2022年8月28日 夏祭りバトル!舞いあがれナマコブシ!?  編集:Rista

夏真っ盛り、島はおなじみ夏祭り。
今回はいろいろあって人手は少なめだったものの、恒例のポケモンバトル大会は例年通り実施され、個性豊かな面々が腕を競い合った。

これはそんなお祭りの一場面。
2022年大会に刻まれた熱戦の記録である。

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ノア「んーーーーーまあまあな涼しさ(店の外に止めていた反重力スクーターで走ってきた。この辺でいっかなー、ざっくり“この辺”で降りる。)」
フィアロウ「(店の方角からフライゴンに乗って飛んでくる。砂浜に着陸し)……うん、大丈夫そうだな。(レンを撫でて)」
今日はなんかすごい乗り物が登場した。ひこうポケモン大好きトレーナーのノアは、ふらふらオドリドリを模したワンピースで夏らしく決めている。
一方、前夜からの連戦になるフィアロウはアロハシャツ姿。こちらも夏を満喫している。
今日の対戦は広場ではなく、静かな入り江が選ばれていた。

月黄泉「(空間の裂け目からさっと登場して)さて、どんな戦いになるのかしらね?」
今夜は観客も駆けつけた。紫の毛並みのテールナーは中華風ドレスと紫の帽子など小物を着こなしている。
ノア「あれ。セカンドちゃっすじゃん(?)(モニターで観戦するのかと思ったら。三度目のお手振りをして、場の確認をして、空にぎゃんかわの反応があって……) ……え? ん? あれ? フライゴン?(撫でられているレンを指差している(失礼)。)」
月黄泉「モニターもいいけど、観戦するならやっぱり間近でよね。(と二人を見てる)」
実は少し前まで3名ともカフェにいたのである。
どうせなら現地で、という意見にうなずくトレーナー諸氏も多いだろう。

フィアロウ「おお……便利そうな移動の仕方だな。(手を振り、ノアの様子を見て)リザードンと戦ったからか、成長してこの姿になったのさ。(ぽんぽん、とレンの背を叩いて)ま、始めるか?六面ダイスで大きい方から先行でどうだ。」
ノア「まーじーで。バトル終わりまでは見てたのに進化前に帰ったんだ自分さん。ウケる(いやまぁビブラーバとフライゴンってタイプは同じだし……シミュレーションとそんな変わんないでしょ……など言いながらムクバードを繰り出し)」
いもうと「ん? あれ? フライゴン?」
マメパトみたいな顔をしているムクバードにノアは経緯を説明した。わかってもらえたようだ。
どうやら昨夜の試合をカフェの中継映像で観戦していたらしい。

ノア「おっけ。さいころころころーーえい」 (1D6 → 3 = 3)
フィアロウ「あー。(ダイスを取り出し)終わってしばらくしてからだったからかな。……マメパトの面とはこういうことか……。(と言いながらダイスを転がす)」 (1D6 → 3 = 3)
月黄泉「あら、同数ね?ジャンケンかしら?」
ノア「ここの展開がモニターで見たのと同じなのは想定してない(ウケる。マメパト面に“しんかのきせき”を食らわせながらもう一度ダイスを転がす……)」 (1D6 → 2 = 2)
フィアロウ「こういうことあったな……次からは2個ダイス振るかね。(とりあえずもう一度、六面ダイス一個ころころ)」 (1D6 → 2 = 2)
月黄泉「こういう事もあるのね。また同数……奇跡ね。」
ノア「めっちゃウケる(早速次が来た。2個振ろう!!)」 (2D6 → 4 + 6 = 10)
フィアロウ「それじゃあまずは……じゃなかった!(ダイスをもう一つ手にして)次は決まるだろ。」 (2D6 → 2 + 5 = 7)
月黄泉「今度は決まったわね。」
ノア「ハッピーエンド。(いいえこれから本番です。 よーし、肩を回してからムクバードをつついて飛ばした。)」
かつてどこかの有名人がこう言った……「二度あることはサンドパン」。
そんな事態は幸い回避された。よかったね。

ダイス勝負が一段落したところで、さあ、バトルスタート!!

