀`・)<『我等オタマロ軍は永久に不滅ー!
 ソーラービームがドカンと直撃、直後爆発に乗ってオタマロが力なく吹き飛んで行った。
 ▼暇軍団と霊軍団はそれぞれ300×ダイス値の経験値を得たり失ったんじゃないかな!? (2D6 → 1 + 1 = 2)

 見事なファンブルを残して去っていったオタマロ軍。
 えーと……ヒマナッツ軍団とゴースト軍団はそれぞれ約600の経験値を得た!


ゴースト軍団(ぶしゅううう・・・。  しかし全員立っている!)

 そして(補正込みとはいえ)ソーラービームの猛威をぎりぎりで耐えたゴースト軍。
 この瞬間、勝負が決まった。


イーリング「・・・・・ハロウィーン・・・・ウィナー!(うおおおおおおおお()

暇カボチャ「ま、負けちゃったー……;」「また来年があるの! 来年は、あたしたちが勝つのー!」「「おーっ!」」
 暇ナッツの残存メンバーも各自声を上げて、森の中へ帰って行った。


 え、今、来年とか言わなかった……?
 



 オタマロ軍と暇ナッツ軍が撤退した後。
 宴会場はゴーストポケモンたちの喜びの声にあふれていた。

詠歌「あ、終わったー……うー!いーりんぐお疲れ様ー!(ネージュから貰ったクッキーを鞄にしまうと、ぱっと立ち上がって。ぱたぱたと両手をばたつかせ()」
ネージュ「おお……(勝ったよすげーなおい)我らがゴーストの勝利じゃあああ!( 栄光あれ!(」
イーリング「あぶねー!最後の光線、詠歌とネージュの応援がなけりゃ負けてたぜ!さんきゅーな!(」
ゴースト軍団「姫ー!」「姫ー!」 「神官ー!」「神官ー!」 「クリフトー!(」
詠歌「……あれ、姫ってえーかのことなの?(きょとん、目をしばたかせて()」

サーリグ「……『かくして、ハロウィンの主役を自負するゴースト軍団は、辛うじてその威厳を守ることに成功したのだった』。」
 ここで、ずっと沈黙していた男がようやく口を開いた。
 しかも何者かが差し出したカンペを気だるそうな目で読み上げている。

詠歌「……あれ?おにーさん、そのカンペずっとあったのー?(サーリグのほうを見て、くりっと首を傾げた()」
イーリング「今だ日ごろの恨みィ!」
 偉そうにするサーリグへ、イーリング含むゴースト達が飛び掛った!(
ネージュ「ああ……命知らずめ(サーリグへと向かったイーリングその他ゴーストたちにやれやれ的な視線。アカンそれフラグやで)」
 あきれるネージュと不思議そうな詠歌をよそに、本人は涼しい顔。

サーリグ「今し方渡された所だ。(用済みになったカンペを、向かってくるゴーストたちに投げつける!)」
イーリング「うおう!(べしゃっ。紙が張り付いた。)てめっ、サーリグ!叩き潰してくれるわー!」
 わー、同調して迫るゴースト達。
 四方八方からサーリグを押し潰そうとする!が……

詠歌「ふぇ、そうなんだ?誰が渡したんだろー、ここのゴーストたちかなぁ……あ。(サーリグに向かっていくイーリングたちを見て、目をぱちりとさせて)……うー、えーか知ってるよー。あれフラグっていうんだよね?(」
ネージュ「うん、そうだよー(と、良いながら詠歌へと視線を合わせるように低空飛行してサーリグたちを見る)ああいう無茶って普段はしてもいいけど、絶対できなくなるような事は止めた方が良いからねー(ぁ」

サーリグ「……。」
 ゴーストたちに群がられた彼の行動は一つ。潰される直前、ステッキに謎の力を込めて軽く振っただけ。
 (――奇数なら「あくのはどう」、偶数なら「フラッシュ」!) (2D6 → 6 + 5 = 11)


イーリング「ホワイ?」
ゴースト達「え、」「お。」 「は・・・・」


  カッ    ボオオン! 全員ぶっ飛ばされた!(


 ……どうやらダイスの神は遊び足りなかったらしい。
 黒か白か。結果は黒。奇数の最大値という余計な奇跡が黒い花火となって、ゴースト軍団を高々と打ち上げたのだった。


ツタージャ「(1本の棒付きキャンディーを持って、その会場へとやってきた。) ……、……混んでなさそうだけど、あれ、何やってるんだろうね。」
ミオ「んむ?(彼に続いてやってきた。そのキマワリキャンディーを頬張りながら、残る5本の同じそれを持って。」
詠歌「うー、わかったー。えーかは気をつけることにするねー。(ネージュを見て、にぱーっと笑った。こっくりと頷けば、フードの兎耳が揺れて()……あ、つたーじゃだ!(ばたばたとツタージャに手を振りながら。こんばんはー、と)」
ネージュ「うん、詠歌は賢い子だねー(何様なのだろうこのムウマージ)……お(それからツタージャを見つけた)やほ〜」
ツタージャ「あ。(見知った顔がちらほら。 片手あげて、) こんばんはだよ。」
ミオ「こんばんは!(にぱにぱ、みんなにご挨拶。 ……サーリグを捕捉した。」
 同時開催だった肝試しの景品を手に宴会場へやってきたツタージャとミオが、詠歌やネージュと和やかに挨拶を交わす中。

イーリング他( 死 屍 累 々 。  現実は非情である。()

 霊たちの屍という、ポケモンでなければ説明がつかない奇妙なシロモノが、その辺に山積みとなっていた。
サーリグ「先の威勢は何処へ行った?」
 一瞬潰された名残か加害者の方も衣装がやや乱れていたが、こちらはステッキを優雅に下ろした手で軽くはたいて直すだけで済ませている。

詠歌「えへへー、賢いー?(ネージュに照れたように笑う。嬉しそうである()……Σって、いーりんぐー!;(ぱたぱたとイーリングの方へ駆け寄って。とりあえずげんきのかけら使おうか、げんきのかけら()」
ツタージャ「……、……何これ。トリックオアトリートの一環なの?(…」

 プリンセスの悲鳴を宵闇に飲み込んで、今年のハロウィンの宴は幕を閉じたのであった……