いもうと「(しんかのきせきって多分こうやって食べる物じゃないんだよな。飛び立ってからこっそり羽の間に隠し、前を向いた。)」
ノア「まーやること大体決まってるかんね。つっこめー(シミュレーションとは何だったのか。トレーナーの合図を聞いたムクバードは羽を畳んで弾丸のようにフライゴンへと突っ込んでいく。初っ端から“すてみ”の“ブレイブバード”だ!)
フィアロウ「よし……レン、頑張るぞ!(ぽんぽん、と背を叩く。レンが「ふゆう」でふわ、と飛んだところで“すてみ”の“ブレイブバード”が来てドサッ、と砂浜に転がっていく)レン!「すなあらし」だ。いつも通りにやれ。まわりの砂を巻き込め!」
レン(再び「ふゆう」でふわ、と細かに羽を動かしながら飛ぼうとする。落ちた時にえぐれて飛んだ砂と共に。はねと風が砂を運んで空を覆っていく。)
月黄泉「今日のお天気は砂嵐………と。(砂嵐は月黄泉を避けて吹いてる)」
今日の入り江にはマジカルなフィールドも観測されている。

いもうと「ん゛ーぅぇちょっ微妙に塩味(砂浜の“すなあらし”は普段の砂よりしょっぱかったらしい。道具を羽の下に移しておいてよかった、でなきゃ今のぺっぺっで落っことしていた。)」
ノア「味の事情は知んないけどとりま予定通りふっ飛ばせー(目の辺りだけ片腕で守りつつもう一方をぴっと振った)」
いもうと「(“ブレイブバード”は勢いが命。もう一度やるにしても色々飛ばしてからだ。 その場で大きく羽を動かし、“ふきとばし”相当の旋風を作ってレンと“すなあらし”の一部を遠ざけようとする。ついでに落ちてるナマコブシも飛ばして撹乱を狙う! どうせ投げて帰すついでだ!)」
フィアロウ「(いもうとの風にすなあらしが乱れるのを見上げて)……やっぱひこうのポケモンだな風が分かるのか。次は……ええ!?(“ふきとばし”で空を舞っているナマコブシ。)そ、そんなこと……いや、ここで「フェイント」だ!ナマコブシと一緒に突っ込め!」
レン(高く上昇した後フリーフォールの様に風に乗って先に落ちていくナマコブシ越しにいもうとを見つめる。ナマコブシぐんぐん追いかけ、ナマコブシがぶつかりそうな時に尻尾で叩こうとする。)
月黄泉「周囲のナマコブシを利用しているのね。それも立派な戦い方のひとつよ。(と冷静に見てる)」
冷静な解説ありがとうございます。

ノア「うわ。そんな飛ぶんだ(飛ばしといてなんだけど……。それはそれ。やることは1つ。)つっこめー」
いもうと「(砂嵐とナマコブシでめちゃくちゃになっている間に突っ込んでやる…………つもりが、なんと“フェイント”を仕掛けて来たのは相手の方だった。スピードが上がり切る前に尻尾で叩かれたナマコブシと正面衝突し、ぴゃあと声が出る。 ……だが“すてみ”は急に止まれない。ちょっと最高速度には及ばないが、そのままレン目掛けて“ブレイブバード”を繰り出した!)」
フィアロウ「(後でナマコブシさんに好きなきのみたくさんあげよう……といもうとにぶつかったナマコブシを見て、レンを見る。)「ドラゴンクロー」だ!“すてみ”の勢いをそのまま迎え撃て!」
レン(“フェイント”でしっぽを振った身体を一回転させ、いもうとの正面へ身体を向ける勢いそのままに爪を立てた手がいもうとの顔目掛けて襲い掛かろうと)

月黄泉「………………(扇子でパタパタ)」
ちなみに今年の入り江にはスイカ割りの模擬店が出ていた。
今回のバトル中、ビーチベッドの上でアイス食べながら高みの見物するヨクバリスが観測されている。

ノア「当た……当たるね多分(向かい撃てって聞こえたな。突撃の反動が2回分。“しんかのきせき”のおかげでナマコブシアタックに関してはあまり心配いらないだろうけど、残り2ターン持つかどうか…………)……あーあーえーーーとやりかえせーっ」
いもうと「(結局作戦会議したって現場じゃこの雑さだ! それでも“できること”だけは共有している。咄嗟に『やりかえせ』に相応しい行動を考え出し、) ドラゴンにはドラゴンがいちばーんっ(振り下ろされた爪、目を瞑りもせずに受け止め、自身の足で爪の形をコピーし、お返しとばかりに顎目掛けて蹴り上げる。……“オウムがえし”だ!)」
フィアロウ「(レンの顎めがけての足の攻撃にきあいのタスキがぶわりとレンの身体を離れていく。)あの種のポケモンは勢いが違うからな……(タスキを一瞥して小さく呟き)あと少しだぞ!「じたばた」でもうひと暴れしてやれ!」
レン(前ターンの「ドラゴンクロー」で出した爪をいもうとに引っ掛けたまま、反対側の手も爪を出していもうとを引っ掻き回そうとする)
月黄泉「もうすぐで決着かしらね?(見てる)」

ノア「あーーーーーきた死ぬ前につっこめーっ(やっぱりシミュレーションしてきてよかった! ギリギリの“じたばた”。相手は死ぬ。ならこっちも勝負をしかけるまでよーっ!)」
いもうと「(ここへ来てなお雑な指示だが、やはりやることは決まっている。クチバシを食いしばり(どういうことだ?)、少しのチャンスに賭けて大きく羽撃いた。 一か八かの“でんこうせっか”は引っ掻き回される前に爪を跳ね除けられるだろうか。 2が出たら突破だが……)」 (1D2 → 1 = 1)
フィアロウ「わっ、(いもうとの羽の様子を見て)粘れーーっ!!足も「じたばた」するんだ!」
レン「ーー!!(@ @ )」(爪を引っ掛けたまま、ナックラーの頃から「じたばた」していた足も追加してばたばた。こっちもあっちもばたばたしている。)

いもうと「ビブラーバの足想定で組んだらそりゃそーなる!!!!(フライゴンの爪、デカいね! レンの頭部に届く前に“じたばた”が両の羽を引っかいた。 爪を離せばナマコブシの仲間みたいな感じで落ちていくし、掴んだままならピジョンに捕まったコイキングのごとくじたばた未満の身動ぎをするだけ。)」
ノア「…………んー。参りましたってやつだね(フィアロウに向かって両手を合わせた。)」
スイカ割り「(ナマコブシ哀れだなって…)どっちも駄々ってるなぁ」
ノア「おわー(砂嵐の向こうで何が起こってるかは分かんないけどあれは例えうちのムクバードがムクホークでも耐えるのは無理だ。げんきのかけらを用意しておこう。(…)」
いもうと「(じたじたばたばただった。収まる頃にはナマコブシを通り越してダリの時計みたいにもっちょりしんでるムクバードの出来上がりである。)」

勝負あった!
入場から試合中までSNS映えの連発だった白熱バトル、ようやく決着のとき。

レン(“すなあらし”が収まり、いつもの夜空が広がってくる。フィアロウへ視線をやり。)
フィアロウ「……5ターン。終わりかな。(レンへ止めるよう手の仕草を見せる。いもうととレンと、ナマコブシのそばへ歩いていきながら)バトル大会にエントリーするか?してもいいなら記録は後で俺が送っておこうと思うんだが。」
ノア「あざーっした。観客っちもおつかれ(途中で増えてたな。手を振った。 まだムクバードがレンの手元にあるならパス、パスミー、と手を広げる。) 記録できてるならそのまま送っといてくれるとうれしーっす」
ちなみに観客の月黄泉は余韻を邪魔しないためか静かに帰っており、ヨクバリスもアイスの棒を捨てて撤退している。
後者はナマコブシたちから手痛いカウンターを食らったかもしれない。

フィアロウ「分かった。……レン。」
レン(爪を引っ込めてムクバードの体をノアの方向へ起こす。)
フィアロウ「すまん、(膝をついてナマコブシを見て)ナマコブシさん、レンじゃなくて俺を恨んでくれ……盾になればと思ったがレンにぶちまける素質があると……いや、俺の力不足だな。(ナマコブシをじっと見た後にナマコブシの傷口へ薬をつけて)」
レン「(フィアロウからもらったきのみを食べ終えた後、最初の方に“ブレイブバード”で凹んだ砂浜に行って砂の中に潜ろうとして)……。(首だけしか入らなかった。胴体は外に出たまま、首は砂の中。)……、(ザバッ、顔が砂の中から出てきた。)」
ノア「どもー(のびてるムクバードを受け取ってげんきのかけらをクチバシに突っ込んだ。) あー、ナマコっちに関しては最初に飛ばせーってやったの自分さんなんで……(こちらからはお詫びのきのみを差し上げていこうね。)」
いもうと「デカいよフライゴン(多少元気になったムクバード、ばさばさしながらレンを見て) ……。やっぱデカいんだよ(首だけ埋もれた姿を見てぴるぴる。)」
フィアロウ「すげえ伸びてるな……溶けてると言ってしまいそうだ。(ナマコブシといもうとを交互に見る。ナマコブシはノアのきのみを食べて元気になってきたようだ。)レンは……その、今の身体だとありじごくごっこは練習が必要……(レンの目がじわ……と潤むのを見て)きょ、今日は一緒に寝るか!!布団を集めるぞ!(言いながらもう一つ、いつも食べているきのみをレンに差し出す。レンはバサァ!と砂を巻き込んで身体を起こし、)風呂入った後な!!(砂まみれ。もう身体洗うんだし。となかみをぶちまけてしまったナマコブシをそのまま抱いて)」
ノア「自分さんのポケモン、とけるし冷やせば固まる感じのが多いから……(……? 固まってきたナマコブシはそっと海へ返してあげることにする。)」
いもうと「……あ、昨日の今日で自分の体に感覚が追いついてない系? あるある(あんなじたばたできんならありじごくごっこもすぐじゃね、とコメント。多分慰めている。)」
ノア「お風呂もたいへんそー……腰とかやんないよーにね(デカいの洗うと父親さんがたまに「そう」なる、と言いつつ、見送りの手ぶんぶん。)
フィアロウ「……冷えると羽毛がボワってなったりな。(毛を逆立てて暖を取る鳥を思い出す。ナマコブシが海に帰るのを見送り)レンのじたばたは小さい頃からしていた動きだから……うまくじたばたすれば今の身体でもありじごくみたいなのできるのかな……?ひとまず今日は風呂入って寝る。いい時間だからな。(腰かあ、と腰に当てていた手を見た後、ひらりと上げて)今日は対戦ありがとうな。お前たちも気をつけて帰れよ。(くるりと霧の方角へ足を向けてその場を後にした。)」
ノア「確かにいもうとは冷やしすぎるとボワってなるわ(今は半固形くらいだ。) 今のバトルみたいに爪メインでじたばたしたらいー感じに穴つくれそー(こちらこそあざっしたー、と返して見送った後、ムクバードをしまって散らばってる羽毛をちょっと回収する。……よし、と砂浜を見渡し、スクーターを起こしてびゅーんと帰っていった。)」

お風呂場での奮闘がどうなったかも気になるが、今年の記録はここまで。

ちなみに夏祭り実行委員会ではナマコブシの扱いをどうするか若干揉めたが、結局は
「試合会場の特性をふまえ、砂に混じって流木や貝殻を飛ばすのと同じと考えてセーフ」
という意見が採用されたらしい。

来年も良いバトルを!